平和民主党(BDP)議員の「トルコは戦争のただなか」発言で議会、大混乱
2010年04月21日付 Radikal 紙

議会本議会での憲法改正案についての審議2日目、議論は白熱した。平和民主党(BDP)イスタンブル選出議員のセバハト・トゥンジェル氏が「トルコで戦争は起こっている。戦争を支持しているものが、この議会で発言していることを恥ずかしく思う」と発言すると、議会は混乱した。

議長のメフメト・アリ・シャーヒン氏は、トゥンジェル議員に彼の発言を訂正することを求めた。平和民主党会派副代表のベンギ・ユルドゥズ議員は、公正発展党(AKP)のギョクハン・サルチャム議員に歩み寄った。公正発展党議員は次々と「非常識だ」、「退場しろ」や「そんな戦争私が片づけてやる」などの野次をとばした。

■ 「トルコ軍(TSK)と戦争をしている国はない」

憲法改正第4項目に関する提案を、平和民主党会派を代表して行ったイスタンブル選出のサバハト・トゥンジェル議員が「トルコで戦争は起こっている」と発言したことで、激しい議論が巻き起こった。国民教育相のニーメト・チュブクチュ氏は「戦争ではなくテロが起こっている」と述べると、さらに議長のメフメト・アリ・シャーヒン氏はトゥンジェル議員の発言を遮った。シャーヒン議長は、戦争は二国間で起こるものであり、トルコ軍と戦争をしている国はないと述べた。

■ 議長シャーヒン:「私は共和国を支持する」
シャーヒン議長はトゥンジェル議員が「中立でいてください」と述べたことに対して、「いや、私はトルコ共和国を支持します。私たちはこの国を(戦争)遂行中とは見ていない」と述べた。トゥンジェル議員は「私は認めない。なぜなら、この国で民主主義を保証するのは私たちである。あなたは3匹の猿(訳者註:陸、海、空軍のことか)を野放しにしている」と述べた。

こうしたなか平和民主党会派副代表のベンギ・ユルドゥズ議員は立ち上がり、公正発展党議員の席に向かって野次をとばした。トゥンジェル議員が「トルコで戦争を支持しているものが、この議会で発言していることをとても恥ずかしく思う」と発言したことで、議会が混乱した。

シャーヒン議長は「この議会はトルコ独立戦争の開始を決定し、共和国を建国した議会なのである。この議会は『国に平和、世界に平和』を基本的理念として設立された」と述べて、国会議員の心構えを確認させ、トゥンジェル議員の発言の訂正を求めた。

■ 「非常識だ」「退場しろ」などの野次
この間、平和民主党のユルドゥズ議員は席を立ち、自分たちを非難している公正発展党のギョクハン・サルチャム議員に歩み寄った。公正発展党会派副代表のムスタファ・エリタシュ議員とアイシェ・ヌル・バフチェカプル議員が二人の間に割って入った。またその時、他の平和民主党議員も公正発展党議員達の元に歩み寄った。公正発展党議員の席からは次々と、「非常識だ」、「退場しろ」や「お前らの戦争なんか俺が片づけてやる」などの野次がとばされた。

シャーヒン議長は審議を中断する一方で、間に入ってくれた議員たちのおかげで、その場はどうにかおさまった。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:18935 )