前イスラエル大使「ムバーラクは健康上の理由で次期大統領選には出馬しない」と発言、シナイ半島ではイスラエル人2人が拘束
2010年04月26日付 al-Quds al-Arabi 紙

■前カイロ駐在イスラエル大使:「ムバーラクは健康上の理由から次の選挙には立候補しないだろう」
■エジプト、シナイ半島で異例の厳戒配備
■この二日間でエジプト領内に侵入したイスラエル人二人が拘束

2010年4月26日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【カイロ:本紙】【エジプト領ラファハ:DPA】

エジプト警察がシナイ半島における治安体制を強化した。装甲車や治安部隊用の車両がシナイ半島へ通じる主要道、特にスエズ運河に架けられたサラーム橋や、運河の下を通るアフマド・ハムディ・トンネルに向かうのが目撃されている。また、シナイ半島に通じる全ての道にバリケードが設置され、土嚢が積まれている。

目撃者たちが「シナイ半島のあらゆる所で尋常でない治安体制がとられている」と述べる一方で、ハイレベルのエジプト治安筋は「シナイ半島への治安部隊配備は、毎年シナイ関連の祝日や祝賀行事の際に取られる通常の措置だ」と述べた。

これに関連して同じ情報筋は、エイラート-アカバ地区に着弾した2発のロケット砲はシナイ半島から発射されたものであるとのイスラエルの発言を改めて否定し、「シナイ半島にはいかなる賊もパレスチナ人もおらず、シナイ半島の治安状況は良好で安定している」と述べた。

また、エジプトの治安機関が昨日、エジプト領海内に侵入したイスラエル人一名を拘束したとの記事が、イスラエルのイティオット・アハロノート紙電子版で報じられている。それによれば、イスラエル人男性(44歳)がエイラートから泳いでエジプト領海に侵入したところを紅海沖で逮捕された。この男性は精神疾患を抱えていたという。現在、軍および外交の責任者がこの男性の解放をめぐる交渉を行っている。
この件に関しては、土曜日にバイクに乗っていて誤ってシナイ半島に侵入したところを拘束されたもう一人のイスラエル人、サージィ・シャーフゥリーの解放をめぐってイスラエルとエジプトの間で行われている協議もまったく進展を見せていない。

そうした中、エジプトのフスニー・ムバーラク大統領はデモを行っている人々に対し、国に動揺を与えるような闘争へと社会運動を変容させることへの警告を発しつつ、法に則って行われるものである限りは社会運動を歓迎すると指摘した。
ムバーラク大統領はシナイ半島返還28周年記念日に行ったテレビ演説で、次の選挙は公正に行われると約束したが、自身が立候補するかどうかには触れなかった。今回は、ムバーラク大統領が3月に外科手術を受けて以来、エジプトの人々が彼の演説を聞く初めての機会となったが、大統領はこの二カ月の間に体重を大きく減らし、声にも以前と比べてだいぶ影響が出ていることが見受けられた。
この件に関して、前カイロ駐在イスラエル大使のツィピ・マーズエル氏は、「エジプト大統領は健康上の理由から、来年行われる大統領選挙には立候補しないだろう」と述べた。
(後略)

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( 翻訳者:酒井優 )
( 記事ID:19008 )