イラン外科医師会会長は、医療制度における不正行為の蔓延を批判して、「『袖の下を使う』ような行為は、非難されるべき行為である。ところがこうした行為は、一部の医療機関でごく普通に行われている」と述べた。
イーラジ・ファーゼル医師は、記者会見で記者団に「一部の国立病院で外科手術の順番が売買されているとの噂を耳にするのは、実に悲しむべきことである」と付け加えた。
国立病院では、患者数の多さのために、手術が数ヶ月間も先延ばしにされており、そうした病院の一部では、医師と共謀して、手術の順番をいれかえ、それを最高100万トマーン〔約10万円〕で売って、他の患者らの手術を阻害している病院スタッフがいるとされる。
医療行為における不正行為として外科医師会会長が指摘したもう一つの事例が、「袖の下を使う」行為についてであった。
「袖の下」とは、医者と患者の間でルールを無視して交わされるお金のことである。たとえば、国立病院であれば本来50万トマーン〔約5万円〕で行うべき外科手術について、私立病院では120万トマーン〔約12万円〕がかかるとして、外科医がそれとは別に、さらに50万トマーンを患者から制度外に受け取る、といった行為のことだ。
さて、ファーゼル医師はこうした問題が国の医療施設で蔓延していることに遺憾の意を述べ、次のように続けている。「4年前にも、私はこの問題を非難し、実に不愉快な行為であると指摘した。しかしその翌日、私の発言に当惑しているという声が、全国の医師から寄せられた。こうしたお金を〔患者から〕徴収するよう、医師たちは病院の経営陣から求められているというのだ。規定の診療報酬は非現実的で、病院の経営のためには、そうする以外に方法がないというのが、その理由だった」。
〔後略〕
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( 翻訳者:水谷陣也 )
( 記事ID:19014 )