解党に関する第8項、否決―憲法改正案第2巡投票
2010年05月03日付 Milliyet 紙

政党の解党訴訟に議会の承認を必要とする(憲法改正案)第8項に対する賛成票は327票に留まり、否決された。議場で投票の様子を見守っていたエルドアン首相は、結果が出ると閣僚らを招集した。AKP(公正発展党)の中では失望感が広がっている。

トルコ大国民議会(TBMM)において憲法改正に関する(国会議員による)第二巡投票が行われ、解党を難化させる内容である改正案第8項は、賛成票327票をもって否決された。本会議での無記名投票には410人の国会議員が投票し、賛成票327票に対して反対票は76票だった。また議員二人が棄権した。

この条項は第1巡投票においては、反対票72票に対し賛成票337票をもって可決されていた。第8項は主にCHP(共和人民党)が法案からの分離を求めていた条項の一つであり、今回は賛成票が327票に留まり否決された。

■票は二度数えられた。

第1巡投票においては414人の国会議員が第8項の無記名投票にのぞみ、337人が賛成、72人が反対票を投じ、5人が棄権した。今回の無記名投票における分類開票作業は、いかなる間違いもないようにと二度行われた。二度目の分類開票作業においても、賛成票が憲法の定める(国会議員の)五分の三に満たないことが明らかになった。一方、この改正案第8項の賛成票不足による否決は、CHPやMHP(民族主義者行動党)の議員らには大いに歓迎された。

■緊急会議

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、憲法改正の決議において第8項が否決されるとまず最初に会派副代表らや大臣らと会合した。エルドアン首相は議事堂内でジェミル・チチェキ副首相やハヤーティ・ヤズジュ氏、数人の大臣と会派副代表らと集まり、憲法改正案に関して今後どのような方針をとるか検討した。
AKP(公正発展党)のスアト・クルチ会派副代表は、憲法改正案に関する審議は第9項から続行される予定で、改正法案が撤回されることは有り得ないと断言した。

■反応

スアト・クルチAKP会派副代表は、憲法改正は第二巡投票において第9項の審議から続けられると述べた。国会本会議で改正案第8項に対する無記名投票の結果が出ると、AKP会派副代表らや数人の大臣らは議事堂の庭にいたレジェプ・タイイプ・エルドアン首相のもとへ赴き、状況について短時間話し合った。スアト・クルチAKP会派副代表は、エルドアン首相との会合の後、審議は残りの部分から続けられると話した。また、「審議は第9項から続けられる。我々の姿勢には何の変化もない」と述べた。一方、デヴレト・バフチェリMHP党首は、「国会が表明した意志は、我々の国民にとって非常に好ましいものである」と評価した。ハック・シュハ・オカイCHP会派副代表は、「国会議員らは自分の良心に耳を傾けたのだ」と述べた。

この条項が国民投票にかけられるためには、330の賛成票が必要であった。憲法第69条は「政党が依拠すべき原則」と題する条項であるが、改正案第8項はそれが定める解党の条件をより難化させる内容である。改正案においては、解党訴訟の実施には国会の承認が必要である。

■第8項は何を要求しているか?

野党から最も強い批判を浴びていた第8項は、憲法第69条が定める解党条件をより困難にするものだった。

第8項:「政党が依拠すべき原則」と題される憲法第69条は改正される。これにより、各政党の会計審査は会計検査院によって行われる。政党に対する解党訴訟は、最高裁判所共和国検事総長による請求にもとづき、国会に議席を保有する全政党から5人ずつ出された議員が構成する委員会における総議員の3分の2以上の賛成と無記名投票による承認のもとに開始される。訴訟は憲法裁判所によって最終的に審議決定される。委員会は国会議長が議長を務めるが、投票に参加することはできない。委員会によって下された決定は、司法による監督を受けない。委員会は(解党訴訟を行うための)承認請求が議会に提出されてから30日以内に設置され、委員会の決定は承認請求が議会に提出されてから遅くとも60日以内に下される。

承認請求に関する審議は、議会を構成する政党グループによっては行われず、決定も下されない。憲法裁判所はこの件において、解党命令ではなく、訴訟の原因となった行為の重要性に応じて、その政党に対する国からの財政援助の部分的または完全な打ち切りを決定できる。国の財政援助の打ち切りは、行われた解党訴訟と決定の内容に基づくものであり、それ自体は単独では訴訟の対象にはされない。憲法裁判所で行われる解党訴訟において、国会の審議における投票や発言、主張された考えや行政の行為や実施などは、政党に責任があるか否かの審査の対象とされない。政党が解党される際に、その発言や活動が解党の要因になった議員に対し、以前は5年間の政治活動の禁止が言い渡されたが、その期間は3年に縮減される。また政党に対して「完全解党」ではなく、「閉鎖」の決定が下される。「解党」の前に置かれた「完全」という言葉は撤廃される。完全解党された党が異なる名称を用いて再結成することを禁止する文言は憲法から排除される。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:19026 )