1915年以前のアナトリアで暮らすアルメニア人の日常生活をテーマとした「ポストカードで見る100年前のトルコにおけるアルメニア人」という展示会がロンドンで開かれた。
2005年に第1回が開かれた「ポストカードで見る100年前のトルコにおけるアルメニア人」という展示会は昨晩ロンドンのSOAS(アジア・アフリカ研究所)にあるブルネイ・ギャラリーで開催された。
ビルザマンラル出版社とロンドン・アルメニア協会が共同で開催した展示会では、何百もの「返信のない」ポストカードにより、1915年以前のアルメニア人の生活の様子が映し出されている。この展示会ではアルメニア人のアナトリアでの生活のうち、今まで知られてこなかった部分が紹介されており、7月24日まで開かれる。
■オープニングセレモニーに強い関心
ラッセル・スクエアにあるブルネイ・ギャラリーで火曜日の夜に行われたオープニングセレモニーには、多くの実業家、学者、学生、在英アルメニア大使ヴァヘ・ガブリエルヤン、ロンドン・イーリング市のバーバラ・イロレモー市長、有名な音楽家レオン・チリンギルヤン、そして展示会の主催者で出版人であるオスマン・キョケル氏が参加した。
オープニングセレモニーでスピーチをしたオスマン・キョケル氏は、展示会を2005年にイスタンブルで開催してから現在まで、国際的な関心が寄せられ、展示会ではイスタンブルでの11日間という短い期間に8000人もの訪問者が来場したと述べた。同氏は以前にもミュンヘン、ケルン、パリ、ジュネーブ、エレバンで開催された展示会でも、トルコ人とアルメニア人の関係がより親密になることを期待していたと語り、ヨーロッパの他の国々やアメリカからも展示会の開催の申し込みがあると説明した。
展示会をロンドンで開催したロンドン・アルメニア協会のスーザン・パッティ会長も、この試みは1915年以前にアルメニア人が暮らしていたアナトリアに、どれほど、皆がまとまって仲良く暮らす社会があったかということを表していると語った。オープニングセレモニーで世界的に有名なチリンギルヤン・カルテットの創設者レオン・チリンギルヤンは参加者に短いバイオリンの演奏を披露した。
■ムシュからカイセリまでのアルメニア人の生活
展示会では、コレクターのオーランド・カルロ・カルメノ氏が収集した、1895年から1914年までの間アナトリアにいたアルメニア人の生活を伝える何百ものポストカードが展示されている。展示はムシュからカイセリ、トラブゾンからヴァンまで、トルコのほぼ全域におけるアルメニア人の日常生活から仕事、学校、教会、孤児院、ホテルといった生活のあらゆる分野に関する詳細な情報と共に、その様子をも紹介している。約3ヶ月間開催される展示会には何千人ものロンドンっ子らの来場が期待されている。
ロンドンでの「100年前のトルコにおけるアルメニア人」という展示会のオープニングセレモニーで、ポストカードに最も関心を寄せたのは、当時その土地から移りすみ、今はヨーロッパ各国に住んでいる移住者らの子孫たちである。若者から年配のアルメニア人まで、昔彼らの祖先が生きたその土地を、彼らはおそらく初めて100年前のポストカードで見たのだろう。多くがロンドン生まれのアルメニア人たちは、このため写真を長い時間見入って、その土地を知っているトルコ人に、大きな関心を寄せながら現在これらの町がどうなっているか尋ねていた。
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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:19040 )