トルコ大国民議会(TBMM)で審議されている憲法改正案に関し、憲法裁判所の構造を規定する改正案第17条が可決された。エルドアン首相および公正発展党(AKP)執行部が「造反者」をマークした結果、337票の賛で可決され、AKP党員らは拍手で結果を迎えた。
AKPは一昨日、政党の解散権の議会への付与を織り込んだ改正案第8条が否決され、ショックを受けていた。改正案第17条が337の賛成票で可決され、やっと胸をなでおろした。第1巡投票では331票を獲得し、今回の投票の前にはエルドアン首相を初めAKP幹部らが「要注意人物」を徹底的にマークした。改正案の可決が発表されるとAKPの席では大きな拍手が起こり、「勝利だ」というかけ声も高まった。
党幹部らは2回の投票とも、投票台の周辺で投票が終了するまで待機し、議員らにプレッシャーをかけた。会派副代表を務めるムスタファ・エリタシュ議員とスアト・クルチ議員は閣僚たちが座る席の傍に設けられた投票台に、TBMM議長団の一員でもあるオルハン・エルデム議員とヒュスレヴ・クトル議員は委員会関係者が座る席の傍に設けられた投票台の前で待機し、投票する議員たちをチェックした。
同伴システム
AKP本部は、造反者になりそうな議員に対し、「同伴」で対応した。無所属議員に対するチェックもやはり投票冒頭から「同伴」システムによって進められた。
「造反リスト」に名前が挙げられた議員らは投票の際、緊張した様子であった。ヴァヒト・エルデム議員が手をポケットに入れて投票ブースから出てきたことや、メルシン選出のキュルシャト・トゥズメン議員が薄いカバンをもって投票を行ったことなどが、野党陣営から「疑惑の目」で捉えられた。AKP党員は投票後「赤い切符」をしまい、あとで党執行部に見せていたことも明らかになった。野党側はAKPが党内の議員に圧力をかけていると訴え、「票がコントロールされている」と批判した。AKP陣営の反論により、一時言い合いになる場面もあった。
憲法裁判所の構造を改正する改正案第17条は、69の反対に対し337の賛成で可決された。棄権が1票、白紙が3票あった。第1巡投票では407人の議員が投票に参加し、賛成331票、反対72票、無効と白紙が2票ずつであった。AKP議員らは、第2巡投票で337票の賛成を獲得し改正案の可決が決まると、大きな拍手と「勝利のかけ声」で迎えた。野党側は沈黙だった。
また、無所属で投票に参加したのは、ゼカイ・オズジャン議員(アンカラ)、ミュジャヒト・ペフリヴァン議員(アンカラ)、セイト・エユプオール議員(シャンルウルファ)、フェヴジ・イシバシャラン議員(エラズー)。トルコ党のヨズガト選出議員ヤシャル・オズトゥルクや平和民主党イスタンブル選出議員ウフク・ウラスも参加した。これらの議員6人が「賛成」票を投じたことを考慮に入れると、AKP内では4人の造反者が出たこと分かる。議会通過が危ぶまれた3つの改正案の一つである17条が可決されたことにより、一連の改正案を国民投票にかける道が開けたと言える。昨日、改正案第14条が339票、改正案第15条が338票、改正案第16条が336票でそれぞれ可決された。
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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:19043 )