トルコ大国民議会(TBMM)で継続している憲法改正法案審議で、昨日、危機を乗り越えた。裁判官・検察官高等委員会(HSYK)の仕組みを再編する第23項は、334票で可決された。こうして、激しく議論された3項中2項が承認されることとなった。
国会本会議での一連の憲法改正審議は、昨日、6項目において引き続き行われた。憲法裁判所裁判員の任期を12年とする第18項は、反対71票に対し、賛成337票で可決された。同項は第1巡投票で、反対70票、無効1票に対し、335票で可決されていた。
憲法裁判所への個人告訴権、更にTBMM議長、参謀総長、陸海空軍の最高司令官、軍警察最高司令官の任務に関する犯罪を最高審議会で裁くことを定める第19項も、賛成337票で可決された。投票では、議員71人が反対に票を投じ、そのうちの1票は無効であった。
憲法裁判所の役割及び審理方法を規定する第149条における改正を含んだ憲法改正法案の第20項も、反対71票、棄権1票に対し、賛成336票で可決された。可決された法案では、各々4人の高等裁判所メンバーから成る2つ小部会及び計12人から成る総会で活動がおこなわれる。
■軍事最高裁判所に賛成336票
憲法の軍事最高裁判所に関する第156条で改正が予定されている憲法改正法案第21項は、反対71票に対し、賛成336票で可決された。これによると、軍事最高裁判所メンバーの服務規程では、軍人であることは考慮されない。このため、裁判官確保の原則が注目される。
憲法改正法案の第22項は、反対71票に対し、賛成337票で可決された。憲法の第157条で改正が予定されている同項では、軍高等行政裁判所のメンバーに関してもその人員確保が(改正の)焦点である。
■最後に裁判官・検察官高等委員会
解党訴訟と関わる第8項が330票以下で、憲法改正法案から除かれた後、最も重要な条項の1つも昨夜投票が行われた。憲法裁判所の仕組みを規定する第17項がまず可決されると、昨日もHSYKに関する第23項が議題に上った。激しい議論の後、夜中に行われた投票で、同項に賛成334票が投じられた。反対73票、棄権と無効が各1票ずつあった。
投票には以前同様に、4人の無所属議員及びトルコ党のヤシャル・オズチュルク議員が参加した。無所属議員及びオズチュルク議員が「賛成」票を投じたことに注目が集まると、AKPが投票で6票の造反を受けたとされた。
■再び対策強化
憲法裁判所の仕組みを修正する第17項が可決された投票同様、AKP内の造反の可能性に対し、昨日、綿密に監視した。AKPのムスタファ・エリタシュ会派副代表は、閣僚が投票順の際の部屋を、AKP所属議員で議会運営責任者のヒュスレヴ・クトゥル議員及びオメル・ファルク・オズ議員は、委員会が投票順の際の部屋を監視した。何人かのAKP議員が用紙を隠さずに投票したことが確認された。
■今回は拍手なし
第17項の可決後、AKP議員の興奮の場となった本会議場で、今回は前回と同様の光景は見られなかった。同党議員が、投票結果が発表される前に、幹部から、「拍手をするな、大げさな反応をするな」と注意を受けていたことが判明した。
この間、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が本日(6日)11時にAKP議員を召集し、本日終了する予定の投票前に最後の注意を行うとされている。
■トゥズメン議員と直接…
エルドアン首相は、憲法改正法案の第8項に反対票を投じたAKP議員のうちキュルシャド・トゥズメン議員と直接話し合った。話し合いでは、メフディ・エケル農業大臣のみが同席した。憲法改正法案作業により、毎日各国会議員が郷土料理を振舞ったTBMMでは、本日、サプライズな振る舞いがある。トゥズメン議員は、今日、国会議員に日本料理を代表する寿司を振舞う。
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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:19049 )