社会に警鐘を鳴らす尊属殺人の増加(2)
2010年04月28日付 Mardomsalari 紙

尊属殺人の主な動機は「名誉=貞節」をめぐる問題

 イランで発生する尊属殺人の多くには、ある共通の特徴が見受けられる。すなわち、これらの殺人は「家族の名誉=女性の貞節」を動機としている、という特徴だ。

 犯罪学の専門家であるアリー・プールハサン氏は、次のように述べる。
実際、このことをめぐる重要な問題の一つに、『家族の名誉』をめぐる問題がある。テヘランには、異なった民族性や規範を持ったさまざまな人々が存在している。彼らは、農村部など様々な場所からテヘランにやって来て、ときにスラムに居住したりしている。

いずれにせよ、こうしたことから、このような人々は都会での暮らしに適さないような独自の文化的信念をもっていたりする。例えば、〔一部の文化では〕父親や兄弟は、「娘や姉妹が強姦された」、さらには「〔娘や姉妹に対して〕家族の名誉に関わるような視線が送られた」と思い込んでしまうと、彼女を殺してしまうことがあるのだ。そうすることで、家族の被った不名誉がそそがれると考えるのである。

 イスラーム法を持ち出すことも、こうした殺人を犯す人々に共通して見られる現象だ。また、社会学者らは尊属殺人を家庭内暴力の結果であるとも指摘している。
つづく


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( 翻訳者:小原智恵 )
( 記事ID:19058 )