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[執筆:シャフリヤール・ヘイダリー] イラン・イスラーム共和国体制のアプローチは偉大なる革命指導者の戦略に基づき、近隣諸国や国際的に影響力のある国々との交流、及び国際的な場でのアプローチが戦略的にイラン・イスラーム共和国と近しい政府との連携である。 この分類に基づけば、我々は東側世界にある国々と最も良好な交流ができるはずだ。今後の発展を考えるなら、近隣諸国や域内諸国政府及びアジア大陸との関係を拡大させ、米国や一部欧州諸国を中心とする西側の行き過ぎに対抗するためにこうした国々の能 全文をよむ
女性たちがテヘランの通りの用水路のへりに座し、自分や家族の服を洗っていた頃から、まだそれほどの時は経過していない。古のテヘランの住人が見慣れていた、イラン暦1350年代(西暦1971年3月~1981年3月)頃に広く見られた光景だ。 【ハムシャフリー電子版−ナスィーベ・サッジャーディー】用水路での洗濯は、古い時代、つまりガージャール朝からパフラヴィー朝にかけての時代にありふれたものだった。当時、テヘランの貧困層が住む地区では、ほとんどの家に水をためておく適切なスペースがなく、そのために 全文をよむ
(続き) イラン暦1399年 「女性の尊厳保護及び暴力からの女性保護法案」条文の承認 女性家族問題担当副大統領府法務調査室長は続けて、次のように述べた。「[司法府長官による]法案の承認と政府への提出の後、内閣府法案委員会は司法府の代表者を招き、法案委員会とその小委員会において法案を検討するように指示した。最終的に法案条文は、『女性の尊厳保護及び暴力からの女性保護法案』という名称で、1399年デイ月14日[西暦2021年1月3日]の閣議において緊急性条件付きで承認され、イラン・イス 全文をよむ
(続き) 女性尊厳保護法案の編纂 女性家族問題担当副大統領府法務調査室長は次のように述べた。「当副大統領府は、設立当初から常にこの問題について検討してきており、様々な変化に応じて現在に至るまで、女性保護の分野において多様な活動を行ってきた。中でも最も重要なのは、女性の尊厳保護および暴力からの女性保護法案の編纂であった。」 同氏は加えて、次のように続けた。「暴力から女性を保護する法案の制定に関して、副大統領府による徹底したフォローアップとイスラーム評議会との強固な協力関 全文をよむ
(続き) 女性の状況の監督、及び被害を減少させるための政策の策定 モーメン氏は、最高法規である憲法の第10条[※脚注]に触れ、すべての法律、規則、手続きは、憲法に記載されている規範に基づいて定められなければならないとし、「この第10条に基づいて、あらゆる法律、規則、計画は、強固な家族関係の構築に資するものでなければならない」と加えた。 同氏は続けて、次のように述べた。「この点において、女性・家族問題担当副大統領府の責任事項の一つは、女性の状況を監督し、女性の被害を減少 全文をよむ
(続き) 暴力や危害行動の発生を防止する必要性 モーメン氏は女性・家族問題担当副大統領府による女性の尊厳を守るための措置について説明し、以下のように述べた。「政府もしくは体制側の莫大な責務の重要事項の一つは人々の安全が保障される権利の保護であり、これはすなわち、全ての人間は、性別、年齢、社会的地位や民族的出自、言語、宗教といったような指標的差異によることなく、危害行動、つまり心身の健康へ影響を及ぼし傷つける行動に対して体制の保護を受ける権利を有する、ということだ。」 全文をよむ
(続き) 女性・家族問題担当副大統領府法務調査室長のロガイエサーダート・モーメン氏は、続けて次のように述べた。「女性は単に、その性別のために強制されたり、権利を侵害されたりしてきた。これは異性によって行われることが多く、場合によっては身体的・性的・精神的・経済的な損害や、女性が当然の権利を奪われることにつながっている。それが私的な側面を持つこともあれば、公的な形で現れることもある。」 また、同氏は以下のように説明した。「この系統的な暴力は、女性個人の健康と安全から子どもの身体的 全文をよむ
女性・家族問題担当副大統領府法務調査室長は、「女性に対する暴力行為は世界的な危機であり、貧富の問題とは無関係に発生している。報道に検閲が入るにもかかわらず女性に対する暴力に関連する衝撃的なデータが常に更新されている。この問題はイランにおいても否定することはできない。」と述べた。 【ハムシャフリー電子版】女性・家族問題担当副大統領府法務調査室長であるロガイエサーダート・モーメン氏は、《女性への暴力と戦う世界デー》と名付けられているアーザル月4日、西暦11月25日に以下のように述べた。「 全文をよむ
(続き) 第四に、暴力集団は複合的な政治潮流の結果であり、数日前にベルリンで開かれた集会がそのことを明白に示す証拠であった。その集会では、あらゆる反革命派や反対派、分離主義者、同性愛者らが反イランの立場で、いわば体制転覆を図ろうと舞台に上がったが、失敗と絶望と迷戦略の大々的なショーとなることが運命づけられたものだった。諸々の証拠は、反革命派によるベルリンでのこの大きな失敗が、タクフィール主義者らによる、犯罪と流血を通じたテロ行為へと局面を転換する契機となったことを示している。無論、敵対者ら 全文をよむ
(続き) 第二に、事の本質は強力で先進的なイランを彼らが受け入れられないということである。ゆえに彼らが暴動を起こし始めた当初から≪イランの治安≫に照準を定め、この計画のために多くの段階を準備し、計画していたのであって、すべての敵や反対者、分離主義者たちから野蛮なテロリストに至るまですべてを利用するであろうことは明らかであった。 第三に、タクフィール主義のテロリストたちに関しては、暴力集団が絶望的な状態に陥っていて自身の計画を実行することが出来ず、公式に敗北を期したことを意味する 全文をよむ
昨日水曜日、1401年アーバーン月4日(2022年10月26日)にタクフィール(背教徒宣告)主義者たちによってシーラーズのシャーチェラーグ聖廟にて遂行されたテロ作戦は、この暴力集団がここ40日間活動を継続する中で実行してきた多層的で複雑なシナリオの別の側面であることを、否定できない明確な証拠が示している。 親愛なる国民数十名もの死傷者を出すに至ったこのテロ攻撃とその実行犯らの盲目的な行動の分析に関連して、人々の不安を煽ろうと目論む者たちや詭弁を弄する者たちの主要な目的を明らかにする 全文をよむ
第四に、平和的手段によって自らの要求や反対意見を示し、法の改正や執行を求める集団や組織による抗議活動をイランでは時々目にすることがある。退職者たち、教師たち、SMAの子どもたち、ハフトタッペ[フーゼスターン州にある古代遺跡]の作業員たち、エスファハーンの農民らなどによる数多くの集会は、国内に平和的抗議活動が常に存在し、それらの多くが少なくとも過去一年間は責任者らの耳に届いており、考慮すらされてきたことを示す事例である。興味深いことに、暴徒らに賛同しているあの著名人たちは、ここ数年間の生活に関わ 全文をよむ
第二に、市民的不服従は、政府の特定の政策に抗議するための政治的手法の一つであり、破壊活動とは異なる。イスラーム体制の形成とイスラーム革命の勝利の日々につながる変革を目的とした、意識的・文化的・合法的で、宗教的な教えに基づき、外国勢力から独立しており、そして武器を持たない豊かな国民的運動を貶めることは、この俳優が政治的作法を知らないことの証である。 第三に、民主主義国家では、敬虔な国における統治の枠組み内での平和的な抗議運動と法律の改革しか、市民的抗議の辿るべき道はない。我が国には、 全文をよむ
俳優・映画監督の一人はこう続けた。「なぜ、私が“詭弁”と言っているのか。それは、市民的不服従の概念、すなわち抑圧的な法律に対する意図的な抵抗によって、我々の暮らす政府が成立したということを我々は知っているからだ。私が指しているのは、1342年ホルダード月15日[西暦1963年6月5日]に、ホメイニー師が国民に対して街頭へ出て法律に抵抗するよう求めたこと、そして、1357年バフマン月21日[西暦1979年2月10日]に、国民に対して戒厳令[夜間外出禁止令]を無視し、夜間に街頭へ出るよう求め、この 全文をよむ
最近の暴動を[過去の]イスラーム共和国成立に関する出来事に擬えることは、反革命メディアや著名人、似非インテリ運動で見られる事象の一つである。今回の出来事は明らかに、各地で分散的に起こっている無政府主義的運動による一つの戦略であると見ることができる。 イラン・インターナショナルは、先述したような類比とシナリオに沿って、アーヤトッラー・ハーメネイー師が1357年[西暦1978/79年]に行なった、革命に身を投じた人々の特性に関する演説の言葉を最近の火災や破壊行為の写真に重ねて掲載し、最 全文をよむ
イラン・イスラーム共和国の第8代大統領にライースィー師が選ばれたことには、明確なメッセージが込められていたが、中東地域の国家関係の未来にどのような影響をもたらすのだろうか? 【ハムシャフリー電子版】西アジア地域で相次いで実施される数多くの選挙は、ペルシア湾地域の王政諸国を取り組むべき課題に直面させ、中東域内関係の未来を影響下に置いてきた。シリアやシオニスト政権[イスラエル]の選挙後に実施されたイラン大統領選にも明らかなメッセージが込められており、現在、専門家らが中東諸国間に想定される 全文をよむ
夫婦たちは結婚生活を成功させるためにいくつかの戦略を取っている。それらについて、この記事では8つの事項を紹介する。 【ハムシャフリー電子版】1人の女性と1人の男性が共に歩んでゆくことは個々人の人生における難しい決断のうちの一つだろう。なぜなら、彼らは今まで家族と一緒に暮らしてきたが、今、少なくとも生活の初期には完全には知らない人と暮らさなければならないからだ。好むと好まざるとにかかわらず、〔結婚〕生活初期には困難があるが、お互いに我慢をし、愛情を深め、お互いの間違いを許容することでこ 全文をよむ
だんだん寒い季節が近づいており、新型コロナウイルスの他に、季節性インフルエンザと風邪のウイルスにも対策をせねばならない。そこで、ウイルスの伝染予防のカギになる重要な場所と家屋の徹底的な洗浄が非常に大切である。 【ハムシャフリー電子版】Taste of Homeによれば、以下の方法を用いて家の徹底的な洗浄を行うことは、家族の一人が病気になった場合に、他の家族も病気にかからないようにするのに役立つだろう。 1.殺菌剤 トイレや寝室、キッチン、家屋内のその他の場所を掃除す 全文をよむ
ウォールアートは平和、友好、団結、優しさといったメッセージを社会に広めることができる。この要事が市政に取り入れられ、街に安らぎがもたらされるなら、どれほど良いだろうか。 フィールーゼ・ファッターヒー(都市社会学者) 都市の雰囲気を新鮮で明るいものにするには、明るい暖色が効果的であるのは明白だ。都市に住む住民の多くにとって、より良い収入やより良い生活に繋がる選択が第一となっていて、大都市も小都市もこれを誘い文句に毎日移住者を招いている今日では、気怠さや無気力感から逃れ 全文をよむ
働く人の多くは,自身の一日の大半を職場で過ごす。家の冷蔵庫が使えず家での食事の材料がほとんど普段通り手に入らない場所では,多くの人が食事に関して3つのアプローチを採る。 一つ目の[アプローチを採る]グループは,家で食事を摂る以上に、[職場で]昼食や間食を摂ったり、同僚に食べ物をあげたり、隣の部署の同僚と朝食や午後の軽食を少量摂るなどし、通常はこの過食の結果を腹周りのサイズや体重の増加に見てとることができる。 二つ目のグループは,仕事中,不健康な食べ物を度を超して食べ,この結 全文をよむ
イランの1360年代[※訳注1]は日本の映画やドラマが輝きを放った時代だった。イランのテレビ局は日本が制作した有名な連続テレビドラマを数多く購入し、放映した。その中で、原題『おしん』の『家を離れての年月』と、原題『はね駒』[原文では“はにこ”と表記]の『人生物語』は、他のどのドラマよりも多くのテレビ視聴者を魅了した。 【ハムシャフリー電子版】ホラーサーン紙によると、興味深い点は、どちらのドラマのストーリーも日本の歴史のほぼ一つのある時代を描いたことである。その時代とは、この国が古い衣 全文をよむ
SNSでは、多くの人が以前よりも早く疲労や体調不良を感じると述べている。しかし、自宅での隔離を考慮すると、多くのことは実行せず、結果としてこれほど早く疲れを感じることは彼らにとって予想外である。 【ハムシャフリー電子版】エンテハーブによると、興味深いことに、あなたが経験する疲労感は、おそらくCOVID-19に関連する精神的な負荷に関係しているということを知っておくべきである。疲労は、肉体的要因も非肉体的要因もありうる。5キロメートル走った後は休憩するのがふさわしいが、これはまさにコロナ 全文をよむ
コロナ後の回復期とは、回復が見込まれる状況にあり、一層の注意が必要となる時期のことである。実際、回復期とは、患者がある程度の健康状態を確保しているが、まだ完全には回復していない時期だとも言われている。 【ジャーメ・ジャム電子版】YJC通信によると、退院後のコロナ患者らに対しては、治療に当たるスタッフや家族は特別な用心が必要である、と知るべきだという。なぜなら、彼らは二週間ウイルスのキャリアである可能性があり、症状が再び悪化する可能性も極めて高いからである。しかしながら、いくつかの方策 全文をよむ
[(1)からの続き] 3. 30日間、何か一つしたいことを練習しましょう 例えば、もう少し運動する事が目標だとしましょう。そのような場合30日間の計画で毎朝スポーツウェアに着替えて朝食前に軽く走ることを自分に義務付けてください。初日はサボり気味になるかもしれませんが、継続して行くと31日目にはそれが習慣となっています。また逆にランニングに出かけないとスッキリしなくなるかもしれません。 または、新しい言語を身に付けたいと思うことにしましょう。その場合、1日最低15分はそれ 全文をよむ
【ハムシャフリー電子版】Bartarinha(オンライン誌)はForbes(注:経済誌)の記事を引用して次のように書いています。「目標設定はそれほど大変な作業であってはいけません!実際、目標を達成しようとすることは幸せで、楽しいことです。」 「人生の見通しが少しきくようになってきたら、新しいことに挑戦しなければなりません。」と科学技術者であるマット・カッツは言います。もし、人生に飽き飽きしている、または来る日も来る日も繰り返される無限のサイクルに行き詰まりを感じている場合には、30日 全文をよむ
ストレスフルな体験やショッキングな体験について書くことで、あなたの健康は向上しうる いくつかの研究によると、厳しい状況に置かれる中で自身の深い考えや感情を記述することは、気分を回復させ、病気になる可能性を低くし、生産性を向上させることができることが明らかになっている。 この作業のための一つの便利な方法は、深い思考や感情を記録するために日記をつけることだ。 日記をつけるために、このヒントを心に止めておきなさい。 ・あらゆる物事について書くこと。思考を自由な流れに任 全文をよむ
大事な人を失うこと、特に妻や、親、子供のような近親者を失うことは、人生に深い影響を与える。人間は、徐々にこの悲しみの淵から脱し、日常生活に戻る機会が与えられるべきであると、精神科医は信じている。だが、その際に、回復を過剰に急ぐことは、悲しみの自然な回復プロセスを複雑化し、問題の形成につながりうる。 精神科医であり、心理療法の後期研修医(フェロ―)であるファラヌーシュ・サファヴィーファル医師は、ハムシャフリーオンラインの取材に対してこう述べた。 「近親者を失うことは、私たちの平 全文をよむ
【ジャーメ・ジャム紙1面:アリー・アクバル・マフズーン(人口学者)】 人口は〔国の〕発展のための最も重要な要素の一つとして認識されている。もし我が国の人口が若々しさや活力を失ってしまい、こうした流れが続けば、国の発展に向けた流れにも遅延が生じ、あらゆる分野に取り返しのつかない傷跡が残るだろう。 国の人口増加を阻む主な障碍の一つは晩婚化であり、その証拠に毎年のように、イランにおける結婚平均年齢が上昇している事態を、われわれは目の当たりにしている。 現在、男性の結 全文をよむ
にもかかわらず、ごくわずかですが、〔国内には〕注射を使う麻薬常習者たちがいまだに存在しており、彼らに麻薬を止めさせることは簡単なことではありません。 世界の一部の国では、こうした麻薬常習者たちのために、「管理された麻薬使用のための施設」〔※supervised injection site〕あるいは「安全注射センター」〔※safe injection site〕と呼ばれる一連の施設が設置されています。 これらの施設の設置は、麻薬常習者たちが麻薬を使用したり、麻薬を求めた 全文をよむ
手記:「注射センター」実施に向けた準備 パルヴィーズ・アフシャール(麻薬対策本部報道官 兼 次長(麻薬需要抑制・市民参加拡大担当)) 革命最高指導者が発表した「全面的麻薬対策総合政策」にもとづき、麻薬対策本部は主要な優先課題として、いくつかの政策を検討してまいりました。私たちが最も重要と考える課題は、まず第一に麻薬へのアクセスを減らすために供給をブロックすることです。 次に麻薬対策本部が課題としているのは、麻薬常習者の治療です。〔麻薬常習者の完璧な〕治療が容易で 全文をよむ
【イラン紙7面:ファリバー・ハーンアフマディー】「麻薬常習者のための注射センター」と題されたリポートが、イラン紙の社会面に掲載されたのは、今年のホルダード月19日〔西暦6月8日〕のことだった。 注射針を通して麻薬を常習する者たちのために、麻薬常習者の多い国内の一部の州に「注射センター」が近く設置される見込みだとする報道が掲載されて1日と経たずに、ある通信社は麻薬対策本部の報道官の発言として、同本部としてはこうした注射センターを設置することには反対ではあるものの、〔‥‥〕もし麻薬常習問 全文をよむ
「平信徒」が宗教指導者たちの議会に進出 専門家会議選挙でもう一つ驚かされたのが、国民が選んだ人物の中に「ターバンをかぶらない」人物が含まれていたことだ。 護憲評議会の一般法学者委員を務めるモフセン・エスマーイーリーは、専門家会議選挙に立候補の届け出をした唯一の「平信徒」というわけではない。しかし、「人民の専門家」のリストに名を連ね、142万2935票を獲得して宗教指導者たちが集う議会に進出することとなった、唯一の平信徒であることは事実だ。 専門家会議運営委員会の 全文をよむ
無風状態の選挙区も 専門家会議選挙の立候補者の登録が行われる過程で、801名が選挙戦への届け出を行った。しかし、護憲評議会のイスラーム法学者らにとって立候補資格がないとされた立候補者の数はあまりに多く、6州で無風選挙となった。 実際、西アゼルバイジャン州では3名、アルダビールでは2名、ブーシェフル、北ホラーサーン、セムナーン、ホルモズガーンの各州ではそれぞれ1名の立候補者の立候補資格が認められたが、この数はこれらの州の専門家会議内での議席数と同一であり、有権者は被選挙人を 全文をよむ
二つの候補者リストの間の争い 専門家会議選挙の宣伝活動の開始時期が近づくと、ゴム神学校講師協会は協会が支持する立候補者のリストを全国で公表した。二協会(「闘う宗教指導者協会」と「ゴム神学校講師協会」)は専門家会議選挙に向けて、立候補者のリストを一本化することになっていたにもかかわらず、両者は7名の候補者について合意に到らず、最終的に7点の相違を抱えた形での共通リストを提示した。 両者の間の最大の対立点は、リストにアーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーを入れるかど 全文をよむ
セイエド・ハサン・ホメイニーが初めて、選挙に対する自らの公式のスタンスを表明したのは、第11期大統領選挙〔※2013年の大統領選挙〕でのことだった。彼はこのとき、アーヤトッラー・ハーシェミー=ラフサンジャーニーやホッジャトルエスラーム・ナーテグヌーリー、改革派政権のときの大統領〔※〕らとともに、、ハサン・ロウハーニーを支持したのである。 ※訳注:モハンマド・ハータミー元大統領のこと。ハータミー元大統領の写真を公式のメディアに掲載することは、司法によって現在禁止されているため、この記事 全文をよむ
ホメイニー3世 セイエド・ハサン・ホメイニーが選挙に出馬するのではないかとの話題が取り沙汰されるようになったのは、今年〔※2015年3月21日~〕に入ってからだった。 イスラーム革命の創始者の孫は、彼の父でホッジャトルエスラーム・ヴァル・モスレミーンだった故アフマド・ホメイニー氏が亡くなって以降、イマーム一家の庶務を一手に引き受け、また「イマーム・ホメイニー作品編集出版会」を取り仕切ってきた。 若きホメイニーは、88年の選挙〔※大規模な抗議運動が起きた西暦20 全文をよむ
イジュティハードの試験に招待された者たちは、ウラマーや宗教的権威が学術的側面から認めた正式のエジャーゼ〔※イジュティハードをする許可〕を無視する「逸脱」(ビドア)であるとして、護憲評議会のこのやり方に抗議した。 メフディー・キャッルービー〔※元国会議長。現在自宅軟禁中〕、ハルハーリー〔※革命裁判所の判事として、多くの人物を即決裁判で絞首刑に処した人物として有名〕、セイエド・ホセイン・ムーサヴィー=タブリーズィー、ジョンミー(アーバーダーン金曜礼拝導師)、モフタシャミー〔※元内相〕、 全文をよむ
「イジュティハード」の問題 専門家会議選挙に立候補するための主要な条件の一つとして、イスラーム法学にどれだけ通暁しているか、イジュティハードの能力〔※法源からイスラーム法を演繹する能力〕があるか、がある。 この条件はこの組織が立ち上げられた当初から、法律に規定されてきたことである。憲法第108条にしたがって、この会議について護憲評議会が承認した法律によれば、専門家会議の議員であるための条件の一つとして、「大規模な神学校で学を修めた経験とともに、イジュティハードの基礎に通暁 全文をよむ
これらのメディアが指摘しているのは、第3回専門家会議選挙に9名の女性が、また第4回専門家会議選挙に10名の女性が立候補の届け出をしたものの、専門家会議が旧国会議事堂(現在ここに、専門家会議が置かれている)の扉を女性たちに開放することはなかったことである。 その一方で、専門家会議選挙法ならびに同内規に触れた上で、憲法には立候補者が「男性」であることは強調されていないと指摘する人たちもいる。それによると、 ・イラン・イスラーム共和国体制を信じているか、 ・政治的・社会的な 全文をよむ
女性たちの出馬 投票〔※「立候補届け出」の間違い〕の初日を迎えて数時間が経ったときのこと、ある女性が内務省選挙実施本部を訪れ、居合わせた記者やカメラマンらの注目を浴びた。 イスラーム法学・基礎法学の分野で博士号を取得したというエスマト・サヴァーディーは、専門家会議選挙にテヘラン選挙区からの立候補の意思を表明した最初の女性である。 国家選挙実施本部の本部長によると、立候補の届け出が最終的に締め切られるまでに、16名の女性が専門家会議選挙に立候補を届け出たとのこと 全文をよむ
【イラン紙10面:アリー・レザーイー】 アーザル月26日〔西暦2015年12月17日〕、専門家会議選挙への出馬を希望する立候補者たちに対し、国の選挙実施本部の扉が開かれたとき、それまで政治的な派閥形成やそれを支配するさまざまなルールからつねに身を遠ざけてきた専門家会議という議会の議席をめぐって、熾烈な争いが繰り広げられるであろうことを予想した人は、ほとんどいなかった。 というのも、専門家会議はその法的立場という点からも、国の最高指導者について決断を下すというその重大な任務 全文をよむ
イラン・イスラーム共和国政府がおろそかにすることなく、是非とも実行に移さねばならないのは(もちろん、この件ではこれまでにさまざまなレベルで実行されてきたことではあるが)、対応を強化し、各イスラーム諸国、特にこの事故で犠牲者を出した国々と広範囲にコミュニケートすることで、この惨劇がいかに前代未聞のことであるか、その諸側面をあらわにし、つまびらかにすることである。なぜなら、一組織としてのイスラーム協力機構に適切な対応を期待することなどできなからだ。 法的観点から言えば、受け入れ国はビザ 全文をよむ
たとえこの悲劇が予め仕組まれたシナリオ〔※〕ではなかったことを認めるとしても、サウジ政府がイラン政府当局者への協力や支援、サービスの提供を現場の内外で怠り、意図的に妨害してきたことを隠すことはできない。 ※訳注:イランのメディアやSNS等では、イラン人の死者が最も多かったことを理由に、この事件がサウジ政府や反シーア主義者たちによって仕組まれたものではないかとの噂が流れている。 ビザの発給を渋り、この問題で時間つぶしに終始しているのも、諸々の不手際や杜撰な管理を隠蔽したり、 全文をよむ
【ジャーメジャ・ジャム紙1面:元外務報道官・領事問題担当次官ハミードレザー・アーセフィー博士】 メッカの惨事と、ミナーでの「ジャムラの投石」〔※〕の儀式でミナーの地で流さされた清き血は、現代ではほとんど前代未聞、あるいはごく稀であると言っていいだろう。この痛ましい事件のもつ意味はあまりに大きく、域内・域外のほぼ全てのメディアを席巻している。 ※訳注:巡礼(ハッジ)で4つめの儀礼として行われる行為。ハッジはまず巡礼衣に着替えて、巡礼月7日までに1.カアバ神殿を巡回する(タワ 全文をよむ
---こうした行為の裏にはどのような動機があると思いますか。 臓器を売る行為で最も一般的な動機は、売り手個人の経済的な困窮にあるように、私には思われる。そのような中にあって、その他の諸要因や動機も、ここ10年間の国内における臓器取り引きの急激な増加の原因となっている。 〔例えば〕特殊な病気、中でもガンの罹患数が増加しているといった要因である。実際、国の「ガン総合センター」はこの病気の罹患数の急激な上昇をもって、「ガンの津波」と名付けている。このような「津波」の原因については、 全文をよむ
【ジャーメ・ジャム紙別冊タペシュ8~9面】 あらゆる社会的現象には、社会的疑問がともなっている。臓器を売る行為に関しても、いったいどのような出来事が自らの肉体を売るよう人に強いるのか、という疑問が問われねばならない。果たして、貧困がこの現象の唯一の原因なのであろうか。 テヘラン大学の博士課程(社会学)の学生であるマフディース・サーデギー氏はタペシュとのインタビューにおいて、「いかなる事情が原因で、イラン社会の一部の人は体の一部(臓器)を売買する行為に走ってしまうのか」との 全文をよむ
――このような〔過激な思想に基づく〕法律にもかかわらず、イスラーム諸国からも非イスラーム諸国からも、人々が続々とダーイシュに加わるのはなぜでしょうか。 我々はダーイシュについて論じる際、人口動態論にも目配せしなければならない。そしてダーイシュやこの地域で活動する過激派集団の人口動態について議論する必要がある。 スウェーデンやアメリカ、ノルウェーの人々が、一部はイスラーム教徒の生まれでもないというのに、ダーイシュへと傾倒しているというのは、どういうことなのだろうか。 全文をよむ
――〔ダーイシュによって〕導入された法は革新的なものと言えるのでしょうか。それとも、これ以前にも特有の思想を持つ部族や学派において通用していたものなのでしょうか。 今日ダーイシュが手にしている道具、情報源や技術はかつてなかったものである。しかし、〔彼らの活動や思想の〕枠組みや方法は何ら新しいものではない。むしろ、〔新たな〕技術が手にはいったことで、それら〔=旧来の思想的枠組み〕の新たな側面が〔ダーイシュによって〕作られたと見るべきだろう。 ダーイシュの思想基盤はイブン・タ 全文をよむ
【ジャーメ・ジャム紙別冊タペシュ9面】 はじめに テロ組織ダーイシュはイスラーム法及びコーラン原典の実現を目指していると主張している。しかし勢力範囲の拡大につれて、他の正統なイスラーム統治体制からかけ離れているだけでなく、コーラン原典とも親和性のない法律が、この組織によって徐々に導入されるようになってきた。 大学教授のジャヴァード・ミーリー氏はダーイシュの思想的基盤について、「ダーイシュの思想基盤はワッハーブ派に遡る」と説明している。以下でお読みになるのは、「タ 全文をよむ
【ジャーメ・ジャム紙別冊タペシュ1面:マルヤム・ユーセフィー博士(社会学者・大学教師)】結婚をめぐる問題の一つとして、婚資金に関するものがある。重い婚資金は多くの場合、男性たちにとってトラブルの元となる。もちろん、家族保護法の施行によって、男性にとって状況は改善したことも事実だが。 われわれの社会では、未婚の男女は結婚前、互いのことをよく知らず、互いの相違が衝突に発展してしまうのかどうかについて、認識していないことが多い。多くのケースで、女性たちは相手側のことをよく知らないことの代償 全文をよむ
『ダービク』は「ハルマゲドン」の幼稚な模倣 ダービクは、シリアのとても小さな町である。この町は、軍事的な観点からすると、何ら特別な位置にはない。それでも、ダーイシュの軍隊はすさまじい執着心をもって、きわめて多大な犠牲を払ってまでも、この町を占領し、その後、小躍りして祝いの祭りをこの地で執り行ったのである。 彼らがダービクの占領に固執した理由は明らかに、ダーイシュの者たちが主張するハディース(預言者ムハンマドの言行録)にある。そのハディースは、アブー・フライラ〔※〕が預言者 全文をよむ
終末論的な見方をたどると ザルカーウィーの思想や活動については、いまだ包括的な情報は伝えられていない。しかしながら、ザルカーウィーはまさに最初の頃から、アル・カーイダの内部で新たな言説を打ち立てようとしていたということを、一部のCIA高官のメモや回顧録が示している。 この新たな言説とは、終末や宗教的未来主義〔※〕といったテーマへの信仰〔にもとづくもの〕である。これは後に、ダーイシュによってひときわ注目を集めることになる言説だ。 ※訳注:今の世の破壊の先に、完全な 全文をよむ
〔‥‥〕ダーイシュの恐るべき犯罪の数々は、あまりに忌み嫌うべきものであるために、それをよくよく注視することは、われわれにとって困難である。しかしながら、ダーイシュの者たちの人の道を外れた犯罪行為の数々は、彼らがシリアやイラク国内の広大な土地を数年にわたって支配することを妨げるものとはなっていない。 ダーイシュに対する人民的抵抗は、シーア派やクルド人たちの抵抗—そこには明確な理由がある—を例外とすれば、ほとんど形作られていない。言い換えれば、スンナ派のイスラーム教徒たちのなかには、彼 全文をよむ
3点目。フダイビーヤの和議はクライシュ族の嫌がらせから逃れることで、イスラームを世界化させ、当時の二大帝国、すなわちイランとローマ、ならびにアビシニアをイスラームの布教の対象とする絶好の機会を、イスラームの偉大なる預言者に与えた。この条約はまた、イスラーム教徒たちがその翌年、大挙してメッカに押し寄せ、ウムラを行い、最終的には3年と経たぬうちに、クライシュ族の多神教徒たちによる条約破棄によって、メッカがイスラーム教徒の手に落ちるきっかけとなった。 果たして現在の核交渉は、イスラー 全文をよむ
「慈悲深く慈愛あまねき神の御名において」の文言が、和議本文の冒頭から削除され、また預言者の名前から「神の使徒」の語が外された。さらに、この条約の第2条は、クライシュ族から逃亡したイスラーム教徒の送還をイスラーム教徒に義務づける内容だった。これに対し、メッカにいる多神教徒たちは、こうした約束を免除されていた。こうした条項は預言者の一部の仲間を傷つけ、彼らはそれを容認しようとはしなかった。 最近、フダイビーヤで結ばれた和平条約やその際に行われた条項の削除・追加を根拠に、核交渉で5+1グ 全文をよむ
イスラーム初期の時代の最も重要な出来事の一つである、ヒジュラ暦6年の「フダイビーヤの和議」に関する再解釈が、最近話題を呼んでいる。「英雄的柔軟性」への道を開いたと言えるこの重要かつ歴史的和議を、誇りを失った自らの態度の根拠にしようとする者たちが、一部にいるためだ。 「フダイビーヤの和議」とは、次のような出来事のことである。預言者ムハンマドはバドル〔の戦い〕やバニー・ナズィール〔との抗争〕、そして塹壕〔の戦い〕で大勝利を収め、メディナにイスラームを完璧に打ち立てた後、多神教徒のアラブ 全文をよむ
確かに、ロウハーニー氏の国連総会での演説は極めて高度な外交的意味を有したものであったし、西洋のメディア筋の多くも彼の演説を称賛した。演説の際に多くの出席者が会場を立ち去ったアフマディーネジャード時代とは異なり、ロウハーニー氏の演説ではそのようなことは起きず、威厳と納得の雰囲気とともに、〔国連総会での各国首脳の演説という〕このセレモニーが挙行されたのである。 勿論、デイヴィット・キャメロン氏の演説について指摘しておかねばならないのは、後々の話し合いによって、問題は現在のような険悪な状 全文をよむ
【アリー・ベイグデリー博士】 総じて言うならば、前回のロウハーニー氏のニューヨーク訪問は、選挙宣伝で同氏が訴えたスローガンやメッセージ、特に市民の権利や人権の遵守、マイノリティの権利保護などが理由で、ヨーロッパ社会や国際機関の受けが良かった。また、アフマディーネジャード大統領時代、我が国の外交政策は完全に凍り付いてしまっていたことから、これらのメッセージには我々の外交政策の領域にもう一度かつての光を取り戻し、それを大いに輝かせるだけの力があった。 以上の理由から、初めての 全文をよむ
第二に、イランとアメリカは地域レベルでも大きな対立を抱えている。イランは、中東・北アフリカ地域での同国〔=アメリカ〕の政策を承認しておらず、アメリカが中東地域、特にイスラーム世界の政治的潮流を故意に逸脱させようとしていると考えている。イランの見方によれば、アル・カーイダやターリバーン、ダーイシュ(イスラーム国)などの過激な現象の出現は、アメリカとその西洋の同盟国が中東で行っている特殊な政策の帰結であるとみなしているのだ。 加えて、過去11年間、もう一つの重要な政治的対立がイランとア 全文をよむ
現在、イランとアメリカはいくらかのレベルで互いに深刻な対立を抱えており、こうした対立がまず何よりも国交の断絶に、そしてある時期には〔激しい〕敵対関係へとつながっていった。とはいえ、ロウハーニー師が先週の木曜日にNBCテレビとのインタビューで強調していたように、国交の断絶は最後の審判の日まで続くようなものではないのも事実だ。 いずれにしても、イラン・アメリカ関係における第一の、そして最重要の問題は、米国政府がイランの国家と国民の権利を不当に侵してきた歴史的な干渉に由来する。1332年 全文をよむ
【ジャムシード・レザーイー】国連総会出席のためのロウハーニー大統領のニューヨーク訪問が決定的となったことに伴い、今回の訪問と、ニューヨークで起こり得る出来事をめぐって、メディアの憶測が加速している。 そうしたなか、2つの問題が多くのアナリストらの注目を集めている。一つはロウハーニー大統領のニューヨーク訪問が核協議にもたらす影響であり、もう一つはイランとアメリカ両国大統領の会談の可能性である。この会談がたとえ〔国連総会の〕傍らで行われる非公式のものだとしても、もし行われれば、過去30年 全文をよむ
※訳注:以下のコラムは、7月中旬にガーリーバーフ・テヘラン市長が「男女を別々のオフィスで仕事をさせるよう」、市に通達を出したことに対し、イラン国内外のメディアや要人の間で、職場における性別分離政策だとして、賛否両論が沸き起こったことを背景としたものである。一部メディアの報道によれば、通達の内容は一部の職種には女性を使わないよう指示するものだったとされたが、ガーリーバーフ市長は男女が別の空間で仕事ができるよう指示を出したにすぎないと釈明している。 【ファフロッサーダート・モフタシャミープ 全文をよむ
イマーム〔・ホメイニー〕閣下の説明によれば、一国の改革の道はその文化にある。これに基づくなら、〔一国内に〕秩序と安全を確立するためには、文化的解決策の実行を考えなければならないだろう。それを通じて、社会の各集団の結合を維持し、社会の個々人と統治する政府・国家との関係を改善させることが可能となるのだ。 もしイスラーム的価値観に基づいた文化が社会に広まり、社会を統べることになれば、もはや政治からは権力争いという意味は失われるだろう。そしてそのときには、社会全体は〔指導者による〕導きと完 全文をよむ
もしイスラーム的価値観にもとづいた文化が社会に広まり、社会を統べることになれば、政治からは権力争いという意味は失われるだろう ラジャブアリー・エスファンディヤール(イスラーム科学・文化研究所学術委員) 文化は宗教的な信念や価値観の全体のことであり、社会の精神的成長・発展の素地を用意するものである。この定義に従えば、文化とは社会という存在に基本的な形で関与する、もっとも高度で崇高な要素だ、と言うことができよう。 イスラーム思想家たちは皆、文化が演じる他に代え難き役 全文をよむ
ウクライナはムスリム〔の国〕ではないし、文化的観点から言えば、西洋とさしたる違いはない。西洋の介入を招いたのは、ウクライナが自国の利益と自らの相対的自律性に基づいて、ロシアへの指向性を高めたことにある。このことが地域の政治力学を、ロシアに有利な形で混乱させてしまった。西洋はこれに我慢がならなかったのであり、〔キエフにある〕「独立広場」の「ユーロ広場」〔※ユーロマイダン〕への改名も、〔ヤヌコビッチ政権への〕反対者たちにみえて、その実ウクライナでの出来事を操る「ウラの手」によって、急遽行われたので 全文をよむ
【メフディー・ファザーエリー】ウクライナで起きている最近の出来事は、教訓に満ちている。われわれは国内で、そのことをしっかりと研究し、その分析結果を、特に西洋との向き合い方において活かさねばならない。しかし、国内の一部はこれらの教訓にあまり注意を払わず、故意によるものか、単なるナイーブさによるものか、あるいはそれを見過ごし、あるいはウクライナでの出来事に対して偏った態度を示している。 このコラムは、ウクライナで起きている出来事の本質に立ち入ったり、あるいは黒海の東西沿岸にまたがるヨーロ 全文をよむ
【ガーセム・ガフーリー】シリア問題をめぐるジュネーブ2会議は本日開かれるが、そのような中で注目を集めている重要な問題の一つに、この会議への出席を呼びかけたイランへの招待状を撤回するという、バンキムン国連事務総長(というよりは、アメリカの人形劇の操り人形と言った方が良いが)の無責任な行動がある。アメリカはジュネーブ1で承認されたシリア及び地域に対するアメリカの支配〔の容認〕をイランに強要し、最終的にイランが地域の利害から手を引いて、すべてをアメリカに譲渡したかのように見せかけるべく、努力してきた。 全文をよむ
【ビージャン・モガッダム発行責任者】イラン核問題をめぐるジュネーブ3協議で起きたことを表現するのに適当な見出しを探すのなら、「大いなる成功」より適当なものは見つからないだろう。 今回の成功は間違いなく、核問題で〔国が追求してきた〕抵抗と進歩の戦略、革命最高指導者の〔ロウハーニー政権に対する〕支持と指導、そして政府の思慮深き政策と交渉団の努力の結果であろう。 明らかに、今回のような合意はさまざまな「貸し借り」によって手に入れられるものだが、〔イランが〕手に入れた成果、〔欧米 全文をよむ
アラーク施設をめぐる西洋人の懸念に根拠がないのはなぜか 1.核の残りくずからプルトニウムを生産するには、プロトニウムを分離するための、先進的な技術をもった施設が必要である。そして、こうした施設はイランには存在しない。 2.プロトニウムを核のゴミから作り出し、必要とされるプロトニウムを取り出すためには、「ホットセル」と呼ばれる、メッキ処理を施された巨大なタンクが必要である。こうしたタンクは、イランには存在しない。 3.ウランを濃縮する技術を手に入れたイランのような国に 全文をよむ
【ハサン・ベヘシュティープール】今読者の目の前にある本稿は、果たしてアラーク発電所は西洋諸国の心配の種になるべき存在なのかという、シンプルではあるが重要な問いに答えることを目的としたものである。アラーク発電所はテヘランから南西に290キロの位置のアラーク市内にあり、国際原子力機関(IAEA)の監視下で活動している、17ヵ所あるイラン核施設の一つである。この発電所は、二つの主要部分からなっている。 A:アラーク研究用重水炉 世界中にある同様の炉と同様に、テヘラン研究炉も使用年 全文をよむ
アラーク重水炉の主な任務は、各種のガンをはじめとする特別な病気を治療するためのラジオ・アイソトープを製造することである。この原子炉は重水を使って生産活動を行う予定で、ウラン濃縮過程を必要としない。そのため、西洋諸国はこれまでつねに、イランがこの施設を使って原爆用のプルトニウムを製造する可能性があるとして、〔この施設を反イランの〕宣伝に使ってきた。 ※訳注:重水炉は減速材(原子核に当てる中性子のスピードを抑える物質)に重水(中性子を1つ含んだ水素を成分とする水)を使うタイプの原子炉で、 全文をよむ
ジュネーブでイランと5+1グループとの間で、3日間にわたってハードかつ中身の濃い協議が行われたが、この協議は最終的な結論が得られぬまま終了した。にもかかわらず、ジュネーブ協議は過去10年間の流れに重要な変化をもたらす、転換点と見なすことができよう。というのも、米英独仏露の外相ならびに中国の外相代行が参加した協議は最終日、もしフランス外相の妨害工作がなければ、確実に今後の協議の進行を決定づけるロードマップとなり得るほどの地点まで進んだからだ。 実のところ、イスラエルは2002年にイラ 全文をよむ
【ジャーメ・ジャム:エフサーン・ラヒームザーデ】58年アーバーン月13日〔1979年11月4日〕の「スパイの巣窟」占拠事件に関するイランの映画やテレビは、あまり多いとは言えない。この事件について制作されたものは、数本のドキュメンタリー映画/テレビ向け映画にすぎず、最近作られたものも事件の本質をターゲットにしたものではなく、むしろ事件の反響について取り扱ったものである。 スパイの巣窟占拠事件とその周辺に注意を向けたドキュメンタリー/フィクション映画としては、『砂嵐』(ジャヴァード・シャ 全文をよむ
〔「アメリカに死を」のような〕これらのスローガンは時の経過と共に、状況が正確に観測されて、〔例えばアメリカ政府の〕スタンスに変化が認められたり、〔資産凍結が解除されるといった〕人民の求める要求に対して〔好ましい〕結果が得られた時に初めて、終わりを迎えるものである。それゆえ、人民のスローガンに介入し、それを自らの望みに沿ったものへと無理矢理に作りかえるというようなことを、〔イラン〕政府に期待することはできない。 イランで成立する政権は人民の票によって生まれるものであり、結果として公衆 全文をよむ
人民主権(マルドムサーラーリー)の国では人民、及び人民組織が表に立ち、政府は人民の考えに反した行動を自らの利益に適うものとは見なさない。政府はむしろ公衆の要求を受け入れ、人民の側から表明された意見の枠内で国益を追求することを義務づけられている。 表面的にのみ民主主義(デモクラシー)の国では、人民の要求は政府の行動を正当化するための口実に過ぎないが、しかし人民主権があらゆる面で受け入れられている体制では、民主主義は公衆の意志に対して「上から目線」で命令したり、人民に対して義務を課した 全文をよむ
第二に、抑圧主義や覇権主義に対する闘争は、歴史上のあらゆる平和的運動と同様に、イスラーム革命の本質的特徴だということである。憲法第152条にも、次のように明言されてある。「イラン・イスラーム共和国の外交政策はあらゆる種類の覇権主義を否定する〔‥‥〕ことに基づく」。そして「アメリカに死を」のスローガンはこの本質を示すものなのである。 イラン・イスラーム共和国はこれまで、アメリカ人の死に関わるような行為に及んだことは一切ない。しかしアメリカに対して、何度も繰り返しそれ〔=覇権主義の否定 全文をよむ
ある日が〔国の公式の〕記念日になるには、長大な手続きと侃々諤々の議論を経ることが必要だ。公衆文化評議会の事務局での審査を皮切りに、同評議会、そして文化革命最高評議会に送られて、そこで認められて初めて国の公式カレンダーに登録されるのである。ただし、アーバーン月13日〔=11月4日〕が「世界の抑圧と闘う国民記念日」〔※俗にアメリカ大使館占拠記念日〕となったのは、第3期国会の議決によってであった。 このように、国の記念日は社会的なものであり、イラン社会、そしてイスラーム体制の中に深く位置 全文をよむ
イラン人国境警備兵襲撃事件への関与を認めたテロ組織「ジェイショル・アドル」のフェイスブック上のページは、いまだ活動を続けている。このページは、一国の領土の一体性を守り、麻薬密輸を取り締まるという任務に就いている兵士らを襲ったテロリストの攻撃が、その他の側面と共に、メディア的側面も有しているということを示しており、この点を看過すべきではない。 【モハンマド・メフディー・ジャリーリー】フェイスブックはバーチャルなソーシャル・ネットワークの一つである。このネットワークを構成しているのは一般の 全文をよむ
【同紙1面コラム】第11期大統領選挙は、それが抱えるありとあらゆる複雑さ、および、人々が抱いた多くの希望によって幕を閉じた。そして、イスラーム共和国史に新たな章が書き加えられた。 それは、初めて第4期地方議会選挙と共に開催された選挙であり、ダブル選挙が経験されたのである。 しかし、こうした中で、選挙結果と人々の選挙への伝説的参加[※1]が示したメッセージとともに、アフマディーネジャード政権のこれまでの政治とその手法に対する社会の反応は、考慮と注目に値する。 ※訳注1 全文をよむ
【同紙一面コラム:(前篇を読む)】現政権のフィナーレは、選挙戦の場 で存在感を示すことがなかった。のみならず、アフマディネジャードの昨日の友[支持者]と今日の批判者らの言葉は、第9・10期政権の評価において、より「騒々しい」[※1]日々を目のあたりにしてのものに違いないことを示している。 訳注1:この言葉は、たとえばこのような出来事(記事の訳注参照)を形容して用いられる。 例えば、かつてはアフマディネジャードを最前列で支持していたアリーレザー・パナーヒヤーンも、今では、臆面も 全文をよむ
【ヘシュマトッラー・ファラーハトピーシェ】 トルコがNATOに対し、パトリオットミサイルをシリアとの国境に配備するよう呼びかけたことを受け、その真意について様々な憶測が広がっている。トルコのこうした呼びかけは一目見て、中東情勢の現実を誇大に見せ、そこから〔世論を〕逸脱させることを目的としているように思われる。シリアそして中東全体の情勢はヨーロッパにとって脅威ではなく、ヨーロッパを軍事・安全保障上の行動に誘うものではない。それゆえ、これ〔=トルコがNATOに対してパトリオットミサイルの 全文をよむ
【著:メフディー・アッバースィー】 第8期国会も終わりに近づいた頃、陰に陽に行われてきたさまざまな努力によって、ついに大統領喚問というタブーが破られ、アフマディーネジャードの名は、国会議員らの質問に回答するために国会に召喚された初の大統領として〔歴史に〕記録された。しかしアフマディーネジャードは「冗談」戦法を使って国会議員らの質問に答え、そのために〔国会議事堂から〕大統領が退出するや、国会議員の間からはただちに抗議の声が噴出した。抗議の声とは、すなわち大統領喚問に関する憲法第88条〔 全文をよむ
【メフディー・アッバースィー】外貨の統制はすでに政府の手から離れてしまっており、政府関係者もすでにこうした状況を自認するまでになっている。外貨をめぐる状況は依然として激しい混乱状態にあり、市場では1ドル約2500トマーンで固定化されつつある。 外貨の価格上昇が重要なのは、一方でそれが自国通貨の価値低下を意味するからであり、また他方で他の商品の価格にも直接的な影響を与え、事実上、物価上昇の心理的要因ともなるからだ。実際、鉄鋼価格の急激な上昇はドル価格の上昇と深くつながっている。 全文をよむ
【サーデグ・ズィーバーキャラーム博士(政治学教授)】 昨今、整形手術の実施回数は目覚ましく増加しているように思われる。それも特にイランにおいて顕著で、イランでは通例、この種の手術が西洋よりも多く行われているようだ。このことについて絶対的な判断は下せないにせよ、様々な証拠からみて、我が国の美容整形手術の実施回数はきわめて高いのではないだろうか。実際、日常生活やバス、タクシー、教室等々の場所で、私たちは美容整形手術を受けたことを示す「しるし」のある人たちを多く目にする。そして彼ら/彼女ら 全文をよむ
【モハンマド・レザー・ターベシュ(国会議員)】 美容整形手術は、いまだイラン人政治家の間ではさほど流行していない。今のところまだ、この病理が我が国の政治家に波及しているわけではないのだろう。美容整形に頼ろうとしているのは、多くが芸術家やスポーツ選手たちである。 イラン社会には特有の価値観や理想があり、そこでは政治家も一般の人々も、顔の良し悪しを選択の標準としないという文化や価値観が守られている。もちろん、我が国の価値観とは相容れないとはいえ、文化や価値観の領域で変化が起き 全文をよむ
ホセイン・アラーイー著 バーレーンをサウジアラビアと連合させる計画は、ペルシア湾における力の均衡の変化に対処し、地域における王国独裁体制を守るための道を確保し、かつペルシア湾におけるアメリカの影響力を維持することを目的としたものである。 バーレーンはペルシア湾に浮かぶきわめて小さな島で、面積は700平方キロメートルに満たない。その面積は、テヘラン市よりもずっと小さいが、地政学的にきわめて重要である。そのためこの島は、長い歴史を通して域外〔=欧米〕の列強の注目の的となり、ま 全文をよむ
著:メフディー・アッバースィー 現段階における国の経済は、単に通常の状態を逸しているばかりか、すでに「危機」をそこに看取することができるほどの状況にある。 ドルをはじめとする外貨の無秩序な状況は、もはや政府関係者らもその統制について沈黙し、〔もっぱら〕世論の目を〔この問題から〕逸らさせることを自らの仕事とみなすまでに、危機的な状況に陥っている。昨今のこうした状況に対する説明責任を果たすべき中央銀行総裁はここ数日、国会の非公開会議や「政府・民間部門対話評議会」など、あらかじ 全文をよむ
【ジャーメジャムオンライン】イギリス人ジャーナリストは「〔イギリスによる対イラン〕制裁は、イラン人のイギリス嫌悪の理由のひとつでしかない」と述べた。 ロバート・フィスク〔※1〕はこのように記した上で、イラン=イギリス関係の歴史について、次のような指摘を行っている。 ※以下は、ロバート・フィスク氏が英インディペンダント紙に寄稿した英語でのコラムをペルシア語に訳したものである。原文はここで読むことができる イギリス人に対するイラン人の嫌悪は、より深い歴史的起源をもつ。イラ 全文をよむ
1357年〔西暦1979年〕、イランにおけるイスラーム革命の勝利を受けて、イギリスは在テヘラン英国大使館を閉鎖し、イギリス人外交官たちをスウェーデン大使館内の英国利益代表部に移した。それから数ヶ月後、武装した6人の人物が在英イラン大使館を占拠し、22人を人質に取る事件が起きた。この人質事件は、イギリスの特殊部隊が大使館内に突入したことにより終結した。 ※訳注:在イラン英国大使館での勤務経験のあるクリストファー・ランドル氏によると、英国が在イラン大使館を閉鎖したのは1980年の秋で、在 全文をよむ
【モハンマド・ホセイン・ラヴァーンバフシュ】 数行の文章のなかに、事実と異なる内容や正確さを欠く主張をいくつも述べる人がなかにはいるが、どうしてそんなことができるのだろうか!? 事実と異なる内容を安易な気持ちで国際世論に押しつけておきながら、まったく平然していられるような時代になってしまったことに、正直驚かざるを得ない。いやいや、勘違いしてもらっては困る!私は別に、かつての兄弟マヌーチェフル・モッタキーの発言を支持したくて、こんなことを言っているのではない!(モッタキーは数日前、「大 全文をよむ
ある人の収入の50%が住居費に費やされるような場合、その人は生活必需品を賄うために第2、ときに第3の職業を掛け持ちすることを余儀なくされる。するとその人は、精神的に疲れ切った状態で家に帰ることになる。そうなると、忍耐力は下がり、〔ほんの些細なことで〕喧嘩を起こしたり、他人を傷つけたりする可能性が高くなってしまう。 収入規模が暮らしを立てるにあたって十分でないと、人は2倍の力で仕事に向かわなければならず、エネルギーの全てを仕事に注ぐことになる。こうした状況では、感情を豊かにしたり、理 全文をよむ
【モスタファー・エグリーマー(イラン社会的支援学術協会会長)】 公表された統計を一瞥すると、結婚率を上げ、〔結婚による〕共同生活を築くよう若者たちに促すために、多くの文化的活動や施策が行われているにもかかわらず、現在上昇傾向にあるのは離婚の方であることが分かる。十年前に9.5%だった離婚率は、現在では24%にまで達し、顕著な増加傾向が見られるのである。今年の上半期でさえすでに、離婚は6%増加する一方で、結婚は5%減少している。ここで問題となってくるのは、「なぜこうしたことが起こり、ま 全文をよむ
【ファルバド・フェダーイー(福祉大学精神医療班長)】 かつてとは異なり、ここ数年で、離婚を悪いことだと考える風潮がなくなっている。このため、国内の一部地域では、離婚率が懸念すべき上昇傾向にある。 勿論、この数字は2組に1組が離婚するアメリカのような国とは比較しようもないことに注意する必要があるが、しかしそれでも、我が国における離婚増加率には懸念すべきものがある。 さて、この問題で考えられる理由の一つは、女性の状況の変化である。つまり、イスラーム法に則って得られる個人 全文をよむ
【アッバース・モハンマドネジャード(政治部編集委員)】1367年ティール月12日(1988年7月3日)、ドバイへ向けてバンダルアッバースを出発したイランのエアバス旅客機が、ペルシア湾〔ゲシュム島の南〕ヘンガーム島の近くで、アメリカ航空母艦「ヴィンセンス」から発射された2発のミサイルによって墜落した。この野蛮な攻撃の結果、多数の子供を含む298人の乗員・乗客が殉教した。 世界中にこの犯罪行為のニュースが知れ渡ると、アメリカ当局はこれを正当化しようと言い分け探しに奔走し、ちょっとした間違 全文をよむ
【ガーセミー大佐(刑事警察社会課長)】 「道端で生まれた交遊」や「インターネットでの出会い」をめぐっては、多くの事件が刑事警察内で取り扱われており、その大半で、市民はさまざまな被害にみまわれている。こうした被害は、男性にとってはお金を失うといった程度だが、女性にとっては暴行・強制猥褻行為といったかたちで生じている。 このように、道端やインターネットで生まれた交際による被害は、女性、特に未婚の娘さんたちにとって、より大きいと言える。なぜかというと、こうした関係は大抵、結婚前の〔異 全文をよむ
尊属殺人の主な動機は「名誉=貞節」をめぐる問題 イランで発生する尊属殺人の多くには、ある共通の特徴が見受けられる。すなわち、これらの殺人は「家族の名誉=女性の貞節」を動機としている、という特徴だ。 犯罪学の専門家であるアリー・プールハサン氏は、次のように述べる。 実際、このことをめぐる重要な問題の一つに、『家族の名誉』をめぐる問題がある。テヘランには、異なった民族性や規範を持ったさまざまな人々が存在している。彼らは、農村部など様々な場所からテヘランにやって来て、ときに 全文をよむ
プールハサン氏は続けて、こうした殺人の増加は社会が近代への過渡期にあることの結果だとの見方も示している。〔‥‥〕伝統的な社会では、男性は「独裁者」の役割を果たしてきた。〔家族内での〕重要事項の決定や富の配分、価値観の提示などは、男性に委ねられてきたのであり、女性や子供は、それらに従うものだった。 プールハサン氏は言う。 〔しかし現代では、〕われわれの社会は、男性中心的なシステムから女性や子供への権力の移行を経験している。こうした経験は、極めて新しいものであり、そのため、激しい、 全文をよむ
【マフブーベ・バーバーイー】 (前略) 尊属殺人という表現は一般的な表現、つまり近縁の姻戚関係で結ばれた家族のなかで発生するような殺人、例えば家族内のある成員が他の成員を殺害する、といった殺人のことを総体として指す表現である。 こうした殺人で多く見られるのは、父親による子供の殺害、もしくは子供による母親の殺害、夫による妻の殺害、その逆の妻による夫の殺害、そして兄弟同士の殺害である。 今回私がこの記事の執筆を決断したのは、こうした問題が社会の不安要素と 全文をよむ
【社会部:アーヴィード・ターレビヤーン】一年の最後の火曜日が、以前までとは様子の異なる一日となってしまってから、すでに数年がたつ。 かつて一年最後の火曜日の夜ともなれば、人々は薪に火をともして、スプーンを叩き〔※ハロウィーンのように、チャハール・シャンベ・スーリーの日に、近所の家の前でお椀をスプーンで叩きながら、物をもらう習慣がある〕、郷土料理を用意して、古から伝わる伝統を守ってきたものだが、しかし近年、残念なことに、「手榴弾」「鉛丹」「カプセル」といった〔名前の〕発火物が静かに忍び 全文をよむ
最近、ペルシア湾の呼称をめぐる提案がアラブ諸国の間でホットな話題となっている。 ファルダー通信の報道によると、イランの一部近隣諸国がペルシア湾の呼称変更に失敗したことを受け、クウェート外相は最近の驚くべき発言の中で、(これまでのアラブ諸国の立場から一歩後退する形ではあるものの)なんとペルシア湾に対して2つの呼称を併記する案を提起したのである。 この案について同外相は、イラン人がこの湾を「ペルシア湾」と呼びたいと思っているのと同様に、アラブ諸国もこの湾をアラビア湾と呼びたい 全文をよむ
【社会部:アリー・アフヴァーン・ベフバハーニー】古より伝わる伝統行事チャハール・シャンベ・スーリーはいまや、「花火大会」としての側面のみが残されている。それも、かつてのように〔火のついた〕薪の上を飛んで〔生命力の象徴としての〕「赤」を請うのではない。むしろチャハール・シャンベ・スーリーは「戦場」よろしく、恐ろしい爆音が常時鳴り響く夜になっているのである。 残念なことだが、チャハール・シャンベ・スーリーはここ10年、暴力的な性格をますます帯びるようになってきた。伝統行事から、人々の心と 全文をよむ
【社会部:マルヤム・ハッバーズ】ある法案の可決を3年間も待ち続けている。この3年間という月日は、決して短いものではない。しかもその法案というのが、「犯罪発生防止法」のような重要法案の場合は特に、である。 1384年メフル月2日〔2005年9月24日〕、第7期国会の司法委員会の委員らははこの法案の総則を初めて提出し、その1年後、その他の議員らとともに、同法案を国会の公開本会議で可決した。この時、この法案がその後、棚晒し状態になると考えた人はごく少数だったに違いない。 国会調 全文をよむ
【社会部:マルヤム・ハッバーズ】13年前の今日、テヘランのガンディー通りである凄惨な事件が発生した。1375年デイ月16日〔1997年1月5日〕のことだった。恋人同士だという16歳の若者シャーフロフ〔男〕とソマイイェ〔女〕の2人が共謀して、11歳と9歳になるソマイイェの弟・妹を父の自宅の風呂場で、残酷な方法で殺害し、さらにソマイイェの母親の殺害計画も立てたのである(母親殺害計画の方は、計画実行の直前に殺人事件が露見して未然に防がれた)。 事件発生から13年が経った今も、彼らの動機は全 全文をよむ
ここ最近、特に「アーバーン月13日」〔11月4日=アメリカ大使館占拠記念日〕を目前に控え、「エステクバール」「反エステクバール」ということばが、以前にも増して人々の口から発せられることが多くなっている。このことばは、57年バフマン月〔1979年2月=イラン・イスラーム革命が成就した月〕に起きたイラン人民による革命のなかで、つねに強調されていたことばであり、当時の人民による闘争を鼓舞しただけでなく、革命後も追求され続けてきたことばでもある。しかし近年、権力の座を射止めた一部の人々が、このことばの特 全文をよむ
【社会部:マルヤム・ユーシーザーデ】「母は、イランとイラクのまさに国境で、あまりの暑さのために私の目の前で命を落としました。ツアーには母を助けてくれるような医者は一人もいませんでした。約30分前のこと、国境にいるイラク人兵士に『母の具合が悪いんです。死んでしまうかも知れません。もっとてきぱきと仕事をしてくれませんか』と求めました。返ってきた返事は、こうでした。『はいはい、担当の者が来るから、そっちで待ってな』」。 これは「強要された戦争」〔=イラン・イラク戦争〕のときのイラン人捕虜た 全文をよむ
【事件部:マルヤム・ユーシーザーデ】立法府の議員たちに罪はない!人に酸をふりかけるという犯罪行為に対して3年から5年の禁固刑が言い渡されるのが判例となっている現状に目をつむり、「酸ふりかけ犯への罰則を強化しても、この犯罪を抑止することにはつながらない」と主張したとしても、それは彼らの権利である! 彼らに罪はない。なんとなれば、彼らの誰一人として、酸ふりかけ行為の犠牲者になった経験のある者はいないのだから。彼らの誰一人として、酸による傷の痛みがどんなものなのか、味わったことがないのだか 全文をよむ
ジャーメ・ジャム・オンライン版(7時52分付) ファールス通信は、マフムード・アフマディーネジャードが勝利を収めた第10期大統領選挙の結果について、イランにおける第三の革命の始まりであるとした上で、「今回の選挙で、国民は革命40周年へ向かう最初の年に、体制の身体から腐敗、差別、特権主義、そして不正義の元凶を取り除くべく、大いなる外科手術に着手した」とする論評を発表した。 ファールス通信の論評全文は、以下の通り。 数ヶ月にわたる期待の末、ついに国民再生の瞬間が到来 全文をよむ
「サウジアラビアの非礼を許すな(1)」のつづき 小巡礼の巡礼者が増加中、でもどうして? モスタファー・ハークサール・ガフルーディー巡礼参詣庁長官がサウジアラビアの巡礼省大臣との合意文書に署名し、第9政権下で小巡礼の巡礼者数が2倍に増えたことを誇らしげに発表した上で、「快適なサービスの提供が実現されれば、小巡礼を行う人の数がもっと増える可能性もある」と話したのは、今年オルディーベヘシュト月上旬〔4月下旬〕のことだった。 問題は、何を犠牲にして〔巡礼者数が〕このように増加 全文をよむ
【社会部】つい先日、記者はある市民と話をする機会を得た。彼は小巡礼(ウムラ)〔※1〕から帰ったばかりで、イラン人入国者に対するサウジ当局者の不適切な対応について不満をもらしていた。 彼は「友の家」〔=メッカ〕を訪れることへのイラン人の情熱を語りつつ、イラン人巡礼者の存在によってサウジアラビアに多大な経済効果がもたらされているのに、サウジアラビアの王族たちに対するイラン当局者の対応はあまりに手ぬるいのではないかといって批判した。 この市民は次のように強調していた。「サウジア 全文をよむ
【事件部】逸脱集団の活動に対して、各関係機関からはさまざまな対応が打ち出されているが、その一方で彼ら、なかでも悪魔崇拝集団の活動は、公然か秘密かの別を問わず、依然として続けられている。テヘランの道沿いには、これらの集団のシンボルマークや服などが廉価で売られているのだ。 昨年、治安維持軍代理(当時)のゾルファガーリー司令官は、地下活動をしていた50もの悪魔崇拝集団のメンバーらを特定・逮捕したことを発表したことがあった。この発表は瞬く間に各メディアの注目の的になったにも拘わらず、これらの 全文をよむ
【アスレ・イラン】改革派戦線で立候補が取り沙汰されている、ハータミーとキャッルービーという二人の人物をめぐる議論が、政界、マスコミ、そして世論の注目を集めてすでにしばらくになる。一方で、前大統領にして改革派の象徴的存在であるセイエド・モハンマド・ハータミーが人々の話題に上り、他方で左派陣営を代表する人物の一人として、これまでつねに存在感を示してきたメフディー・キャッルービーの立候補が取り沙汰されている。 この両者はいずれも、現在の政界において見出すこのできる極めて貴重な人物であり、大 全文をよむ
独立系出版物への挽歌:週刊誌「ゴルアーガー」、2度目の休刊(その1)のつづき 新政権の文化イスラーム指導相は大臣就任当初、大統領や閣僚の風刺画を制作したり、政府の政策に風刺めいた批判を行うことについて、政府はいかなる姿勢をとるのかとの質問に、「自由である」との見方を明確に示していた。にもかかわらず、ゴルアーガー誌が再開され、政府批判の風刺画や風刺が世に出ると、直接的・間接的圧力がこの出版物にかけられ始める。 そして1387年アーバーン月14日〔2008年11月4日〕に隔週誌が週 全文をよむ
【ハーディー・ヘイダリー】「もうだめだ、疲れた!」 プーパク・サーベリー氏のペンによるこの言葉を週刊誌「ゴルアーガー」第2期最終号で読んだ瞬間、すでに過去の思い出となってしまった日々が、思わず私の脳裏を駆けめぐった。 そう、これがイランのあらゆる独立系出版物がたどる結末なのである! 故カユーマルス・サーベリー氏が1370年代末〔西暦1990年代末頃〕、何かにつけ週刊誌ゴルアーガーの自主休刊を口にし、ついには氏の生涯最後の数年間に、内心の願いとは裏腹に休刊を受け 全文をよむ
【社会部:キャターユーン・メスリー】イスラーム神学校や大学の様々な研究グループが、悪魔崇拝などの破壊的思想運動のイランへの流入について警告を発してしばらくになる。しかし、この手の思想集団に対抗するための統一的な情報提供体制はいまだ整備されておらず、彼らの影響やシンボル・マークがやすやすと国内で増殖し続けているというのが現状だ。そしてさらに残念なことに、多くの若者が知らず知らずのうちに、意図せずして悪魔崇拝的な思想内容に支配されているのである。 モーニングスター〔明けの明星〕、ペンタグ 全文をよむ
【政治部】バスィージ〔「動員」の意。一種の民兵組織〕が創設されたとき、出来事の表層しか見ようとしない人々は、当時の危機的状況が終わりを告げれば、バスィージとバスィージ隊員もその役割を終えるに違いないと想像したことであろう。 バスィージが創設されたのは、イスラーム革命の勝利からほんの9ヶ月が経った時のことだ。イラン・イスラーム共和国という生まれたばかりの体制を守護するためには、人民による部隊を活用することが必要だとする考えから、イマーム・ホメイニーが同部隊の創設を命じられたのである。 全文をよむ
【スポーツ部:ホッジャトッラー・アクバルアーバーディー】北京オリンピックでイラン・レスリングは、大敗を喫した。自国の敗北を目の当たりにした社会全体が今回のお粗末な結果に唖然としている。 レスリング選手らが不安なくオリンピックの舞台に立てるよう、過去2年間(技術的でなく経済的な意味で)有力な指導者の下、あらゆる施設や設備を整えた中での敗北であった。 レスリングは敗北に終わった。それは、レスリング・フリースタイル代表チームの技術スタッフを始め、関係者らにオリンピック出場に対す 全文をよむ
モタッハリーの遺産(5) 宗教の法規定が現実的であることの理性的論証 〔中略〕 思想家や倫理学のウラマーたちは皆、宗教が酒をハラームとするなら、それは現実に基づいたものである、つまり何らかの公益がその法規定には隠れた形で存在しているのだと論証してきた。同様に、『雄弁の道』〔初代イマーム・アリーの言行録〕の格言部分にも、宗教法規定にみられる客観的で実践的な意味や、社会においてプラスとなる要素の数々が一つ一つ言及されており、それぞれに対して理性的論証が語られているとしてきた 全文をよむ
モタッハリーの遺産(4) 西洋世界に対する今日の言説 今日の我々が西洋に対して有している根本的な問題は、以下のようなものである。宗教は単に信仰上の事柄なのか、個人的で心に関わる事柄なのか、それとも社会問題に積極的に関わるものなのか。宗教は国家を持つのか。統治に対して何らかの見解を有しているのか。宗教は何らかの経済的な規定のようなものを持つのか。戦争と平和に対して見解を有しているのか。社会における人間の尊厳の一つであり、西洋リベラリズムでは神聖不可侵で絶対的なものとして捉えられてい 全文をよむ
モタッハリーの遺産(3) 地域や時代にかかわらず、宗教と感情は明らかに結びついている。しかし問題は、感情は理性に従うべきなのか、それとも理性は感情のうねりの中で押しつぶされ忘却されるべきものなのか、というところにある。これは極めて重要な問題である。 モタッハリーは感情豊かな人物で、神秘主義的な精神や敬虔な心を持っていた。彼は〔イスラーム教徒の義務である一日5回の礼拝とは別に自発的に行なう〕深夜の礼拝を行なう人で、青年期の初めから決して欠かさなかったほどだ。 彼は大学 全文をよむ
モタッハリーの遺産(2) 理性主義の思想家モタッハリー 〔マルクス主義や世俗主義などの〕以上のような問題と対峙する際にモタッハリーのとった視点や思想を一瞥するならば、宗教理解における彼の方法こそが、彼の残した最も建設的で最も貴重な遺産である、と言うことができるだろう。それは、特定の時代や問題に縛られない普遍的なものだからだ。 思考の領域に踏み入ろうとしている親愛なる学生たちにあっては、殉教者モタッハリーの著作に含まれる真理を利用するだけでなく、彼の方法を抽出し、活用す 全文をよむ
(モタッハリーの遺産(1)を読む) マルクス主義との対決において基本的な問題とされたのは、マルクス主義の哲学的基礎の部分に対してであった。社会的見地から見た場合、〔イスラームにおける〕社会的正義と西洋リベラリズムの問題は、今日私たちの社会において基本的言説となっているような形では、当時問題とされていなかった。 私たちが大学生で、モタッハリー先生が私たちの道を照らす灯火であった時代、さまざまな大学において基本的な議論の対象となっていたのは、宗教原理の在・不在をめぐるものであった。 全文をよむ
※以下の論説は、5月1日のモタッハリー殉教記念日に合わせる形で、2005年に国会議長のハッダード=アーデル氏が行った講演を収録したものである。 60年の生涯のうち、およそ50年間を、この地に公正なイスラーム政府を樹立することに費やした人物が、革命の勝利からたったの80日間しかその勝利を体験できなかったことに、深い悲しみを覚えざるを得ない。 さて今日、モタッハリー氏が残した遺産に注目してみたいと思う。モタッハリーは知識と行動、理性的思考と信仰を総合し、学問と政治において誠実 全文をよむ
【文化芸術部:アーラシュ・シャファーイー】通信各社は昨日(4月11日)、タジキスタンのアブドルジャバール・ラフマーノフ教育相の「タジク語は今後もキリル文字表記のままである。アラビア文字を採用する方向は考えていない」との発言を報じた。 ノーボスチ通信が伝えたところによると、同相は次のように付け加えた。「イランはタジキスタンの学校に、アラビア文字学習用の本を送る予定である。その本で生徒たちに《アラビア語》(!)を習得してもらおうというものだ」。この発言は、ペルシア語圏にある同国のエマーム 全文をよむ
【ミーナー・ジャアファリー:一級弁護士】 殺人、特に夫殺しや子殺しに走る女性が増えている。彼女たちがなぜこのような行動に出たのか、よく考えておく必要があるだろう。一見すると、この手の殺害犯の行為は、故意の殺人について述べているイスラーム刑法第206条の第1項から第3項が適用されるところであろう。しかしながら、この問題について真に問うべきは、女性たちを身近な人間、とりわけ自分の夫や子供の殺害へと向かわせた理由は何か、ということにある。この問いに対する答えを得るには、家族関連の法律を一瞥 全文をよむ
【社会部】社会問題のある専門家によると、国内には母子家庭が130万世帯存在し、そのうちの50万人はどの福祉機関からも支援を受けられずにいるという。 本紙記者が伝えたところによると、長年にわたり福祉庁社会的弱者問題局の局長を務めてきたセイエド・ハーディー・モオタメディー博士は、関係者らが発表してきた母子家庭の数に関する統計データはあまりに楽観的であり、非現実的だと指摘した上で、次のように述べた。「過去二年間行われてきた最新の公式統計は、国内に母子家庭が130万世帯存在することを示してい 全文をよむ
【ベフナーズ・モハンマディー】車椅子に乗った男性と、それを押す女性。女性の背中にはやせこけた子供がおんぶされている。男性は笛を吹いている。時に歌を歌うこともある。男性の前に置かれた鉄製のお椀の中に、硬貨がチャリンと入れられる。この音を聞いて、男性は仕事が始まったことを知る。 紙を見せながら、歩道の脇に座る。紙に書かれた字は、やっと判読できるほどきたない。「わたしはびょおきです」。男性は正しい読み書きができないようだ。病気にかかっているが、病院に医療費を支払うお金がない、だから治療を受 全文をよむ
ネエマト・アフマディー(一級弁護士) ある学生に「タバッロジ」(tabarroj)という語の意味を訊かれて、答えに窮した。学生には別の機会に回答するといって、辞書を参照してみることにした。〔代表的な6巻本の辞書である〕『モイーン』を見てみた。「タバッロジ」という語は載っていなかった。そこで次に〔大辞典である〕『デホダー』を繙いた。すると、アラビア文字のアルファベット「te」の巻、国民議会出版社刊のこの辞典の第38分冊補遺の309ページには、次のようにあった。 「タバッロジ」:自 全文をよむ
「社会的安全計画」の新ラウンドが、社会でさまざまな反応を引き起こしている。イスラーム革命から30年近くが経った今も、女性の服装をめぐる問題はイラン社会において最大の論争の的であり続けている。 このような中、過去のさまざまな経験が繰り返される様をわれわれは目の当たりにしているが、ここで興味深いのは、社会を監督する責任者たちのいずれもが、「社会を倫理化するために最も重要なのは女性に関連した問題に対処することだ」と考えていることだ。近年女性問題をめぐって、我が国では多大なエネルギーとカネ 全文をよむ
サーデグ・ズィーバーキャラーム アメリカ情報機関の報告書が発表された翌日、この報告書に対してジョージ・ブッシュからコンドリーザ・ライス、そしてロバート・ゲイツ国防長官に至る米政府指導者らがどのような反応を示し、どのような発言を行ったか、つぶさに観察した人なら、イランの敬愛すべき大統領が同報告書に対していかなるコメントをしたかに驚かれるであろう。大統領はなんと、同報告書をイラン国民にとって過去100年で最大の勝利であると言及したのである。 ジョージ・ブッシュは発言の中で、 全文をよむ
サーデグ・ズィーバーキャラーム 約30ヶ月前に第九期アフマディーネジャード政権が発足してから今日まで、同政権にとっての最優先課題の一つとして、アーザード大学をめぐる問題が取り沙汰されてきた。 〔※訳注:アーザード大学とはイラン全国に分校をもつ巨大私立大学のことで、難関の国立大学に入れなかった比較的裕福な家庭の子女が大学に通うための受け皿となっており、イランにおける大学教育の大衆化を象徴している〕 第九期政権が誕生したまさにその当初から、アフマディーネジャード氏やその他 全文をよむ
数年前、改革派が政権を掌握していた頃、新聞記者の友人が外務省の改革派幹部の一人と持った対談について語ってくれた。友人はそこで、その人物とアメリカ大使館占拠事件に関してインタビューを行った。その改革派幹部自身、アメリカ大使館占拠事件に参加した「イマームの路線を支持する学生」の一人であったが、ところが今や25年が経ち、「お願いだから、私の名前は伏せておいてくれ」、「私に関しては専門家・外交官としてのみ、質問してくれ。過去のことにはふれないでくれ」などとしきりに強調していたという。 実に 全文をよむ
エブラーヒーム・ヤズディー 1358年アーバーン月〔1979年11月〕に「イマームの路線〔を支持する学生〕」として知られる大学生らによって起こされた米大使館員人質事件と、1332年モルダード月28日〔1953年8月19日〕に起きた米英による軍事クーデター〔※〕の間に、何らかのつながりは存在するのだろうか。もし存在するのであれば、それはどのようなつながり、あるいは類似性なのだろうか。 〔※訳注:イラン石油産業の国有化を宣言したモサッデグ内閣を転覆した米CIAによるクーデターを指す 全文をよむ
アッバース・アブディー 「アーバーン月13日」〔1979年11月4日の米大使館占拠事件〕について、何か書いてほしいとの依頼を受けた。昨年、私個人のブログであるAyande.irで、すでにこのことについていくつかのエッセーを書き、〔私の下に寄せられた〕さまざまな意見に対して回答した。その結果、多少なりとも〔ブログの読者たちと〕相互理解が得られたとの感覚ももった。 しかし当初より私が感じていたように、依然としてこの事件についての人々の意見は主に政治的なものであり、このような 全文をよむ
マアスーメ・エブテカール 今日、米大使館員を人質にとった「スパイの巣窟」〔旧在イラン米大使館のこと〕占拠事件をめぐって議論する際、故アリー・シャリーアティー博士の次のような有名な言葉を想起することが重要だろう。「父よ、母よ、私たちは責任を負わねばならない」。 われわれは責任を負わねばならない。なぜなら、われわれは〔米大使館を占拠した〕「イマーム〔・ホメイニー〕の路線を支持するムスリム学生」のメッセージを、あの大事件を用意し惹起させた状況を、それを決断させた〔当時の〕考え 全文をよむ
【モハンマドアリー・アブタヒー】アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記の辞表が受理されたことは、我が国の現状において最も重大な出来事の一つである。 ロウハーニー前書記の時代、国家安全保障最高評議会の議員だった時分、核問題をめぐる過去の交渉手法を批判し、当時歴史的な意見として、「我々は真珠〔訳注:ウラン濃縮技術等、核技術を指す〕を与えた代わりに、チョコレート〔訳注:原子力発電所の建設をめぐる技術協力等を指す〕をもらったようなものだ」と述べたことのあるラーリージャーニー氏だが 全文をよむ
ロシアのウラディーミル・プーチン大統領は本日テヘラン入りし、イラン大統領他我が国の当局者らと会談を行う模様だ。ロシアはこれまで約束をしては反故にするを繰り返してきたが、それにもかかわらず今回のロシア大統領の訪問は吉凶と善意の現れとして理解すべきであろう。 核問題をめぐる危機の一方で、最近数ヶ月間のさまざまな出来事の結果、国際社会には肯定的な心理的バランスが生まれている。このような状況が、今回のきわめて重要な訪問の実現に影響を与えたことは、間違いないだろう。 ロシアは強い 全文をよむ
【アリー・エマーディー】ラマダーン月の連続テレビ・ドラマをめぐる「ナゾ」はここ1~2日のうちに解き明かされる予定だが、その一方でイラン国営放送にとって、これらのドラマシリーズの外部で起こっている複雑に絡まり合った問題は未だに解けないままとなっている。 ラマダーン月の連続ドラマは、毎晩のように視聴者の気持ちをやきもきさせ、〔ラマダーンという神聖な月にもかかわらず〕放送時間ともなると多くの視聴者をテレビの前に釘付けにしてきた。さらにこれらのドラマの内容も問題視されてきた。このような事情か 全文をよむ
サーデグ・ズィーバーキャラーム 政府が国民の人気と同調を得ようとすることは、殊更取り上げるまでもない普通のことであり、ある意味自然なことである。どの政府も大抵、国民が政府の業績を評価し、支持を与えてくれることを強く願っている。反対に、国民が政府の反対者・批判者たちを快く思わず、失敗続きの能なしと評価することを願ってもいる。 公衆の面前で自画自賛する代わりに、自らの失敗と弱点、未熟さを積極的に認め、自らの成功を宣伝しようとしないような政府にお目にかかることなど、ありそうもな 全文をよむ
マジード・アブハリー博士(行動科学・社会病理学) 新聞各紙の事件面で、私たちは連日のように痛ましく不快なニュースを目にしている。それらはいずれも、社会を揺るがし、人心に影響を及ぼす、一種の病理を表している。 これらの邪悪な事件の数々は、一般市民の良心や倫理に加える衝撃以前に、どれも国の関係者や子供の親、教師たちにとって深刻な警告となってしかるべきものばかりだ。 これらの出来事の本質を調査するならば、一部の同じような事件が繰り返されていることに気が付く。このこと 全文をよむ
モハンマド・グーチャーニー イスラーム共和国の中でも最も神聖なる政治組織である専門家会議にも、ついに〈世俗化〉の波が押し寄せている。 ゴム宗教界の「倫理」の教師アーヤトッラー・メシュキーニーが専門家会議の議長を務めることは、全国津々浦々の高位宗教指導者らにとって、何年にもわたる〈合意〉となっていた。しかし、専門家会議議長を選出するこのような旧来の方法にも変化の波が訪れた。新しい議長は、合意によってではなく、二つの党派間の政争によって選出されたのである。政治発展をもたらす主 全文をよむ
【事件部】学者たちは西暦で言うところの三千年紀を、知の時代と呼んでいる。人間が獲得した知識や道具によって、地理的な距離というものは意味を失った。しかしこのような能力の傍らでは、技術をその掌中に収めた者たちがプロパガンダのための道具を駆使して、つまりさまざまな国に物理的に進出するのではなく、むしろメディアの力を利用して、〔異質な〕文化を〔人びとの心に〕吹き込み、また〔人々の〕嗜好に影響を及ぼそうと躍起になっている。 例を挙げよう。今日アフリカでは、町の名前よりも商品の名前の方が若者によ 全文をよむ
モハンマド・タギー・ファーゼル=メイボディー 第一に、女性に関して存在する数々のイスラーム法学上のファトワー(教令)やシャリーアの法規定〔訳註1〕(その一部は民法や刑法の基礎にもなっている)は、果たして現代における女性の諸権利を十分に認めていると言えるだろうか。第二に、宗教的な問題を扱った論文の中で提起されている女性の権利に関する法規定は、過去・現在を問わず、イスラーム法学者たちによって見解の一致をみてきたのだろうか、それともイスラーム法学者間の対立点の一つなのだろうか。第三に、これ 全文をよむ
エラーヘ・クーラーイー イランとアメリカは、前体制の時代より今日まで残る辛い記憶に苦しめられており、このような両者の関係の負の影響はさまざまな領域に及んでいる。 実際、イランとアメリカの関係は過去28年間、さまざまな紆余曲折があり、また二国間・多国間のさまざまな要因の下で生まれたさまざまなチャンスがあったにもかかわらず、はっきりと感じられるような変化というものを受けいれてこなかった。 確かに両国には、幾度となくこの関係を変える必要性を訴える有力な人々やグルー 全文をよむ
【モフセン・ジャンダギー】社会的安全向上計画の一部であるならず者対策が、暴行事件や社会不安、迷惑行為の数が近年顕著な形で増加している中、はじまった。 一部の都市地域では、ならず者どもが多くの子分たちとともに跋扈しており、人々が司法当局に訴えを起こすことに対してさえ恐怖を覚えるような状況が生まれていた。実際、多くの市民はときに、自身の生命と名誉を失うことを恐れるあまり、彼らの金銭の要求に応じ、沈黙することもあったのである。 ならず者対策緊急計画は、このような状況を打開し、社 全文をよむ
http://pasargadstudents.blogfa.com もしあなたがテヘランにいて、少し早起きして午前10時より前にエッテマードメッリー紙をめくっていて、現実社会と接するまで、まだ時間があるとしたら、紙面からキュロス大王の声に耳を傾けてほしい。まさに今日の午前10時、ペルセポリスの保護を呼びかけ、アーリアの古代遺産を愛する民間の諸団体が、「文化遺産観光」という看板を掲げているにもかかわらず、スィーヴァンドダムの貯水を許可する認可書を発行して、イランだけでなく世界の最も重 全文をよむ
【アッバース・サーベティー・ラード】多くの考古学者よれば数千年の文明の揺籃の地であったとされる古代の川のほとりに、今日の人々の生活のためであるとして巨大ダムの建設が始まっていた。このダムは、我々の古代遺産を大量の水によって水没させ、我々をさらなる忘却へといざなうものであった。日本の考古学者たちが、我々が何年も前に忘れてしまっていた遺跡を粘り強く調査していたのは、まさにこのようなときだった。 そして、いまだスィーヴァンド・ダムが完成していなかったころ、6千年前の人類に関する貴重な遺跡が 全文をよむ
【ホセイン・ハーニー】「レゴ」は、最近雑誌フォーチュンで《世紀のおもちゃ》に選ばれたおもちゃの名前である。このおもちゃのメーカーはデンマークにあり、毎分レゴを3万ピース生産している。この会社が歩んできた60年の間に、単色のレゴ・ピースを3200億以上作って、市場に供給してきた。このことから、60億の地球人口の各々に、平均52ピースが行き渡っていることになる。ある公表されている情報によると、世界中の子供たちは、年間50億時間この種のおもちゃで遊んで過ごしているという。 我々人類の多くに 全文をよむ
2007年1月17日付 エッテマーデ・メッリー紙 1381 年〔2003年〕の革命記念祭でイランの核開発が提起された当初から、この問題への対応に対して国内で2つの見解があった。1つ目の見解は、ハーシェミー・ラフサンジャーニーや、ハータミー政権内の一部の改革派の考えに属するものであり、かつて〔ハータミー政権時代に国際社会との〕交渉に携わった人々の活動にもみられたものである。それは、核問題との関わり合い方に関してプラグマティック(実践主義的)なアプローチを取ることである、と考えることができる 全文をよむ
2006年12月14日付ハムシャフリー 【アフィーフェ・アーベディー】アメリカの対イラン政策が、「体制変更(レジーム・チェンジ)」、「外交的対話」、「国際的制裁」、「単独制裁」、そして「軍事攻撃」の〔5つの〕選択肢以外にあり得ないことは、明らかだ。 それゆえ、〔今後のありうべき〕イランのスタンスを分析するには、まずCRS(Congressional Research Service米議会調査サービス)外交・国防・通商部の中東問題専門家であるケネス・カッツマンが作成した、2006年1 全文をよむ
2006年12月11日付 ハムシャフリー 【都市部】一部の専門家たちは本紙の取材に対し、「過去2回に比べて、今期は市政と無関係のスローガンは少なくなってきてはいるが、依然として選挙活動において提示された多くの市政公約は現実味が薄い」と強調している。 本紙記者の取材によると、最も明確な地方議会の義務は市の行政の監督であり、最も重要な市の義務は都市の公共福祉、交通、都市建設の整備であるのだが、候補者の多くは、貧困撲滅、就業機会の創出、賃貸者への住宅供給、若者への[健全な]娯楽提供などと 全文をよむ
2006年11月27日付ハムシャフリー 【マフムード・モハンマディー:国会国家安全保障委員会副委員長】 我が国の大統領の呼びかけによって実現したイラクのジャラール・ターラバーニー大統領のイラン訪問は、極めて重要なものだ。 ジャラール・ターラバーニー大統領は、苦難に満ちた年月を圧政との闘いに費やした闘士であり、現在はイラク大統領として、血なまぐさいクーデター騒ぎに絶えず脅かされながらも、過去100年間で初めて人々の票と意見に基づいた国民政府が誕生した同国の治安と安定、民主主義 全文をよむ
2006年9月7日 シャルグ紙 【社会部】地下20メートル。労働者たちは仕事についている。合法、非合法のアフガン人がノウボンヤード広場近くのトンネル掘削作業に従事している。テヘランの地表水を集めて北部へと送るための500kmに渡る水路敷設計画の一環である。労働者たちは心穏やかだ。この20mの地下に滞在許可証や労働許可証を検めに外国人局や労働省の役人が来ることはないと確信しているのだ。 従って、歌を歌ったり、冗談を言ったりしながら仕事をしている。現場のリーダーや監督技師、専務取締役に 全文をよむ
2006年7月9日付ハムシャフリー紙 【アリー・アスガル・モハンマディー】1991年クウェートから撤退を余儀なくされたサッダーム政権はその後弱体化し、地域の安全とその安定維持の鍵を握るアクターとしての役割を演ずる力を失った。そのような状況の下、〔湾岸戦争後〕イラクの重要な近隣3カ国であるトルコ、シリア、そしてイランの外相が、共同でイラクの動向とそれが地域の平和と安定、安全に与える影響を検討し、自らの外交政策を互いに調整する目的で協議を行なった。 サッダーム政権の崩壊とアメリカ軍によ 全文をよむ
2006年6月27日付シャルグ紙1面 【シャルグ】イラン外交戦略評議会の設置を命ずる最高指導者令の発令から24時間が経ち、マフムード・アフマディーネジャード政権からは、本件に関する最初の反応が政府報道官より出された。 ゴラーム=ホセイン・エルハーム政府報道官は昨日、記者団に対して「同評議会の役割はすでに決められており、もっぱら諮問機関として、戦略の策定に携わることになる。実行機関としての役割は有していない」と語り、さらに次のように付け加えた。「我が国の外交政策全般を実行するのは外務 全文をよむ
2006年6月11日付ハムシャフリー紙 「コンドリーザ・ライスが、《世界》に向けて、我々はイランの核問題を外交的手段で解決することを望んでいると表明したのは、私の指示によるものだ」。 これは、6月3日にジョージ・ブッシュが行った発言だが、そこでの《世界》という概念の用いられ方に注目したい。《世界》なる概念を用いることで、アメリカ政府のプロパガンダ装置は、《テロ》や《悪》、《平和への敵》などの表現によって、ある程度喚起されてきたイメジャリーを、多くの人々の記憶から消し去ることに成功 全文をよむ
2006年6月11日付ハムシャフリー紙 【アリー・サバーギヤーン】二日前のミュンヘンでのドイツ対コスタリカ戦で幕を開けた、第18回目サッカー・ワールドカップは、一ヶ月間世界を魅了することになる。予想では、延べ320億人がテレビを通して、また約300万人が試合が行われる現地のスタジアムで、ドイツ・ワールドカップを観戦する。 ワールドカップの試合とは、表面上本選に駒を進めた数カ国の間で戦われるサッカーのゲームである。しかし実際には、ワールドカップは、今日急速に人類の社会的生活のさまざま 全文をよむ
2006年6月3日付け ハムシャフリー紙 【モハンマドアリー・モフタディー】イラクのジャヴァード・アル・マーリキー氏による組閣と、イラン外相の同国への訪問に際し、再びアラブ諸国で「ああ、イラク人たちよ!」と嘆く声が高まり、一部メディアは、「これからのイラクにおけるアラブ諸国の役割はどうなるのか、そしてなぜアラブ世界はイラクという舞台に不在なのか?」という繰り返される問いをあらためて提起している。 同時に、イラクにおけるイランの影響力の拡大を警戒する者もいる。クウェートの有名な思想家 全文をよむ
2006年5月24日付 シャルグ紙1面 【モハンマド・グーチャーニー】 アーザリー語を母語とする同胞の抗議はついに昨日の朝、政府の新聞の一時的な発行停止と『イラン紙金曜版』の2人の責任者の拘束に帰結した。[この論説では]抗議の的となった風刺漫画の内容への批判とともに、イラン新聞記者協会の一員としていくつかの点をアーザリーの同胞に対して打ち明けたい。 1.新聞記者は難しい職業である。政治、経済、文化のあらゆる領域における政府機関や私有会社の責 任者の仕事の成果がある期間、い 全文をよむ
4月25日付シャルグ紙一面巻頭論文 【ペジュマーン・ラーフバル】サッカーナショナルチームに混じって、キーパーのエブラーヒーム・ミールザープールにペナルティーキックを数本お見舞いしてから一ヶ月半近く。マフムード・アフマディーネジャードは、イラン人女性のサッカースタジアム入場禁止を扱ったジャアファル・パナーヒー監督の映画『オフサイド』がヨーロッパの国々で上映される中、自らの任期二度目の政治‐スポーツ行動を発表する。なんとアフマディーネジャードはオフサイドフラッグを下げるよう副審に求めている。と 全文をよむ
2006年4月18日付シャルグ紙1面 【政治部:モハンマド・ジャヴァード・ルーフ】24年の歳月を経て、エッザトッラー・サハービーとベフザード・ナバヴィー両名の会談が行われたことが、昨日公表された。両者はそれぞれ、「国民=宗教(メッリー・マズハビー)派」と「イスラーム左派」を代表する人物である。 このニュースは、サハービー技師がイラン労働通信(ILNA)とのインタビューの中で伝えたものだ。このニュースは決して耳新しいものではなく、ずいぶん前から改革派の政治サークルの間で語られていたも 全文をよむ
2006年3月1日付ハムシャフリー紙 【モハンマド・アリー・ジェダーリー=フォルーギー(弁護士)】約30年前、ある男が妻と子供、そして兄弟を殺害した。当時、犯罪の世界に起きた新たな事象として、司法や犯罪学の専門家らの間で注目を集めたものである。この事件の裁判は、混乱のうちに大法廷で開かれ、何百人もの傍聴人が集まった。私は裁判の中で、何とか罪を逃れようと、狂人であることを装っている被告を目撃した。被告は「法廷の神聖なる御前で(sāhat-e moqaddas)」と言うべきところを、「神聖なる 全文をよむ
2005年12月28日付シャルグ紙27面 〔訳者注:一部事実の誤認・混乱が見られるが、原文をそのまま訳しておいた〕 【サイーデ・イスラーミーイェ】世の中には、第三世界でしか起こらないような事件・事故というものがある。それは、自然災害の場合もあれば、人為災害の場合もある。例えば、オランダでマグニチュード7の地震が起こり、数万人が亡くなったとか、ニュージーランドで1台のバスが事故を起こし10人以上が亡くなったとかいうニュースを聞いたことがあるだろうか? 彼らには神がいるが、我々に 全文をよむ
2005年10月1日シャルグ紙30面 この三年間で100人以上のイラン人がイラクで殺害されている。 その一方で、国境が閉鎖されているにもかかわらず、参詣のためにイラクを訪れるイラン人旅行者が、依然として後を絶たないのが現状だ。在バグダッド・イラン大使館は、このことに関し、「不法な往来が繰り返されている」と指摘している。 同大使館は、イラクへ不法に入国するイラン人旅行者の最新状況に関するシャルグ紙の質問状に対して、次のように回答を寄せている。「この三年間で数十万人ものイラン 全文をよむ
2005年8月1日 ハムシャフリー紙 【ヤーセル・モラーディー】 ここ最近新聞紙上を賑わせている最重要ニュースの一つに、キャッルービー師が正式に《闘う宗教指導者会議》から離脱したことが挙げられる。 1366年〔西暦1987/8年〕の政治的出来事、すなわちメフディー・キャッルービーやセイエド・マフムード・ドアーイー、ジャラーリー・ホメイニーらが《闘う宗教指導者協会》から離脱し、新たにこれらの人物によって《闘う宗教指導者会議》が結成されたことを記憶している人々にとって、このキャッルービ 全文をよむ
2005年6月28日付シャルグ紙1-2面 訳注1:グーチャーニー氏による以下の論考で用いられている「保守派」・「右派」/「改革派」・「左派」ということばは、人権や外交といった領域におけるいわゆる「タカ派」/「ハト派」を指し示しているのではなく、経済政策上の「自由経済派」/「統制経済派」の(大雑把な)対立を主に指していると思われるので、注意ありたい。とはいえ、必ずしもそれだけとは限らないと思われる箇所も多い。 訳注2:ここで用いられている「原理主義者」とは、「イラン・イスラーム革命の《 全文をよむ
5月31日シャルグ紙1面 殉教者モルタザー・モタッハリー師の記念特集号を受けて〔注:シャルグ紙は本年5月21日、モタッハリー師の特集を組んだことを指している。なお、モタッハリー師はシャリーアティーと並んでイスラーム革命の重要なイデオローグで、人権、民主主義、女性の権利など「西洋」の近代的概念についてイスラームの観点から論じ、その後のイラン知識人に大きな影響を与えた。なお、同師は革命直後に暗殺されている〕、同師のご子息であるアリー・モタッハリー氏が本紙の発行責任者に宛てて一通の手紙を寄せた 全文をよむ