「トルコはEUをクスクス笑っている」―独ヴェルト紙
2010年05月08日付 Hurriyet 紙
ドイツのヴェルト紙は、EU諸国が経済危機に苦しんでいるいる一方で、トルコは「クスクス笑っている」と報道した。同紙は、長年にわたり経済的にみてEU加盟の備えができていないという批判にさらされていたトルコが、今日ではEUより高い経済成長率を誇っていると報じた。
現在、EUは、ギリシャを襲った経済危機を、他の国々に波及させることなく乗り越える道を模索している。このような時に、ドイツのヴェルト紙は、「トルコは今日EUよりも高い成長率を誇っている。トルコはある意味でEUにおける経済危機をみて、クスクスと笑っている」と報じた。同紙はトルコが長年、文化的・経済的理由によりEUの門前で待たされていたと指摘し、今、多くのトルコ人が、自分たちの国がEUに加盟していないことを喜んでいると強調した。
■隣国から学ぶこと
同紙では「愛されない隣国から学ぶこと」という見出しの記事が掲載され、「トルコ人たちはギリシャ、ポルトガル、スペイン、下落したユーロを見て笑わずにはいられないでいる。自分たちにも欠点はあるが、決してEU加盟国であるギリシャほどではない。トルコがEUから学ぶのではなく、その逆をした方がいいのではないだろうか」と報じた。
v
■2001年の危機を援助を受けずに乗り越えた
同記事はEUが何年も前からトルコを正式加盟国として認めていない理由として経済的な理由があげられてきたとし、しかし、そのトルコは2001年の経済危機から、ギリシャやポルトガルとは違い誰からの支援も受けず独自の資金で脱出を成功させたと報じた。
■IMFから支援受けず
記事では世界規模で起こった近年の経済危機の後も、トルコが国際通貨基金(IMF)から支援を受けなかったことが報じされ、2050年までにトルコが経済の点でEUの富裕国さえも超えるかもしれないという経済専門家もいると報じた。
■成長率さえ異なる
同紙は、多くのトルコ人が、ギリシャで経済危機が起こった時にトルコがEUに加盟していなかったことを喜んでいるとし、さらに「おそらくトルコは本当にEU向きではない。なぜなら、成長率だけを取ってみても、トルコ政府は2010年に6%を見込んでいる。EUはとてもこれに及ばない」と報じた。
■勤勉で若い
同記事は、トルコが市場で必要とされるものを生産しており、バルカン諸国やロシアにはトルコで生産された電気製品、繊維製品が満ちているとし、トルコ人が自分たちをギリシャ人に比べより勤勉な民族だと考えていること、さらに人口が高齢化していないことなどを報じた
■トルコを見本にすべき
同紙では、世界的に有名な経済学者ヌリエル・ルービニ氏の、ヨーロッパ連合が経済危機から脱するためにはトルコから学ぶべきことがたくさんあるという見解が報じられた。ルービニ氏は次のように述べたという。「トルコは2001年の銀行部門破たん後に取った急進的な決定によって危機を乗り越えることに成功した。EUがこの危機を研究し学んでいたら、今日この経済危機は起こらなかっただろう。」
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:19070 )