デニズ・バイカルCHP党首、辞任!―女性スキャンダル映像問題引責
2010年05月10日付 Radikal 紙
共和人民党(CHP)党首デニズ・バイカルと、同じく共和人民党のアンカラ選出国会議員ネスリン・バイトクの不適切な姿が映っているといわれるビデオ映像がインターネットで流れたことを発端とする衝撃は、なおつづいている。バイカル党首は、記者会見をひらき、CHP党首の辞任を発表した。
バイカル党首は、その辞任会見で、問題の映像は2週間前に「製造」されたものであり、このような陰謀が政府の知らないところでおこなわれているはずはない、と述べた。「この汚れたキャンペーンに降伏することはありえない。この違法で不道徳な陰謀を理由に、誰かがわたしを追求することを、私は決してゆるさない。もし、これを償わなくてはならないなら、その代償がCHP党首からの辞任であるなら、私はそれをいとわない。私のCHP党首職からの辞任は、決して、この陰謀への降伏、あるいは逃亡を意味するものではない。その反対に、これはまさに宣戦布告である。その意味で、今日ここで、CHP党首の辞任を発表する」と述べた。
バイカル党首は、3日間の沈黙を破り、記者団の前に現れて辞任を発表した。バイカル党首が壇上で読みあげた声明文は次の通りである。
「何日も(記者のあなた方が)待っていた、この問題への私の見解と決定を申しあげる。これは、単なるビデオ映像問題ではない。陰謀そのものだ。陰謀とは、違法で不道徳な策略ということだ。陰謀をめぐらし、人の家にしのびこむ、壁や家具の間に隠しカメラをしのばせる。隠しカメラで、人間のもっとも無防備な姿を映像にとる。映像を切り刻み、つなぎあわせ、編集する。このようなことをして、世界のあちこちで、さまざまな宗教を信じ、さまざまな体制のもとで、あらゆる道徳的な保証のもとに生きる普通の人々のプライバシーを侵すのだ。恥や恥辱は、この様な事をする人々にとって意味をもたない。人間の尊厳を一顧だにしない。我々が今目にしている陰謀を実行した人々は、これを、興味本位に、あるいは、金銭目的や恐喝のためにやったのではない。政治的目的のためだ。連中の道徳心や良心にみあった政治のために。この陰謀は、今日の政治的文脈から生まれたものだ。」
■この2週間でのことだ
「(このビデオは数年前の映像だとの声もあるが)何年も寝かされたビデオテープなど存在しない。このビデオは「入手」されたものではなく、「製造」されたものだ。できたての、この2週間の間に生まれた陰謀だ。この陰謀の矛先は、私一人に向けられたものではない。それをはるかに越えて、CHPがほとんど単独で続けてきた「共和国」と民主主義と法の優位をまもる闘争を、(AKPによる)文民クーデターや文民独裁体制に対してCHPが現在行っている闘争を、狙ったものである。この陰謀は、CHPが憲法と体制に対しておこなってきた、最近2週間の闘争のなかで準備され、世にばらまかれたものである。陰謀は、計画そのものも、その材料も、撮影も最近のものであり、できたてのものだ。野党党首という地位にあるものに対する、住居侵入とハイテク技術をつかっておこなわれたこの陰謀が、政府の権力やその手にある手段を駆使せずに実行されたとは考えられない。」
■政府与党が知らないわけがない
最大野党の党首の法的地位とその道徳を冒涜する、これほど野蛮な陰謀の策定が、与党の頂点にいるものの知らないところで、さらにはその承認なしに、この2週間の間に準備され世にだされたとは、とうてい考えられない。事後に示されるうわべだけの善意や、正当化のための見せかけのしぐさ、さらには遺憾の意の表明によって、裏にいる策謀の犯人を隠ぺいすることはできない。最大野党の党首に対する、これほど野蛮で不道徳な行為は、今日の状況を考えれば、政府の知らないところで、さらにはその承認なし行われたとは考えられない。この陰謀を、私を侮辱するために行った人々は、自らの恥をさらしているにほかならない。
この問題で、他に犯人探しをしようとしている人々にヒントを与えるとすると、アメリカ合衆国のペンシルベニアから受け取った遺憾の意と支援のメッセージを私が心のこもったものだと考えていることを、申し述べておきたい。違法で不道徳なこの陰謀を真に受け、「まったく恥ずべきことであるが・・・・」といって始められる論評で私を追求する人々へ、また、(これを利用して)政治の枠組みを変えようとする人々に対し私から申し上げるべきことがある。」 (後略)
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:19081 )