バイカルは辞任会見でなぜフェトフッラー・ギュレンに感謝したのか?
2010年05月10日付 Milliyet 紙
先日記者会見で辞任の意志を表明したデニズ・バイカル共和人民党(CHP)元党首は、(今回のスキャンダルは)政治的陰謀であると主張し、AKP(公正発展党)政権が「犯人」だとした。またバイカル元党首が会見で「アメリカ合衆国のペンシルベニア州から受け取った支援のメッセージには真心がこもっていると考えていると申し述べておきたい」と述べたことが目を引いた。
この発言において、バイカル元党首はAKP政権に責任があるとしつつも、今回の問題にフェトフッラー・ギュレン教団は関わっていないというメッセージを示そうと意図していたと解釈されている。(注1)
■ギュレン教団はどのような反応を示したか?
ザマン紙のコラミストでフェトフッラー・ギュレン氏に近い人物の一人であるヒュセイン・ギュレルジェ氏は、CNNチュルクのインタビューにおいてバイカル元党首の発言を次のように評価した。「私は、バイカル氏はペンシルベニアに関する発言において、すばらしい判断を行ない誠実さを示したと考える。なぜなら彼の党の中には、今回の陰謀について『Fタイプだ』(注2)というような評価をする人たちがいるからだ。そんな中、バイカル氏はこうした全くのデマを否定し、大変誠実に振る舞った。彼には大変感謝している。政府を名指ししたことで首相の肩に大きな責任を背負わせたと思う。できるだけ早くこの陰謀の首謀者を突きとめる必要がある。そうしなければ様々な憶測が社会の両極化をより促進させてしまうだろう。政府によって(陰謀が)なされたとの発言はとても厳しい非難である。首相もすぐに会見するだろう。今後CHPとトルコ左派は、今まで以上に急な動きを示すことだろう」
注1:ペンシルベニアにはフェトフッラー・ギュレン氏の別荘があり、そこに居住している。
注2:「フェトフッラー型」ということで、ギュレン教団関係を意味する隠語。
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:19086 )