アフマディーネジャード「制裁のことなど心配していない」:米PBSとのインタビューで(下)
2010年05月05日付 Mardomsalari 紙

アフマディーネジャード大統領は、イランとIAEAの協力に関する質問に対して、「イランの全ての原子力施設は、IAEAの監視下にある。しかし、アメリカの施設はひとつでもIAEAの監視下にあるだろうか?」と答えた。

 同大統領は更に、以下のように述べた。「イランは、世界の軍縮を歓迎しており、また原子爆弾に反対であることを、はっきりと表明している。もちろん、核の平和利用についての自身の法的義務も果たしている。われわれは核の平和利用を自身の法的権利であると見なしており、軍縮についても、その方法を提示する用意がある」。

 アフマディーネジャード大統領はまた、次のように語った。「〔核〕爆弾を保有し、それを使ったことのある国が危険ではなく、その一方で、それを保有していない国が〔核〕爆弾保有へと動く可能性があるなどと一部から主張され、その危険性が指摘されているが、そのような理屈がどうして〔正当で〕あり得ようか。このような主張を国際社会は認めない」。

 同氏は以下のように指摘した。「アメリカは一万発もの核爆弾を保有している。そのようなアメリカと、将来的に〔核〕爆弾を1発作れる可能性があるなどと指摘されているイランの、どちらが危険だろうか?これらの議論が政治的であるのは明らかである。本当に危険なのは、現在核爆弾を保有しているあの国であることは、明々白々だ」。

 大統領は「当然のことながら、国際社会はアメリカとその同盟国のことだけを指すのではないということに、注意を払わなければならない。非同盟諸国や、その他さまざまな地域的ないしは国際的なグループは、イランの平和的な核計画を支持している」と指摘し、更に「イランは核爆弾を作ろうとは思わない。これは我々の宗教、信仰に関わることである」と述べた。

 大統領は続けて、アメリカの影響がIAEAに浸透していると指摘し、「IAEAはアメリカ政府の圧力下に置かれている。アメリカにおける核爆弾の存在とその危険性について、一つの報告書も今まで出されたことがないのは、まさにこのことが原因なのである」と語った。

〔中略〕

 大統領はまた「オバマ氏は、自国と世界との関係を修正することのできる、アメリカにとっておそらく最後の歴史的チャンスだろう」と述べ、「私たちは多くのチャンスをオバマ氏に与えてきた。しかし、イランと協力する代わりに、イランに対して敵対的な決議を出す方向へとオバマ氏を引きずり込まんと欲している集団がいるようだ」と指摘した。

 アフマディーネジャード大統領は加えて以下のように語った。「オバマ氏は『チェンジ』というスローガンをもって政権を握った。ブッシュ時代と酷似した状況に陥った結果、一瞬にして、事実上、自らの時代は終わりを告げ、破綻したということに、オバマ氏は気付かねばならない」。

 大統領は、オバマ氏であれ、どんな国であれ、イランに打撃を与えることなど出来はしないと強調して、次のように述べた。「イラン国民は、対立を歓迎していない。一方で同時に、アメリカによる30年来の制裁には慣れている。別の言い方をすれば、我々は制裁を危惧していない。なぜなら、基本的に制裁を科すことなど不可能だからだ。自由貿易の世界では、制裁は意味を成さないのだ」。

 同氏は、イラン国民は対立を歓迎しておらず、それを不名誉なことであると考えていると強調し、「イラン国民は平和と友好、正義に満ちた世界を希求している」と述べ、「私達はオバマ氏の〔大統領〕就任を歓迎した。もし『チェンジ』を実現したいのであれば、お手伝いするとも述べた」と語った。

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( 翻訳者:曽田茜 )
( 記事ID:19139 )