シリア・ロシア首脳会談、中東和平プロセスの促進を訴え
2010年05月11日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ アサド、メドベージェフ両大統領が公正な和平の必要性を主張、危険な緊張状態に警告

2010年05月11日付『クドゥス・アラビー』(イギリス)HP1面

【ダマスカス】

 シリアのバッシャール・アル=アサド大統領とロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領は火曜日、中東における公正で包括的な和平実現の必要性を強調し、地域の危険な緊張状態について警告しつつ、イランには平和的な核エネルギー開発の権利があると強調した。

 シリアの首都ダマスカスを月曜日から訪問しているメドベージェフ大統領とアサド大統領の会談の後に発表された共同声明において双方は、「関連する国連安保理決議および国連総会決議に基づいて、占領下のシリア領ゴラン高原とその他のアラブ被占領地から1967年6月4日の境界線までイスラエルを撤退させ、生存可能なパレスチナ独立国家を樹立し、パレスチナ難民問題を解決することによってアラブ・イスラエル紛争を解決する」ことを政治的協議の最優先課題に掲げていると表明した。

 また双方は、中東でイスラエルの占領が継続していることが最大の原因となって危険な緊張状態が広がっていることに対して深い懸念を表し、イスラエルの入植政策や、東エルサレムを含めたアラブ被占領地におけるあらゆる一方的行為を非難した。

 また、マドリード会議の合意事項や土地と和平の交換の原則およびアラブ和平提案も含めた国際的な取り決めを拠り所とする公正で包括的な和平の実現のために和平プロセスの再開を呼びかけ、中東地域におけるその他の諸問題の解決を訴えた。

 声明は国際社会の安定と安全の強化と、大量破壊兵器およびその運搬手段の拡散の防止、宇宙への拡散防止に向けた両国の協力を謳い、核物質の拡散や非政府勢力への流出の危険性といった現代の問題は、核兵器拡散防止条約に基づいて除去せねばならないと主張している。

(後略)

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( 翻訳者:松屋直子 )
( 記事ID:19154 )