「巡礼許可証、買います」。この記事が掲載された同じジャーメ・ジャム紙の19面(事件面)にほぼ毎日掲載されている、巡礼許可証買い取りの広告
メッカ巡礼・小巡礼の許可証〔※〕を莫大な金額で売買している、カネの亡者である仲介業者らの存在について、本紙はこれまで何度も報告してきた。しかし、こうした仲介業者らが自由に活動を続けている現状から分かるのは、この問題についてのマスコミの暴露にもかかわらず、司法や治安、そして巡礼参詣庁の関係者らが、いまだ彼らへの徹底した取締りに首尾よい成果を挙げられずにいる、という事実である。巡礼という宗教的義務は、貪欲な業者らの目の前に饗されたご馳走に様変わりしているのだ。
〔※巡礼では、イスラーム世界各地から膨大な数のイスラーム教徒がメッカに押し寄せるため、各国には派遣可能な巡礼者の数があらかじめ決められている。イランでは、巡礼希望者は巡礼参詣庁に巡礼許可願いを提出し、許可の順番が回ってくるのを待たねばならない〕
メッカへの旅を希望する人の数は極めて多く、〔巡礼月だけでなく〕年間を通してこの旅に出かける人々は、それまでに長い時間を待たねばならない。カネの亡者たちが毎年、巡礼や小巡礼の許可証を売買することによって、〔巡礼希望者一人につき〕数百万トマーン(数十万円)もの利益を荒稼ぎしている背景には、こうした要因が存在するのである。その一方で、こうした業者を訴える巡礼参詣庁の書類が、同庁の法務課には山積みになっている。
メフル通信はこの問題について、巡礼参詣庁長官の言葉として、次のように報じている。「許可証は違法に売買されている。何度も市民の皆様に申し上げていることだが、非正規の業者に引っかからないためにも、巡礼は正規の方法で登録し、〔登録に関しては〕巡礼参詣庁管轄の事務所に問い合わせをしていただきたい」。
アリー・リヤーリー氏によると、仲介業者らはでたらめな価格設定で、人々の感情や信仰心を悪用しようとしている。巡礼許可証に付けられている価格には何の根拠もなく、仲介業者らの好きなように付けられている、という。
つづく
つづきを読む
関連記事(イラクを訪問するイラン人参詣者の悲惨な実態)
( 翻訳者:尾曲李香 )
( 記事ID:19161 )