国民投票日程決まる―80年9.12クーデターへの復讐は2010年9.12
2010年05月14日付 Radikal 紙
80年クーデターの実行者達に対し司法の道を開くことになる憲法改正は、クーデターの30周年記念日に国民投票にふされる。共和人民党は、改正中止をもとめ今日憲法裁判所に提訴する。
高等選挙委員会(YSK)は、政府がかろうじてトルコ国民議会を通過させた憲法改正法案の国民投票日時を2010年9月12日日曜日にすると発表した。憲法の暫定15条を変更し、80年クーデター(1980.9.12)の実行者達に対し司法の道をひらくことになるこの憲法改正は、80年クーデターの30周年記念日に国民投票に付される。
共和人民党は今日、憲法裁判所に提訴し、裁判官・検察官高等委員会と憲法裁判所の機構を変更する条項の却下を求める。憲法裁判所がこの2つの条項と改正法案にある関連条項を棄却した場合には、共和人民党も支持した「権利と自由に関する条項」のみが国民投票において問われることになる。しかし憲法裁判所が関連法を「手続き」の面から棄却した場合、改正法案はすべて却下される可能性もある。
憲法改正案を準備した公正発展党は、2010年3月9日に、「憲法改正国民投票法」の改正を行った。トルコ大国民議会で可決されたこの「憲法改正国民投票法」の改正によって、これまで120日だった国民投票までの期間が60日に縮小された。しかし、憲法の規則により、選挙に関する法律の改正は、(法律成立後)1年後に行われる選挙で初めて実施されるものであるので、この国民投票期間(を60日にする法が今回適応されるかどうか)が議論の対象となっていた。
■決定は全員一致で決まった
アブドゥッラー・ギュル大統領は一昨日憲法改正法案を承認し、国民投票にむけて首相府に送った。その結果、憲法改正案は昨日、官報に記載された。これを受けて高等選挙委員会が開催され、国民投票の日付を発表した。高等選挙委員会副委員長のクルダル・オズソイル氏は、3月9日の「憲法改正国民投票法」における変更によって国民投票の期間が120日から60日に短縮されたことに言及し、しかしこの改正は選挙に関する法という性格を持っているため、一年以内の選挙には適応されえないという決定を下したことを明らかにした。オズソイル氏は括「『トルコ共和国憲法一部条項変更法』が国民投票に付されるために必要な期間については、憲法の第175条と第33条の項に従い、変更以前の法に基づきその変更以前の内容が適応され。よって、国民投票までの期間は120日とされ、高等選挙委員会はは同投票が2010年9月12日月曜に行われることを決定した。この決定は全員賛成で決まった。これに関連し詳細な国民選挙のやり方に関する決定は現在委員会によって準備されており、そこでの決定を、選挙日程と一緒に、いずれ皆様にお知らせします。」と述べた。
共和民主党は高等選挙委員会が国民投票までの期間を120日と定めたことを歓迎し、本日、憲法裁判所に対し、憲法改正法案の棄却のための提訴を行う。トルコ大国民議会内で記者団の質問に答えて共和民主党会派副代表のハック・スハー・オカイ氏は、今日、無所属のリゼ県選出国会議員メスート・ユルマズ氏の署名を含む11名の国会議員の署名により、憲法裁判所に提訴すると述べた。(中略)
■憲法裁判所決定の3つの可能性
オカイ議員は、共和人民党が求めているのは、裁判官検察官高等委員会と憲法裁判所の機構改造に関する条項およびその関連条項の棄却と執行停止だが、手続き上の不備を理由に棄却を求めるため、憲法改正法案全体に対し棄却という決定が出るかもしれないと述べた。憲法裁判所が出す決定には次の可能性がある。
(1)憲法裁判所が共和人民党による「手続き」の点での申し立てをとりあげ、棄却の決定をした場合、憲法改正法案は全体として棄却される。
(2)憲法裁判所は、憲法裁判所と裁判官検察官高等委員会に関する憲法改正案が、憲法の「変更不可」条項規定に抵触するとして棄却する場合には、それ以外の条項のみが国民投票に付される。
(3)憲法裁判所の3つ目の選択肢は、共和人民党の提訴を棄却するという可能性である。
■国民投票の日程はどうなる?
2010年9月12日に行われる憲法改正国民投票は次のように行われる。
・120日規定―憲法改正に関する国民投票は、関連する憲法改正法案が官報に掲載されてから120日後の最初の日曜日に実施される。
・国民投票の手続きは、高等選挙委員会の指揮・監督のもと、選挙法にもとづき実施される。
・投票用紙―国民投票では、白地に「はい(EVET)」、茶色の地に「いいえ(HAYIR)」と書かれた二色の、つながった投票用紙が用いられる。投票者は、特別な記号の書かれた印を、投票用紙の選択した側に押す。
・国民への宣伝活動―憲法改正についての国民への説明に関しては、298号法の「選挙活動の自由」の関する規定が投票日の7日前から適応される。憲法改正を説明し紹介する目的での宣伝活動は、特別法の規定に従い、国会に会派をもつ政党と大統領により、国民投票の7日前から投票日の前日の夕方6時までの間、ラジオやテレビを通じ、以下の規定に従って実施される。、
*国会に会派をもつ政党による10分間の演説
*与党および連立の与党側政党に対しては10分1回づつ、複数の与党側政党のうち最も大きな政党に対して10分の追加演説。
*憲法改正に関する法律が官報に掲載されたのちは、TRT(トルコ国営放送)で、国会に会派をもつ政党と政府以外は、この件に関する放送を行うことができない。
・棄権者には罰金―選挙権をもち投票者リストに名前が載っており、投票する要件をそなえた国民は、投票に参加しなくてはならない。国外にいる有権者は40日前から投票をすることができる。投票権をもち、投票する要件をそなえているものが、法的または実際上の問題がないにもかかわらず棄権した場合には、郡の選挙管理委員会委員長により、12.5リラの罰金が科される。
・51%の賛成票が必要―県選挙委員会は、郡の選挙委員会からの報告を集計する。県単位の集計結果は、もっとも迅速な手段で高等選挙委員会に通知される。有効票の過半数が「はい(EVET)」の場合、憲法改正は承認されたことになる。
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( 翻訳者:榎本有紗・山本涼子 )
( 記事ID:19168 )