ラフシャン・エジェヴィトも祝福―新党首選出のCHP党大会風景
2010年05月22日付 Milliyet 紙
共和人民党(CHP)イスタンブル選出議員ケマル・クルチダルオールは、CHP事務局長オンデル・サヴ他1200人の署名により党首候補となった。候補者応募期間の締め切りが近づく中、クルチダルオールの他に候補者は出なかった。
党大会が行われたアタテュルク・スポーツセンターで、クルチダルオールは10周年行進曲と「ようこそ静かなる力」「ようこそ国民の候補」というアナウンスで迎えられた。
民主左派人民党(DSHP)党首のラフシャン・エジェヴィトが党大会の行われた会場に入るとき、間違ったアナウンスが流れた。CHP党員は、入り口の混雑から党首候補ケマル・クルチダルオールが来たと勘違いし、間違って「ようこそ」や「ようこそ国民の候補」とアナウンスを行った。ラフシャン・エジェヴィトが来たことがわかると、アナウンスを訂正した。
■ラフシャン・エジェヴィトのそばに行った
クルチダルオールは、演説の前にラフシャン・エジェヴィトのそばに行き、党大会で彼女に会うことができて嬉しいと述べ、「彼女の支持は私にとって、とても大切です」と言った。ラフシャン・エジェヴィトも、クルチダルオールを信じ、信頼していると発言し、(クルチダルオールの)成功を祈った。その後クルチダルオールとエジェヴィトは握手した。
この間、クルチダルオールが党首候補として承認されるために、代表者らは規則に従って党大会運営委員会の前で署名をする作業を終えた。その後、大会運営委員会からクルチダルオールが1246人の署名によって党首候補となったことが発表された。発表の後、クルチダルオールは演説をするために演壇へ向かった。
■ラフシャン・エジェヴィトに大きな関心
エジェヴィトが会場に入るとき、前首相ビュレント・エジェヴィトの映像と「潰しも潰されもしない、国民の秩序」という文がスクリーンに映し出された。ラフシャン・エジェヴィトは、会場に入る際に新聞記者に対して会見を行い、「今日のこの党大会はとても重要な大会、それはわかっています」と述べた。同時にエジェヴィトは、ゾングルダクで炭鉱労働者が亡くなったことのほうがこれよりよほど深刻な状況にあると発言し、「炭鉱労働者の死は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が言った運命という言葉では片付けられません。事故でもなんでもなく、あれはひとつの殺人です。30人が、殺人の結果、命を落としたのです」と話した。「ご自身の党を解散させて、CHP党員になるのですか」という質問に対しては、「今日大切なのは、この党大会です。これが終わってから、恐らく何かを考えることになるでしょう」と答えた。党大会を、トルコ革命労働組合連盟(DISK)のスレイマン・チェレビ会長、最高裁判所名誉共和国首席検事ヴラル・サヴァシ氏、エディプ・アクバイラム、ヤヴズ・ビンギョル、アリフ・サーなどの各アーティスト、無所属アンカラ選出議員エムレハン・ハルジュ、無所属トゥンジェリ選出議員カメル・ゲンチも見守っている。
■エジェヴィトのようなキャスケット帽をかぶった
クルチダルオールは、70分の演説の後、ビュレント・エジェヴィトと同じようなキャスケット帽をかぶって、会場にいる人々に挨拶をした。
ケマル・クルチダルオールは、その後CHP会派副代表ハック・スュハ・オカイと共に会場を後にし、帰路に着いた。クルチダルオール夫人・セルヴィ・クルチダルオールも、違う車でアタテュルク・スポーツセンターを去った。
■統一の風
CHP第33回通常党大会においてラフシャン・エジェヴィトの支持が明らかになったことにより、統一の風が吹いた。CHPマニサ選出議員シャーヒン・メンギュはエジェヴィトの言葉を、「素晴らしいです。統一のプロセスが始まりました。裏切り者以外は皆戻ってくるでしょう。党大会の後、統一という扉が開かれるでしょう」と言って評価した。CHPムーラ選出議員ギュロル・エルギンも、党大会に満足していると言い、「恐らくここ30年間、このようなことはなかったように思います。信じられないほどたくさんの愛が溢れています。統一の扉も開かれました」と話した。CHPイスタンブル選出議員ビルギン・ケレシも、わくわくするような党大会になるだろうと言い、「我々の党首は辱めを受けました。彼も大きな自己犠牲を払って辞任しました。彼は決定された党首候補を支持すると言っていました」と述べた。ケレシは、この党大会によって左派に統一の扉が開かれたとのメッセージを伝え、「社会民主主義は分裂し、決別しました。しかしこれは誤りなのです。」と話した。
■バイカルの写真が置かれた
CHP第33回通常党大会が、アタテュルクスポーツセンターで行われている。党大会には、前CHP党首デニズ・バイカルは参加せず、写真だけが置かれた。党大会では、約20分後に党首候補ケマル・クルチダルオールとオンデル・サヴが会場に入ります、というアナウンスがされた。CHPの第33回通常党大会のため、代表者や党員は朝早くからアタテュルクスポーツセンターに来た。党大会は大混雑し、会場には3つのスクリーンが設けられた。
会場には、「主導者はケマル、目的は政権」「トルコが首相を選ぶ」「トルコの希望、ケマル・クルチダルオール」「我らがひれ伏すことのない頭、黙することのない口、捻り上げられることのない手首、ケマル・クルチダルオール」「CHPは侵入不可なトルコの城壁である」「信じている、信頼している、愛している」などのプラカードが掲げられた。会場には、「国において高潔な者たちは、少なくとも卑劣な者たちほどには勇敢であらねばならない。」というイスメト・イノニュの言葉が書かれたプラカードも見られた。会場はケマル・クルチダルオールの写真でいっぱいだったが、前CHP党首デニズ・バイカルのポスターもあった。
CHP第33回通常党大会では、「首相ケマル」「我々の希望、クルチダルオール」のスローガンが響き渡った。
党大会が行われたアタテュルク・スポーツセンターの中は簡素に準備され、会場は赤白で統一された。党大会場には3つのスクリーンが設けられ、会場の様子を映し出した。演壇の上方にはトルコ国旗、アタテュルクの肖像画、CHPの党旗、デニズ・バイカルの写真が飾られた。また演壇の向かいに位置する正面部分にも、ケマル・クルチダルオールの大きな写真が2枚と、「CHPは侵入不可なトルコの城壁である」と書かれたプラカードが掲げられた。会場の他の部分には、第2代大統領イスメト・イノニュの写真と、「国において高潔な者たちは、少なくとも卑劣な者たちほどには勇敢であらねばならない。」という彼の言葉が掲げられた。会場には他にも、「信じている、信頼している、愛している、ケマル・クルチダルオール」「カスムパシャは退け、キャーウトハネよ来い」「主導者はケマル、目的は政権」「トルコが首相を選ぶ」「国民の希望、ケマル・クルチダルオール」などのプラカードが見られた。CHP党員は、頻繁に、「首相、ケマル」「トルコの希望、クルチダルオール」「時は来たる、運命は巡る、AKPは国民に対し責任をとるであろう」などのスローガンを叫んだ。
■アナウンスはまたもやセヴィゲンが行った
前CHP党首デニズ・バイカルに党大会や地方出張で常に付き添っており、アナウンスを行っていた、CHPイスタンブル選出議員メフメト・セヴィゲンは、クルチダルオールをもほっておくことはしなかった。CHP党大会で、セヴィゲンがまたアナウンスをした。セヴィゲンは、クルチダルオールが会場に入るとき、「ようこそ国民の候補、ようこそ静かなる力」とアナウンスをし、CHP事務局長オンデル・サヴに対しても、「ようこそ常に組織と共にある事務局長」という言葉を用いた。
会場では、エディプ・アクバイラム、キャーズム・コユンジュ、サバハト・アクキラズの曲の他に、主に民族音楽が流れていた。クルチダルオールが会場に来る前には、エディプ・アクバイラムの曲と、アイテン・アルプマンの「特別なわが故郷」が流れた。党首候補ケマル・クルチダルオールが会場に入るときは、10周年行進曲が流れた。アリフ・サー、ヤヴズ・ビンギョルなどのアーティストも、CHP党大会に参加した。
■ラフシャン・エジェヴィトとゲンチに大きな関心
CHP党大会が行われたアタテュルク・スポーツセンターでは、ところどころ混雑がみられた。国会議員、党議会議員、中央執行部、それに新聞記者以外はメイン会場に入れないことを聞かされたのも関わらず、代表者及び他のCHP党員が観客席ではなくメイン会場に入り、大混雑の原因となった。混雑によって、新聞記者が記事を書くための机のいくつかは壊れ、新聞記者の中にはところどころで押し潰されそうになる者もいた。
DSHP党首ラフシャン・エジェヴィトに、CHP党員の関心が集まった。エジェヴィトが会場に入ると、CHP党員から大きな拍手で迎えられた。
党大会で最も大きな拍手をあびたのは、トゥンジェリ選出無所属議員カメル・ゲンチであった。
党大会の代表者の中で最年少の「アンカラ青年支部」支部長ウムト・トゥンチは、この党大会が政権への一歩となったと述べた。
■ノーネクタイで参加
会場では、クルチダルオールのために作られた「クルチダルが来る、クルチダルが来る、潔くて正直なお方」という曲が頻繁に流れていた。
クルチダルオールは、演説の後手を胸に当てて挨拶した。
クルチダルオールがノーネクタイであったことは参加者の目を引いた。
クルチダルオールは唯一の候補者として党大会に臨み、演説の中では主に選挙の話をした。クルチダルオールは選挙に関して党員に約束をした。クルチダルオールは定年退職者から労働者まで、商工業者や社会におけるその他の階級にまで、多くの人々に対して意味のあるメッセージを語った。
クルチダルオールの演説は短くなると予想されていた。しかし、クルチダルオールは原稿に書かれていること以外にアドリブで話し、1時間15分もの演説となった。
統一を呼びかけるクルチダルオールの批判対象として、AKPがあった。クルチダルオールは首相のことを頻繁に「レジェプ・ベイ(レジェプさん)」と表現した。
クルチダルオールは、会場で自身用に設けられた場所には座らず、代表者らと一緒に座った。クルチダルオールに、オンデル・サヴ、ギュルセル・テキン、ハック・スュハ・オカイなどが終始付き添っていた。
■クルチダルオールの最初のメッセージ:「責任を自覚している」
CHP党首ケマル・クルチダルオールは、投票結果の公開の後、演壇に上り謝辞を述べた。
クルチダルオールは代表者に謝辞を述べ、「ムスタファ・ケマルの、イスメト・イノニュの、ビュレント・エジェヴィトの、デニズ・バイカルの椅子に座ることになります。この椅子に座ることが意味する責任を理解しています。この椅子に座った者は、国民のために精を尽くしました。これをわかっています。我々の任務は、今始まりました。皆で共に、この任務を行わなければなりません。政権というレースの立役者は貴方がたです。この任務を自覚し、責任を感じ、皆様に感謝します」と話した。
■バイカルからクルチダルオールへ祝辞
前CHP党首デニズ・バイカルは、CHP党首に選出されたケマル・クルチダルオールに電話をし、彼を祝った。
■アブドゥッラー・ギュル大統領からクルチダルオールへ祝辞
アブドゥッラー・ギュル大統領は、CHP党首に選出されたケマル・クルチダルオールを祝った。
大統領府メディアセンターで行われた会見によれば、ギュル大統領はCHP第33回通常党大会で党首に選ばれたクルチダルオールに祝いの電報を送った。
■トルコ大国民議会(TBMM)シャーヒン議長からクルチダルオールへ祝辞
TBMM議長メフメト・アリ・シャーヒンは、CHP党首に選ばれたケマル・クルチダルオールを祝った。
シャーヒン議長は、CHP第33回通常党大会で党首に選出されたクルチダルオールに祝いのメッセージを送った。シャーヒン議長が送ったメッセージは以下のものである。
「CHP第33回通常議会の結果、貴方が党首に選ばれたことをお祝いいたします。トルコの政治において重要な地位にあるCHPが、貴方の指導のもと、わが国とわが民主主義に貢献してくださるものと信じております。ここに、党首としての任務における成功と、新たな執行部が貴党に幸運をもたらすことを祈っております。」
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( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:19197 )