エジプト、ナイル川水資源問題への対処に諜報機関を活用へ
2010年05月19日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ アメリカとイスラエルの技術がエチオピア初のダム建設に貢献
■ エジプト、ナイル川水源でのダム建設を妨害するため“秘密の戦争”に打って出る
2010年5月19日付『クドゥス・アラビー』(イギリス)HP1面
【ロンドン:本紙ハーリド・アル=シャーミー記者】
エジプトがナイルの水資源に対する同国の“歴史的な取り分”を守るために、“秘密の戦争”に打って出た。アフリカ諸国による集中的な外交調停に加えて、エジプトのコプト正教会もエチオピア政府やエチオピア正教会*との仲裁を試みたが、すべて失敗に終わったためである。これらの調停は、エチオピアが先週の金曜日にウガンダのエンテベでウガンダ、タンザニア、ルワンダの各国と調印したナイル川流域諸国間協力のための法的枠組みに関する合意の実施を阻むために続けられていた。*[訳注:1959年に独立教会になるまでエチオピア正教会は長年コプト正教会の一部であり、現在でも関係が深いことから、原文では『エジプトの教会の傘下にあるエチオピア国内のコプト教会』と記述されている]
そして実際にエチオピアは、ナイル川全体の水量の85%を提供している青ナイル川でのダム建設に2日前に着手した。エチオピアは向こう10年間で数十基のダムを建設する計画だと報じられている。
消息筋によれば、これまでエジプト外務省および水資源・灌漑省が、ナイル川の水源を有する国々との間で相互理解を得ることに失敗してきたことを受けて、オマル・スライマーン情報長官が指揮を執るエジプトの国家治安機関[=諜報機関]が、ナイル川の水資源問題を担当することになった。
(後略)
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( 翻訳者:大橋泰斗 )
( 記事ID:19234 )