麻薬撲滅本部事務局長代理「覚せい剤を使うと痩せるというのは誤った迷信」
2010年05月20日付 Mardomsalari 紙

麻薬撲滅本部事務局長代理は、女性用美容院で覚せい剤が出回っており、減量のためと称して女性がこの物質〔=覚せい剤〕にはしる傾向があると指摘した。同氏はさらに、この誤った迷信は美容師たちが勝手に作ったものにすぎないとして、「最近、こうした迷信が女性たちの間で急速に広まっている。女性たちにこの物質を使用する傾向が多くみられるのは、こうしたことが原因なのだ」と述べた。

 ターハー・ターヘリー氏はイラン学生通信とのインタビューの中で、この物質(覚せい剤)には中毒性がないという不適切な考えを否定して、次のように付け加えた。「数回覚せい剤を使用すれば、女性の体重は減るかも知れない。しかし4〜5回の使用しただけで、この物質の中毒になってしまう。確かにやせるかもしれないが、同時に覚せい剤中毒になってしまうのだ」。

 同氏は続けて、阿片やヘロインのような伝統的な麻薬とは異なり、覚せい剤のような麻薬から生じる依存から抜け出すのはきわめて困難であると女性たちに警告して、次のように続けた。「麻薬撲滅センターは治療方法の確立に全力を傾けているが、実際にはこの分野でいまだ成功を収めてはいない。覚せい剤の治療に成功していると断言できるような状況にはないのである」。

 ターヘリー氏はまた、覚せい剤の使用に関して人々の中に存在する誤った迷信についても、次のように述べている。「夫婦関係の問題〔の解決〕、集中力の向上、幸福感の創出、そしてテストの日の徹夜などに役立つとして、他人に覚せい剤を勧める人がいるが、覚せい剤の使用は中毒をもたらすということをきちんと認識していただきたい」。

 同氏は覚せい剤の使用が社会全体にもたらす危険について、「家庭内での凶悪犯罪、重大な自動車事故、暴力沙汰に発展した諍いなど、87年から88年〔西暦2008年〜2009年〕にかけて発生した暴力犯罪の大部分について、係争者のどちらか一方が覚せい剤を使用していたことが、調査の結果分かっている。また、多くの家庭崩壊の原因も、覚せい剤がらみであった」と明言した。

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( 翻訳者:石井健介 )
( 記事ID:19236 )