イラクで移送中の勾留者7人が窒息死、人権省が徹底捜査を宣言
2010年05月17日付 al-Sabah al-Jadid紙

■ イラクで別の拘置所へ移送中に勾留者7人が窒息死、他15人が衰弱

2010年05月17日『サバーフ・ジャディード』

【バグダード:『シュメール・ニューズ』】

 イラク法務省幹部筋が16日に明らかにしたところによると、国防省管轄の拘置所から内務省内の捜査機関へイラク人勾留者を移送中、窒息による死傷者が生じる事件が発生した。ウィジュダン・ミハイル人権相は、「移送時に勾留者が死亡した原因については、あらゆる可能性があり得る」と述べ、「勾留者7人の死亡の背後に知られざる勢力が存在する可能性」を指摘した。

 同筋は、「先週水曜日に行われた(アンバール州)タージーにある軍キャンプからの勾留者の移送は、彼らの安全を確保し移送の手はずを整えてそれを担当したイラク国防省と、彼らの移送先である内務省、厳密には同省所属の捜査機関との調整の下で行われた」と述べている。

 同筋は匿名を条件に次のように明らかにした。「170人の勾留者が2つのグループに分けられ、一方はバグダード市カルフ地区の捜査機関へ、もう一方は同市ラサーファ地区へ移送された」。「前者の勾留者グループはきちんと段取りが組まれ設備が整った車両で無事に到着したが、後者のグループには祖末な設備しかなく、勾留者らは積載限度を大幅に超えて詰め込まれ、窒息死する事態となった」。

 すでにイラク警察の治安担当幹部筋も、拘置所から別の拘置所への移送中に7人のイラク勾留者が窒息死し、他15人が激しい呼吸困難と衰弱に陥ったことを明らかにし、この事件の調査委員会が首相府の指示で設置されたと述べた。

 また同筋は、「勾留者を移送していた部隊は、法務省の拘置所保安部の傘下にある。この部隊が捜査委員会の拘置所に到着し2台のトラックを開けた際、22人の勾留者が衰弱し失神しているのが発見されたが、彼らには窒息の症状が見られた」と説明し、「部隊は治療のために彼らを複数の病院へ搬送したが、その中のひとつであるバグダード中心部バーブ・アル=シャルキー地区の神経病院に到着した直後に、7人が死亡した」と述べた。

 この件について法務省筋は、「法務省と保健省は、勾留者の移送やその方法に関しては何ら関与していなかった。というのも、このような案件に関して両省はそのやり方に首を突っ込むことはないからである」と述べつつ、「彼らは皆、テロ法第4条により勾留中、つまり判決を未だに受けていない状態にあった」と釈明した。

 人権省は、タージーの拘置所からタスフィーラートの拘置所への移送中に勾留者7人が死亡したこの事件は「意図的」なものだったと推測しており、勾留者を死亡させた真犯人にまで捜査の手が及び、イラクの法律に基づいて裁判に引き出す必要があると強調した。

 ミハイル人権相は、「7人の勾留者が移送の間に死亡した原因については、あらゆる可能性があり得る」と述べ、「今回の事件の背後に知られざる勢力が存在する可能性」を指摘した。

 また同相は、「タージー拘置所からタスフィーラート拘置所への移送は勾留者についての情報を確認するためだった」と説明し、「証拠がない場合は彼らの一部は釈放される見込みであった」と明らかにした。

 加えて、「検察側が現在行っている捜査、ならびに勾留者の移送を担当した国防省側が指揮する捜査によって、当該事件の真相はイラク国民の前に明らかにされるであろう」と述べ、「検察や最高司法評議会による捜査と並行して、人権省もイラクの収監施設で発生する全ての死亡事件に真剣に対応する」とも明言した。

 さらに、「勾留者7人が死亡した事件の捜査は、遺体を解剖し、勾留者の移送を監督していた警備員からより高位の関係各方面に至るまで現場目撃者から証言を集めることにより、徹底した捜査となる」と強調した。

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(翻訳者:森本詩子)
(記事ID:19301)