トルコとアゼルバイジャンの間で長期にわたって続いていた天然ガス輸入交渉に決着がついた。両国は3種類の天然ガス議定書にそれぞれ調印し、これにより2年近く続いた天然ガス価格危機が解消された。
一連の議定書に関して発表したタネル・ユルドュズエネルギー相は、3種からなる基本議定書について合意が得られたと述べた。アゼルバイジャン産天然ガスはトルコにとって非常に重要であると話すユルドュズエネルギー相は、次のように話した。
「これまで長期にわたって行ってきた会談の結果、必要な合意を得ることができた。まず、シャーデニズガス田第一期計画において2008年4月15日付で発効しているアゼル産天然ガスの価格が改定された。ただし、この価格に関する情報は現時点では控える。2つめに、シャーデニズガス田第二期計画について。2016年から2017年の間に始動することになる。価格および供給量に関する点については合意を得た。3つめは、通過料金に関するものである。この合意には、トルコ大手の石油会社ペトキムを所有するアゼルバイジャンが、今後設立するアゼルバイジャン系企業を通じてペトキムにガスを供給することも盛り込まれている」
■価格は値上げ、しかし国民には影響せず
アゼルバイジャンとの調印により、2008年以降これまで続いていた問題も解決にいたった。問題の根本は、2006年になされた協定の枠組みにおいて、双方が市場価格において発生した変動に対し価格を新たに調整する権利があったことだった。価格の高騰についてアゼルバイジャンは拍車をかけることを求めていた。
今日調印された協定では、トルコは今回の値上げと2008年4月以降適用されてきた価格との差額を負担することに合意した。両国のエネルギー相は、合意された価格を発表しなかった。しかし、ユルドュズ大臣は、値上げは消費者には影響しない旨を明らかにした。
ただし、関係者によれば、今回合意された価格はロシア産天然ガスの輸入価格を下回るという。トルコは現在、ロシアからの天然ガスに1000立方メートルあたり330ドル(約3万円)支払っている。
タネル・ユルドュズエネルギー大臣も、天然ガスの輸入コストを下げるため、ロシア、アゼルバイジャン双方で様々な働きかけが行われていると述べた。
2つめの合意においては、シャーデニズガス田で生産されるガスが、トルコに販売され、トルコからヨーロッパに輸出されることの詳細が決定された。
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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:19347 )