長年の友好関係をもつトルコとアメリカに新たに対立が起きた;
今回の件はイランについて。アメリカがイランに新たな制裁決議を主張している中で、トルコはイランとのウラン交換合意というサプライズを行い、国連安全保障理事会でアメリカ政府が支持した制裁決議に対しては、「反対である」と投票した。これに加えて、トルコとイスラエル間の緊張と、アメリカがこの緊張下でイスラエル支持を示したことも含まれる。
では、これからどうなるのか?
アンカラとワシントンの関係は「修復不可能」なほど傷ついたのか?さもなければこの緊張は再び修復できるぐらいのレベルなのだろうか?この重大な問題に対する回答は、イスラエル危機やイランの制裁決議についてアメリカの2人の政府高官が行った発表においても示されてはいない。
最初の発表は、本日(9日)正午頃にアメリカ国防長官ロバート・ゲーツが行った。ゲーツ国防長官は、トルコがイスラエルに対してこれほどまでに態度を硬化させたことに関して、その罪を、予期せぬところに、つまりヨーロッパに負わせた。トルコの方針が東にシフトしていることについて、ヨーロッパを非難した;「ヨーロッパの態度はトルコを東へと後押しした」と述べたのだ。
■ライス国連大使:トルコの立派な意志を信じてはいるが、しかし…
アメリカが行った二番目の重要な発表はイランについてである。アメリカのスーザン・ライス国連大使(国連大使はアメリカの制度において閣僚と同等の立場にある)は、イランに対する制裁決議を擁護した。
しかし制裁決議を擁護する一方、「反対」票を投じたトルコとブラジルを非難することはなかった。反対に、トルコとブラジルの指導者を称賛した。
「トルコとブラジルはテヘランとの合意に熱心に努めた」と述べ、こう付け加えた;
「二国のリーダーによるこの努力は、イラン国民が望む答えを与えて、イランの核開発計画に関する国際的な信頼を確かなものにするという目標を持つ、立派なものである…
しかしながらこの柔軟な表現にもかかわらず、ライス大使はトルコーブラジルーイランの間の合意が「有益なものとはならないと信じている」というメッセージを示した。
「合意は、それ以前も今も、イランの核開発計画問題について答えを出しておらず、恒常的で基本的な不安を取り除いていない。しかし、国連安全保障理事会が可決した決議はこれらの不安を取り除いているのだ…」
■アメリカはトルコ政府には歩みよらないだろう
この二つの発表は、想像に反し、トルコーアメリカ間の関係が「崖っぷちではない」ことを、そしてアメリカ政府はトルコ政府との直接的な対立を望んではいないということを示している。
ただ、ゲーツ国防長官による「トルコが東に寄ろうとしている」という解釈は、やはり将来のための一種の<警鐘>という意味合いも含んでる;ゲーツ国防長官は発表を通じて、「東に寄っている」としたアンカラ政府だけではなく、ヨーロッパの同盟国やイスラエルに対してもまた警告を発しているのである。
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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:19368 )