イスラエル人旅行者減りアラブ人旅行者増へ―ガザ支援船危機の影響
2010年06月14日付 Hurriyet 紙
観光投資家協会(TYD)の会長トゥルグト・ギュル氏は、イスラエルとの間に生じた緊迫状態の後、多数のイスラエル人観光客の予約が取り消されたと述べた。ギュル氏はこの緊迫に伴い、アラブ世界のトルコに対して感じる好意が高まったと述べ、「こうした意味では観光収入は減少しない、むしろ増大する」と語った。
TYDの月例会が今月はアンタリヤのケメル郡にある町、テキロヴァで開催された。
記者らの質問に答えたTYD会長のトゥルグト・ギュル氏は、アラブ諸国で放送されるトルコのテレビドラマがトルコへの関心を高めていると発言した。ギュル氏は「アラブ諸国とのビザが撤廃されたことは観光を急激に活性化させ、促進させた1つの要因である。しかし昨年以来トルコで放送され、大きな関心の的となったトルコのテレビドラマがアラブ諸国で放送され始めたこともトルコへの関心を高めた。おかげでトルコはアラブ諸国においてとても人気になった。」と話した。
■ 「One Minute(ちょっと待って!)」が関心を高めた
ギュル氏はエルドアン首相のイスラエルに向けた「One Minute」発言もまた、アラブ諸国でのトルコに対する好感を大いに高めたと述べた。ギュル氏の発言は次の通りである。
「(エルドアン首相は)アラブに対して良き支援者である首相という雰囲気を作り出した。これに伴ってトルコへたくさんのアラブ人観光客がやってきだした。我々の実際の目標は、メルスィン、アダナ、ガズィアンテップ、シャンルウルファ、マルディンといった地方に向けてもアラブ世界の関心がよりいっそう高まることだ。アラブ諸国からは今年の終わりまでに100万~150万人近くの観光客が訪れることを目標にしている。3月の終わりには昨年と比べて(アラブ人観光客)の数が37パーセント増えた。4月にはこの数が44パーセントに達した。」
■ イスラエルの予約は途絶えた
トゥルグト・ギュル氏は、イスラエルがガザに向かう支援船を攻撃した後、イスラエル人観光客の入国が途絶える状況におちいったと明かした。ギュル氏は、「先週からシーズンの終わりまでの5万件の予約が取り消されたと言われている。今後も申し込みはないだろう。トルコを訪れるイスラエル人観光客の数は48万5千人であった。このうち3分の2が来なくなるだろうと予想されている。約30万人のイスラエル人観光客はトルコを訪れないだろう。この一方で、100万人のアラブ人観光客から外貨が落とされる。」と語った。
■ 観光業のインフレ指標を明らかにする
ギュル氏は行った会議で、観光業におけるインフレ指標を示す調査の実施を決定したと述べた。ギュル氏は、「我々の事業には変動費と固定費がある。この変動費と固定費を合わせ、平均値を見ながら指標を出す予定だ。今後もそのような指標を3カ月ごとに出すつもりである。年末には今年のインフレ指標を発表できるだろう。」と語った。
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( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:19416 )