PKKシェムディンリ襲撃に、クルド系平和民主党から興味深い声明
2010年06月19日付 Milliyet 紙
ベンギ・ユルドゥズ平和民主党(BDP)会派代表代理は、ハッキャーリ県シェムディンリ郡で8人の兵士が殉職し14人の兵士が負傷したPKKのテロリストによる襲撃について述べる際、興味深い説明を行った。
ユルドゥズ会派代表代理は、「1万人、2万人、10万人の人間をさらに殺し、1万人の人間をさらに刑務所に送り、1人の国会議員ではなくBDPの20人の議員を殺し、あらゆる自治体の長を殺して刑務所に送ったとしても、この問題を、武力行使や、圧力、迫害によって解決することはできないだろう」と述べた。
ユルドゥズ会派代表代理は、「クルド人の間で有名な表現がある。『空の水差しをいっぱいの水差しにぶつける』、すなわち私達には失うものはない。少しもかまわない、中身がいっぱいの水差しを持っている者がどう思うかなど」と述べた。
BDP会派代表代理でバトマン選出の国会議員であるベンギ・ユルドゥズ氏は、BDPのバトマン県事務所で行われた記者会見で、シェムディンリでの衝突についてコメントを求められた。ユルドゥズ会派代表代理は、戦争を行っているのは自分の子供を兵役に送ったことのない者たちであると述べ、「戦地では棺(犠牲者)がつきものである。私たちは過去にこれを経験し、今日同様のことを経験している。私達が言っていることはこれである。衝突は起こすべきではなく、始まるべきではなかった。トルコの政治を行う者たちは国内の衝突、戦争に助けを求めてはならない。他人が解決してくれるのか?宇宙から(解決してくれる)人がやってくるのか?アメリカが解決してくれるのか?イスラエルが解決すると言うのか?答えはノーである。誰が解決するのか?それはトルコの政治を行う者たちが解決するのである。30年間、武力行使することで解決できたであろうか?いいや。それならば世界やヨーロッパがこの問題の解決のために行うことを、トルコでも行わねばならない」と述べた。
ユルドゥズ会派代表代理は問題が解決されない限り、棺は増え続けると述べ、トルコが1990年代に戻ったと述べた。ユルドゥズ会派代表代理は「棺がなぜ増えるのか」という問いの代わりに、「なぜ戦争が起こるのか、なぜ我々はこの問題を解決しないのか?」という問いがなされる必要があると述べた。
■自分たちの子供をカンディルへ
ベンギ・ユルドゥズBDP会派代表代理はすべての死者に哀悼の意を示し、次のように述べた。
「トルコ人、クルド人の働く子供たちが失われている。地雷原に送られている。これを行っているのはトルコの政治家たちである。自分の子供を兵役につかせない者たちがやっている。子供をガラスの東屋で育てている者たちが行っている。もし彼らの子供たちが戦争に行っていたのなら、この戦争は続かなかっただろう。参謀総長や、首相、大臣たちは自分の子供を戦場に送るべきである。戦争を喧伝する人々は子供をカンディルに、マフムル・キャンプに、なぜ送らないのか?彼らは後で犠牲者の葬儀でうその涙を流している。トルコ国民はこれを受け入れてはならない、だまされてはならない。その涙は本当の涙ではない。更なる子供たちを殺させるために、お前たちは殉職者である、立派な戦士である、あなた方は殉職者の母である、畏敬すべき人々である、さあ、もっと子供たちを戦場へ送り、殉職者の父母となりなさいと言っている。それなら私たちも彼らに(同じことを)提案する。少しでもその栄光が彼らのものとなるように」
■空の水差しをいっぱいの水差しにぶつける
ベンギ・ユルドゥズBDP会派代表代理は、兵士が亡くなるたびに両勢力の溝は深まり、だんだん戦争と暴力が複雑になっていくと述べ、次のように続けた。
「すでに私は公正発展党(AKP)の多くの政治家に言っている。1万人、2万人、10万人の人間をさらに死なせ、1万人の人間をさらに刑務所に送り、1人の議員だけではなくBDPの20人の議員を殺し、すべての自治体の長を殺して刑務所に送っても、この問題を武力行使や、圧力、迫害によって解決することはできないだろう。遅かれ早かれ、私たちが言っているように、これ以上クルド人とトルコ人の血を流さないでもらいたい。
政治家たちは平和がどのように実現できるかを知っている。世界の経験が、明らかに物語っている。30年間行われてきた方法はもうやめなさい。もう行き詰まりである。こうしたやり方に固執すれば、対立を深めるだけである。もっとはっきりと言おう。クルド人を殺し、刑務所に送ることで、平和の兄弟関係を作り上げることはできない。しかしあなたたちは彼らに次のように言う、『私たちから離れずして、あなた達に解放はない』というようなメッセージを伝える。衝突は互いの間に溝を作る。人が亡くなるたびに、この溝は作られるのだ。人々を分裂させている。もしあなた達がこの人々を分裂させることを望んでいるのならば、それもあなたがたが知ることである。クルド人の間で有名な表現がある。「空の水差しをいっぱいの水差しにぶつける」。私たちには失うものはない。少しもかまわない、中身がいっぱいの水差しを持っている者がどう思うかなど」
■共同党首:友人たちは毎日亡くなっている
ギュルタン・クシャナクBDP副党首は、ハッキャーリ県シェムディンリ郡でPKKのテロリストが10人の兵士を殉職させたことを指摘した新聞記者たちに、「友人たちは毎日亡くなっている。その数が1人であるか10人であるかに何の違いがあるのか?命は命である。コメントしたいと思わない」と述べた。
クシャナク副党首はAKP政権が集合住宅局に無制限の賃料仲介業部門を開き、利用していると述べた。ディヤルバクル選出の国会議員でもあるギュルタン・クシャナク副党首は、BDPがディヤルバクルで自治体の長らと県議会メンバーが参加した会合で演説した際、政府を批判した。
会合の後、オスマン・バイデミル・ディヤルバクル広域市長と会談したギュルタン・クシャナク副党首は、ハッキャーリ県シェムディンリ郡でPKKのテロリストが行った襲撃に関する質問を受けた。クシャナク副党首は「友人たちは毎日死んでいる。数が1人であるか10人であるかに何の違いがあるのか。命は命である。コメントしたいとは思わない」と述べた。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:19461 )