「イランも対抗措置を講ずる用意がある」:大統領、公海上での臨検に警告
2010年06月17日付 Jam-e Jam 紙
他国がイランの船舶、ないしはイランに向けて出発した船舶を検査することに「ゴーサイン」を出した対イラン決議の採択において、国連安保理が不当行為に及んだことを受け、昨日国会と政府は毅然かつ一致した反応を示し、イランの船舶航行に何らかの検査ないし妨害があった場合には、イランは対抗措置を講ずる権利を保持すると言明した。
大統領は、「世界のどの国であろうと、またいかなる場所においてであろうと、安保理の最近の決議を口実に、イラン国民の権利を少しでも損ねようとする行動に出るならば、イラン国民は確固たる対抗措置を講じる権利が自らに保持されているものとみなす」と強調した。
中央報道局の報道によると、第3期地方州訪問の一環としてチャハールマハール・バフティヤーリー州を訪問したマフムード・アフマディーネジャード大統領は昨日、〔州都〕シャフレ・コルドの人民を前に、最近の安保理決議に触れ、次のように述べた。「彼らは〔対イラン制裁〕決議を出した。するとその直後、話し合いをしようではないか、と手紙を寄越してきた。我々も対話を尊重する民だ。しかしそれには条件がある。その条件については、近々に発表する」。
大統領は、イラン国民は対話と論理を尊重する民であると指摘し、「われわれは〔互いに対する〕敬意と正義が支配する状況のもとで、対話を行う用意がある。しかし今や、対話の条件は変わってしまった」。
アフマディーネジャード大統領はさらに、「あなた方は感情に走って、自らの約束を踏みにじった。我々も条件を設ける。礼儀正しく、アダムの子のように〔=常識のある大人として〕交渉のテーブルにつくべきだ」と付け加えた。
大統領は、テヘラン宣言はイラン、トルコ、ブラジルの各国民、そして世界のすべての気高き自由人たちにとっての名誉であるとの認識を示し、「法に最も忠実な国民こそ、イラン国民である。我々は国際原子力機関(IAEA)と最大限の協力を行ってきた」と述べ、〔‥‥〕さらに「棍棒を振りかざし、交渉によって利権を獲得できた時代は、もはや過ぎ去ったのだ」と付け加えた。
大統領は「あなた方は自分たちの仕事をし、この決議を採択するために乞食のように票を集めた。さてそれでは、どのようにこの決議を実行に移そうと考えているのかね」と述べ、さらにアメリカの圧力で決議に賛成票を投じてしまった安保理理事国の某小国の大統領の発言を引用して、次のように述べた。「世界の賢人たちや事情通の人たちにとっては周知のことだが、このような安保理など〔早晩〕消滅してしまうだろう。安保理の決定など、誰からも信頼されていないのだ」。
大統領は続けて、「アメリカがいかに無駄な努力を重ねても、安保理に対する信頼を確立することなど、これっぽっちも不可能だ。つまり、彼らのこうした目論みは、すでに破綻しているのである」と述べ、「彼ら〔=アメリカ〕には、国際的な状況〔=多国間の枠組み〕のなかで我々と対話する必要がある。我々との対話以外に、彼らに道はないのだ」と付け加えた。
アフマディーネジャード大統領は「自分たちがしかめっ面をしたり、顔色を変えたり、怒鳴りつけたりしても、何の効果もないということを、彼らもよく分かっているのだ」と続け、さらにアメリカが乞食のように嘆願して票集めに奔走していることについて指摘し、「アメリカ大統領は各国首脳に電話し、『我々は議会で問題を抱えているんです。だから〔議会の注意を逸らすために〕、イランに対してアクションを取らなければいけないんです』などと言っている」と述べた。
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( 翻訳者:永田彩香 )
( 記事ID:19511 )