公正発展党(AKP)党派副代表スアト・クルチは、憲法裁判所による憲法改正案に関する決定に対し「憲法裁判所は議会の憲法改正の権限に干渉した」と述べた。
公正発展党(AKP)会派副代表スアト・クルチは、憲法裁判所による憲法改正案に関する決定に対し「憲法裁判所はこの決定によりトルコ大国民議会(TBMM)の憲法改正の権限に明らかに干渉している」と述べた。クルチ副代表は「早期選挙は絶対にありません。トルコはもう小さなことを気にするような国ではないのです。選挙は予定通り2011年7月に行われます」と述べた。
クルチ副代表は議会で受けた新聞記者の質問で憲法裁判所の決定を批判した。憲法裁判所になされた提訴が違憲であると述べ、次のように語った。
「現在施行中の憲法によると、憲法裁判所がこの改正案を国民投票の前に審査できないと述べたと思います。にも関わらず憲法裁判所は判断を下しました。反対を受け入れ調査することを認めました。表面的な審査だけではなく、根本的なところまで入りこんだのです。しかし現行憲法において、憲法裁判所はトルコ大国民議会により行われる憲法改正に関してただ形式上の変更を判断することはできます。にも関わらず憲法裁判所はこれを越えて根本的なところまで入りこみ、改正案に判断を下しました。国民投票により受け入れられた憲法改正ではないのです。したがってこの憲法改正に関する提訴は違憲なのであり、提訴の承認は違憲なのです。次に表面的な審査の範囲を越え根本的なことに関わる判断が下されたことは、やはり私たちの考えでは違憲なのです。憲法裁判所はこの決定によりトルコ大国民議会が国民の名で憲法をつくる権限に明らかに干渉しました。しかし憲法制定の権限は第一の憲法制定者としての資格を持つトルコ国民に属するものであり、または国民を代表し第二の憲法制定者としての資格を持つトルコ大国民議会本会議が行使します。そのため下された決定がすべてにおいて良いものとなることを願うと共に憲法裁判所が提訴を受け入れ根本的なことに関し審査したことを、憲法の憲法改正に関する条文に反するものとしてみています。」
クルチ副代表は国民投票の流れが被害を被ったか否かに関する質問に対し、高等選挙委員会(YSK)の決定によると答える一方で、早期選挙についての質問に対しては「早期選挙は絶対にありません。トルコはもう小さなことを気にするような国ではないのです。選挙は予定通り2011年7月に行われます。私たちはこのことを発表しました。憲法の国民投票または憲法裁判所が下したこの決定は与党の選挙時期に関する見方にいかなる影響も与えません」と答えた。
■公正発展党のカプスズ議員:「大きな過ちの代わりに中立的な決定が取られた」
公正発展党のサリフ・カプスズ副党首はANKA通信へ行った評価で、「実際のところこの件に関しては多くの解釈がありえます。憲法裁判所はある決定を下しました。皆が決定にふさわしい形で振る舞わねばなりません。大きな過ちの代わりに中立的な決定が取られ均衡が守られました。総じて問題が妨げられました。憲法裁判所の決定には従うしかないのです」と述べた。
公正発展党のデンギル・ミル・メフメト・フラト議員はというと、「憲法裁判所は、またも憲法に違反した」と語った。
■ヤズジュ国務大臣とチェリキ副党首も反発を示した
ハヤティ・ヤズジュ国務大臣は、憲法裁判所が憲法改正案に関し下した決定を批判する中、「憲法裁判所は定められた任務と権限をはみ出してこの決定を下しました」と述べた。
公正発展党のヒュセイン・チェリキ副党首はというと、憲法裁判所が憲法改正に関し下した決定を批判し、「憲法裁判所が越権行為をしたのは残念ながら2回目です。憲法と法律に規定されていない権限を行使しました」と述べた。
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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:19627 )