憲法改正国民投票の内容確定―復習しましょう
2010年07月08日付 Milliyet 紙

憲法裁判所の決議の後、9月12日に行われる国民投票では、以下の改正案について賛否が問われることになる。

■高等裁判所に関する条項

―憲法裁判所の改編が行われる。現在、憲法裁判所は11人の正規裁判官と4人の予備裁判官で構成されているが、改正後は17人の正規裁判官によって構成される。トルコ大国民議会(TBMM)は、裁判官のうち2人を会計検査院が挙げる3人ずつの候補者から、また1人は弁護士会が挙げる弁護士の3人の候補者の中から、無記名投票によって選出する。大統領は、3人の裁判官を最高裁判所、2人を行政裁判所、1人を軍事最高裁判所、1人を軍事高等行政裁判所によってそれぞれ推薦される3人ずつの候補者の中から選ぶことになる。また少なくとも2人の法律家を含む3人の裁判官は、高等教育機構(YÖK)が、自らのメンバーにはなっていない高等教育機関の教育者の中から推薦する3人ずつの候補者の中から選ぶことになる。大統領は残り4人の裁判官をも、最高幹部、自由弁護士、第1等裁判官と検察官、そして最低でも5年間、調査官を務めた憲法裁判所調査官の中から指名する。

憲法裁判所は2つの法廷と本法廷によって運営される。本法廷は、裁判所長官または長官が指名する長官代理が裁判長となって、少なくとも12人の裁判官でもって構成される。
政党に関する訴訟と告訴、解党訴訟、及び反対訴訟と、最高法廷と言う名のもとで進められる審理は、本法廷での審理となる。憲法裁判所が、憲法改正における取り消し、政党の解党、もしくは政府援助の破棄などを決めるためには、審理に参加した裁判官の3分の2の多数決が必要となる。形式上の不備による解党訴訟は、憲法裁判所によってまず審査され、決議されることになる。

憲法裁判所は、最高法廷と言う名の下で審理される訴訟以外の問題は、書類により審議を行う。しかし個人的な訴訟においては、審問をおこなうよう決定を下すこともできる。

裁判所が必要であると見なした場合は、口頭による説明を聞くために、関係者およびその問題に関する有識者を集める。解党訴訟においては、最高裁判所共和国首席検事、そして解党が求められている政党の党首、またはその党首が任命する代理人の弁明を聞く。憲法裁判所裁判官の中から、無記名投票によって、全メンバーの絶対多数の賛成で、任期を4年間とする長官1人と2人の副長官が選出される。これらは再任可能である。

憲法裁判所裁判官の任期は12年である。裁判官の再任はない。12年間の任期を全うする前に定年を迎えた裁判官は、退官となる。憲法裁判所の現在の予備裁判官は、「正規裁判官」となる。憲法裁判所に、個人的に訴訟を起こすこともできる。
国会議長、参謀総長、軍司令官と軍警察総司令官も任務に関する罪が問われる場合には、最高法廷で裁かれる。最高法廷の決議に対し、再審査の要請をすることができる。本法廷が改めて審査した結果出した決定が、最終決定となる。

■裁判官・検察官高等委員会(HSYK)に関する条項

HSYKは、現在7人の委員の数を22人に、5人の予備委員を12人に引き上げる。HSYKは3つの組織でもって運営される。HSYK長官は、これまでと同様、法務相が兼任する。法務省次官のHSYKでの任務も継続することとなる。

HSYKの4人の正規委員は、高等教育機構(YÖK)の法律を専門とする学者と弁護士から、大統領の指名によって選ばれる。3人の正規委員と3人の予備委員は、最高裁判所裁判官の中から最高裁判所総委員会によって選ばれる。また2人の正規委員と2人の予備委員は、行政裁判所裁判官の中から行政裁判所総委員会によって選ばれ、1人の正規委員と1人の予備委員は、トルコ司法大学校執行部によって、自らのメンバーの中から選ばれる。また、7人の正規委員と4人の予備委員は、第1等司法裁判官と検察官および第1等に必要な資質を保持している司法裁判官と検察官の中から、彼ら自身によって選出される。さらに3人の正規委員と2人の予備委員は、行政司法裁判官と検察官の中から、彼ら自身によって選ばれる。それぞれ任期は4年となる。また再任も可能である。

委員の選出は、委員の任務満了60日以内に行われる。委員会が「罷免」の決定を下した場合、控訴は可能となる。委員会による他の決定に対しては、各司法当局へ訴え出ることはできない。HSYKの現在の正規および予備委員の任務は、それぞれの満期日前日まで続くことになる。 

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( 翻訳者:西山愛実 )
( 記事ID:19639 )