PKKテロリストの遺体をめぐる問題提起へ、政府、軍ともに反発
2010年07月17日付 Yeni Safak 紙

参謀総長は、死亡したテロリストについては、医師が遺体を整え、葬式に出せる状態で家族に引き渡すようにとの指示を出した。

テロが頻発する時期には、遺体より政治スタイルに興味が向けられる。しかし平和民主党(BDP)はこれをまったく異なる様相にもってきた。BDPは軍事作戦や戦闘で死亡したPKKメンバーの幾人かに拷問が行われ、顔が判別できない状態にされていたと主張した。また、これは兵士が行ったことであると主張し、現在も主張を続けている。
BDP所属ディヤルバクル選出のアクン・ビルダル議員が、PKKメンバーの身体に拷問が行われたとする主張をトルコ大国民議会(TBMM)に提起して、この問題に関する調査委員会設置を要望し、さらに議会人権委員会が事件に介入することで始まったこの議論は、激化している。

BDPが主張を続ける一方、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が、野党へのあいさつ回りの際に、この政党を加えない理由として、自身にPKKメンバーの写真が1通の手紙とともに送られたことを理由に挙げたことが、さらに議論を激化させた。
エルドアン首相は、昨日公正発展党(AKP)県支部長会議で、BDPから送られたCDについて説明する際、「レターヘッドのついた手紙が私に送られてきた。CDが同封されており、これらの遺体の状況が人道上の罪であり、これに対しどうするつもりかと問いかけている。世界の国々の大部分がテロ組織として宣言している組織の弁護をすることが、BDPよ、おまえたちの仕事なのか」と問いかけた。その後、「ギュルハネ軍病院(GATA) にいる腕や足をなくした兵士たちはどうすればいいのか」と付け加えた。
BDPのセラハッティン・デミルタシュ党首は、昨日エルドアンに同じ問題について問いかけた。この議論にはイムラル島からオジャランも参加した。

■参謀総長自身の指示

この深刻な主張は、首相だけではなく、告発の標的となっている軍でも反発をもって受け入れられている。トルコ国軍(TSK)は、人道上の罪というより最も明確な表現で、「死者への侮辱」と言いうるこのようなことが行われているという主張を、一蹴した。
テロの最も冷酷な面である死において、TSKは自身の規則と法律の枠組みの中で、明確な手続きが適用されていると主張している。
我々の得た情報によると、参謀総長イルケル・バシュブー大将自身は、負傷または死亡したテロリストに関する全体的な指示を出している。これには、死亡したテロリストについては、医師が遺体を整え、葬式に出せる状態で家族に引き渡すようにとの指示が含まれている。
さらに同じ指示の枠組みで、負傷者の最初の治療は、当該部隊の医師によって行われる。負傷したテロリストは負傷した箇所の最初の治療のあとヘリコプターで病院へ搬送され、ここで必要な治療を受ける。これらの段階の中には検察官の立ち会いも含まれる。
軍隊筋は、医師によって行われる最初の検視で遺体が整えられるとしている。トルコ国境内で死亡したテロリストに対しては、検察を通して法医学的検査が行われ、死亡原因が特定される。トルコ国境外ではイラク政府の責任となる。

■法医学による検査

一方でBDP議員たちがエルドアン首相に送ったCDの映像が、重爆撃が行われた空爆作戦の際に撮られた映像である可能性があるという情報も、水面下でさまざまな影響を及ぼしている。エルドアン首相がCHPのケマル・クルチダルオール党首と会った際、BDPの拷問が行われたとする主張に反発し、「我々の殉職者も拷問を受けている」と述べたことが明らかになっている。エルドアン首相がこの会談で、PKKメンバーに拷問もしくは虐待が行われることは論外であると強調したことも明らかとなった。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:19710 )