世界で最も大きいホテル・チェーンの一つであるヒルトンは、観光の要であるアンタリヤに進出するため、長い間さまざまな試みを行っている。

ヒルトンは、最近では、キョセオール観光・ヘルスケア・建設株式会社によってアンタリヤのコンヤアルトゥ海岸につくられるハーリントン・パーク・ホテルの経営を目指していた。しかし、礼拝所を理由としてホテル側と合意することができなかった。ヒルトンは、コンセプトに合わないとの理由で、ホテルの中の礼拝所を取り払いたいとしたが、ホテル側がこの条件を受け入れなかったために、合意することはできなかった。ホテルの出資者であるキョセオール観光は、ホテルを自分で経営することに決めた。

ハーリントン・パーク・ホテルの取締役会長であるムスタファ・キョセオール氏は、ヒルトンがホテルの経営権を獲得するために長い間努力したものの、いくつかの点で合意しなかったとしている。キョセオール氏は、「彼らは礼拝所を望みませんでしたし、私はペットをホテルに連れてくるという条件を受け入れませんでした。加えて、ホテルでは、男性と女性のプールは別です。サウナも別です。（ヒルトン側は）これらも一緒にしたいとしました。合意できませんでした。ホテルを自分たちが経営することを決めました」と話している。キョセオール氏は、海岸地域のどのホテルにも礼拝所がないことに言及し、「ヒルトンと合意できなかったので、ホテルのコンセプトを変えました。家族用ホテルに戻りました。資金が入ってくるなら、どこからであろうが構わないというわけではありません」との見解を示している。新たな投資に関する情報を提供したホテル取締役のムスタファ・キョセオール会長は、観光分野に関して興味深い考えを示している。

もともと建築請負業者であるキョセオール氏は、イスタンブルで4つ星ホテルのファティフ・ベッルとピアノ・フォルテ・ホテルで観光事業を展開している。キョセオール氏は、アンタリヤの有名なコンヤアルトゥ海岸に2年で完成させたハーリントン・パーク・ホテルを、過日、オープンしたものの、世界をリードするホテル・チェーンのヒルトンと合意できなかったので、異なるコンセプトを打ち出した。信仰心に篤い人々の休暇とは、近代化されたホテルですごし、プールとサウナは男女別々である。建物には、保守的な家族でも快適な休暇を過ごすことができるよう、特に女性のために屋外と屋内のプールがある。酒類は、ロービーのバーのみで供される。加えて、客が宗教的な義務を果たすことができるよう、2つの礼拝所も設置されている。ホテルから海には、道路からではなく、特別に建設したトンネルから行くことができる。ムスタファ・キョセオール氏は、“ヴェールに包まれたホテル”として紹介されたことを不快に思っているとし、「我々自身にとってのコンセプトをつくりました。これが別な風に解釈されるのを不快に感じています。ここは、本当の家族用のホテルとなるでしょう。家族と休暇を過ごしたい国内外のお客様にとって、もっとも質の高いサービスを提供しましょう。料金の観点でも、国内外の人々を区別しません」と述べている。ハーリントン・パークは、アンタリヤにおける「オールインクルーシブ（すべて込みの料金）」システムを採用する多くのホテルとは反対に、一泊二食付きのホテルとして営業する。キョセオール氏は、このシステムを、無駄を防ぐ手立てとして考えていると強調し、以下のように話している。
「アンタリヤのホテルは、オールインクルーシブ・システムを採用しているために、儲けをあげることができていません。ひどい食事を供しています。このうちの3分の2はゴミになるのです。もしお客様がお金を払うなら、皿に盛られた食事はきちんと食べてくれます。無駄もなくせるのです」。ムスタファ・キョセオール氏は、アンタリヤのホテルのほとんどが「（客室を）フル稼働」するといった理論で運営されており、「オールインクルーシブ・システムを採用しているホテルは、大変安価な宿泊料金を設定しています。昼食一食分の料金で、一泊が可能です。ここでのホテル一泊分の料金では、ヨーロッパではスープ一杯だって飲めません。イギリスでは、120ポンド以下のホテルはありません。ドイツの4つ星ホテルの一泊の料金は225ユーロです。ほとんどではあまりいいサービスを提供していません。トルコでは、冬はオールインクルーシブで一泊の料金が20~30ユーロとなります」と述べている。

キョセオール氏からの情報によれば、ホテルには、3つのキング・ルーム、2つのプリンセス・ルーム、15のスイート・ルーム、32の家族用部屋、228のスタンダード・ルームがある。ベッド数1000のホテルは、スタンダード・ルームの料金は100ユーロから。キング・ルームの料金は2,500ユーロである。加えて、ホテルには2000人収容の会議室がある。ホテルでは120人が働いている。雇用者数を、客室稼働率に応じて、300にまで引き上げることを目標としている。

Tweet

この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:能勢美紀 ）
（ 記事ID:19711 )