エルドアンの涙はワニの涙(ウソ泣き)―アンカラで、涙論争
2010年07月21日付 Radikal 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が党所属の国会議員の会議で涙を見せたことに野党から「本物(の涙)ではない」「ワニの涙(ウソ泣き)」という批判が起こり、それに対し公正発展党(AKP)側は強い反発を示した。

ビュレント・アルンチ国務相兼副首相は「不適当で失礼である」と批判する一方で、メルスィン選出議員のキュルシャト・トュズメンは「低俗である」と批判した。公正発展党のオメル・チェリキ副党首は「このような解釈をする者たちが行うのはワニの(偽の)政治であってそれ以外の何ものでもない」と述べた。

エルドアン首相は、昨日行われた党所属の国会議員の会議で、(1980年)9月12日クーデター時期に処刑された4人の若者の話に触れながら、党会議の場で感極まり、話の間首相と党議員の泣く姿が見られた。共和人民党(CHP)のケマル・クルチダルオール党首は首相の涙に関し「ウソ泣き」と批判し、平和民主党(BDP)のギュルタン・クシャナク副党首は「ワニの涙」と言って批判した。

公正発展党の中央決定執行委員会(MKYK)の前に野党のこれらの言葉について批判した公正発展党幹部は、野党に対し厳しい言葉を発した。

■「不適当で失礼だ」

ビュレント・アルンチ国務相兼副首相は、首相の涙は心からの行為であり、この涙が本物であるかどうかと話されることは心外であると述べた。アルンチ国務相は共和人民党のクルチダルオール党首を次のように批判した。

「敬愛なるクルチダルオール党首の遥か遠いキプロスから「これは見せかけだ」「うそをついている」などというような発言は、政治家、特に党首には不似合いである。誰も意図を探ろうとすべきではない。話されていること、説かれていることは明らかである。この事件はトルコで起こったのだ。トルコへほかの惑星から来たのでなければ、その時代に生きておりその事件を良く知っているならば、いかなるときもこの悲劇は理解され感動されるのである。政治家はこのような不適当な言葉を互いに言い合うべきではない、意図を探ろうとすべきではないし、本当かどうかを測ろうとすべきでもない。さもなければ自分たちが責められることになるだろう。自分たちが言ったことや表現したことがどれくらい本当であり、または心にもないことであるのかを追求し始めれば、このことにより全員が被害を受けることになる。昨日の話は人道的であり良心的、道徳的であり感情的であった。全員がこの話に影響を受けたのを知っている。あなた方は影響を受けなかったかもしれないし、この事件に関心を抱くこともないかもしれない。しかしこのように言う人が、誠実な人のあら探しをしてうそをついていると非難するのは、本当に醜く本当に不適当で人を貶めた表現である。どうか政治家にはこの態度をやめてほしい。」

■9月12日の恩恵を受けたのは共和人民党

アルンチ国務相は話を続け、クルチダルオール党首の「9月12日の恩恵を受けたものはこのようなことを言わない」という言葉に反発を示し、9月12日に裁かれなかったのは共和人民党だけであると述べた。アルンチ国務相は次のように語った。

「現在裁かれ、拘留され、政治的権利を剥奪された政党の代表者ら、またはその政党で任務を遂行していた人々に『あなた方は9月12日の恩恵を受けているのだ』と言うことは、いってしまえば歴史、政治、トルコを知らないということである。しかし共和人民党は1980年9月12日、その日より前の事件の責任者として知られているにも関わらず、社会的な事件の扇動者として一部の人々により知られているにも関わらず、9月12日以降裁かれることはなかった。他の政党同様に、共和人民党も解党させられただけなのだ。でも共和人民党員の関係者で裁判に出廷した者はおらず、裁かれることもなかった。人民党として残り続け、選挙に参加する権利を与えられた。その後社会民主党(SODEP)、社会民主人民党(SHP)、共和人民党(CHP)…9月12日のいかなる影響も共和人民党に否定的な跡を残さなかった。このことをこのような形で言いたい…。9月12日の恩恵を受けた党があるとすればそれは共和人民党である。敬愛なるクルチダルオール党首にもこのことを知ってもらいたい。」

■「批判は低俗極まりない」

公正発展党メルスィン選出議員のキュルシャト・トュズメンは、首相の話は感情に溢れており心からのものであると述べた。トュズメン議員は「そのとき首相は感極まり心から泣いたのです。首相は完全に自分が感じたことに反映させたのである。このような批判は低俗であり、トルコの政治には似つかわしくない」と語った。

■「ワニの政治を行っている」

公正発展党のオメル・チェリキ副党首は「ワニの涙(ウソ泣き)」という表現は失礼であるとする一方、9月12日の責任を追及しようというとき、野党はこれに関わろうとしなかったと述べた。チェリキ副党首は次のように語った。

「自分の仲間とその代償を払った仲間の責任追及に関わろうとしない。仲間と同じ痛みを分かち合う者たちにウソ泣きであると言っている。このような解釈をする者たちが行うのはワニの(偽の)政治であってそれ以外の何ものでもない。」

■答えは国民が9月12日に出す

野党がウソ泣きであると言ったことに関しマラテヤ選出議員のオズヌル・チャルクも批判をした。チャルク議員は「人としての感情を持たない者へ、2010 年9月12日に国民が最良の答えを出すだろう」と述べる一方、公正発展党のアキフ・ギュッレ副党首は「様々なことわざがある。これらのうち一つは「泣かなければ理解できない」というものだ。残念ながらこの祖国で特に党首の地位にある人々がいる。彼らはこの言葉を理解できていない。これはどうすることもできない」と述べた。

公正発展党のベキル・ボズダー会派副代表は、9月12日に非道で不法に処刑された者たちの話を聞けば、良心のある人は誰でも影響を受けると述べ、「良心のない者のみがこのことを不快に感じるのだ」と話した。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:19745 )