なぜPKKはハッキャーリを狙うのか?―退役軍人分析
2010年07月22日付 Milliyet 紙
元特別軍連隊司令官ミトハト・ウシュク氏は、PKKによる襲撃の主な目的は、ハッキャーリと(イラクの)カンディル‐ハクルクとの間の交通路を手中におさめることであると明かした。ウシュク氏は、戦闘はすべてPKK側からしかけられており、連隊はそれに対し応戦せざるをえなかったと述べた。
近年増加しているテロ攻撃は総じてハッキャーリ県の中で激化している。
クルディスタン労働者党(PKK)は、イラク国境から進入し、ハッキャーリ県のシェムディンリとチュクルジャ地区で多くの襲撃を行った。
1995年~1998年の間に特別軍で連隊司令官を務めイラク北部で多くの作戦に参加したミトハト・ウシュク氏は、攻撃でなぜこの地区が頻繁におこっているのかに関し、NTVの生放送で分析した。
ウシュク氏は次のように述べた。「ハッキャーリはイラン、トルコ、イラクの国境が接しており、PKKの主要キャンプがあるカンディル山やハクルクやザプなどのキャンプに最も近い地区です。カンディル山から攻撃を行うグループは1カ月から1カ月半前にハクルクに赴きます。そこで待機しているのです。トルコ国境付近にいるテロリストと合流し、情報に従って攻撃を行う地区に出発します。テログループはカンディルから約200キロメートル移動します。選んだ標的への移動は20~25人のグループで行い、ハクルクに滞在します。そのあと国境へ移動し攻撃を行うのです。最近この地区でのテロ攻撃が多発しています。基本的目標はハッキャーリにある地区とカンディルやハクルクとの間をつなげることです。この地区での自治を実現させようとしているのです。
■防御にとどまっている限り…
ここでの我々のハンディキャップは、こちらからは仕掛けられないことです。テロリストを待つことは難しいことです。コンセプトをかえて、「積極的な防御」を行うことが必要なのです。常備拠点を守るため配属されたチームは丘の上に常駐せずに、丘から200~300メートル離れたところ引いてPKKを欺く必要があります。PKKは我々が行動を起こさないと知っているので偵察を行い、戦闘の開始は常に彼らの側からでした。
我々が移動して、イラク国境に近い場所で活動を行うとしたら、きっと彼らを奇襲することとなるでしょう。常に防御態勢をとり要地で待機している場合、より強いグループとともに彼らはやってくるのです。これを防ぐために我々も攻撃態勢に入っていなければなりません。
■人による情報が必要
トルコの弱点は情報です。これを航空写真やIHAによって入手することができます。しかしここには人による情報が必要であり、対峙しているのは人間なのです。ここには人の情報が必要なのです。何十年間もイラクにいるにもかかわらず、人の情報網を構築できませんでした。NATOタイプの指揮官によりこの戦闘を行うことができないのです。PKKはプロではありません。しかし諜報網を問題とせねばなりません。情報が提供されても然るべき場所に提供されなければ、我々はこれを学ぶべきでしょう。
■ザプ東部を標的としている
攻撃が発生すれば、なんら対処できないかもしれません。PKKの基本的な標的はダウルジャ、アクテュテュン、ゲディキテペの地区です。これはザプ東部にあります。トルコは1997年にザプ西部に防衛地区を設け、その地区から彼らが来ることはありません。PKKがカンディルを出た後、我々がハクルクで対処しなければ、この地区で攻撃は続くでしょう。」
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( 翻訳者:大門志織 )
( 記事ID:19750 )