アッバース大統領とミッチェル特使の会談、進展なく終了
2010年07月18日付 al-Hayat 紙

■ アッバース・ミッチェル会談、進展なく終了

2010年07月18日付『アル=ハヤート』(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)

【ラーマッラー:ムハンマド・ユーニス/カイロ(本紙)】

 パレスチナのマフムード・アッバース大統領とアメリカの中東和平特使ジョージ・ミッチェル(George Mitchell)氏との昨日の会談は、パレスチナ・イスラエルの直接交渉再開に向けた道のりを容易にするようないかなる進展もなく終了した。エジプトのフスニー・ムバーラク大統領がカイロでミッチェル中東和平特使を出迎えることになっており、特使は直接交渉再開へ向けた尽力についてイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相およびアッバース大統領と行った協議の成果を報告する予定である。ムバーラク大統領は、アッバース大統領ならびにネタニヤフ首相とも個別に会談、情勢と進捗状況、および和平交渉を進展させる方法について協議を行う。また、カイロを発つ直前にはアラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長がミッチェル特使と会談を行う予定である。

 パレスチナ消息筋は、「アッバース大統領は、昨日ラーマッラーで行われた会談でミッチェル特使に、間接交渉で何の進展もなく、また入植活動も停止していない状況では、直接交渉への移行を妨げる大きな困難があると表明した」と述べた。

 消息筋の1人は本紙に対し、「アッバース大統領はミッチェル特使に対し、ファタハの諸機関およびパレスチナ解放機構(PLO)が近日中に直接交渉への移行についての米提案を検討するため会合を行うことを知らせた。そして、国境についての交渉の進展や入植活動の停止、またはこの交渉が期限を定めたなかで行われ、若干の土地の交換を行いつつも東エルサレムを首都としたパレスチナの独立国家建設を目標とすることを保証するアメリカとイスラエルの書簡がない限り、この提案は拒否されるとの予測を述べた」ことを明らかにした。

 同消息筋によれば、「アッバース大統領はミッチェル特使に、直接交渉に向けた道のりを容易にするため、これらの目標を実現するよう近日中に働きかけることを求め、もしこれが実現されなければパレスチナの政治諸機関は提案された交渉への移行を受け入れないであろうと念を押した」。また、「ミッチェル特使はパレスチナ側諸当局者の話を聞き、自身のコメントをバラク・オバマ大統領に提出するべく記録した」。

 ミッチェル特使は会談の直後、「アッバース大統領との会談は、困難な状況を緩和することはなかったが、実りあるものであった」と表明した。特使は、「我々はアッバース大統領およびパレスチナ側指導者たちとの建設的かつ実りある会談を終えた。中東地域における包括的和平についてのオバマ大統領のビジョンを実現し始めた我々の議論が継続することを強く望んでいる」と述べ、「この和平は安全と平和のもとで共存する2国家の建設に対するパレスチナとイスラエル間の合意から開始される必要がある。我々は、また〔両国家の〕繁栄も望み、この和平はイスラエルとシリアとの和平、またアラブ諸国と〔イスラエルと〕の関係正常化も含めたものともなるであろう」と言葉を付け加えた。

 同特使は、「これを実現する道のりには困難と問題があることを我々は心に留めている。しかし、我々は本日のような議論に向け奮起し、自らの道を進み続ける決心を固めている」と言葉を続け、近日中に「状況を協議するため」他のアラブ諸国を訪問する予定であると述べた。

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:19763 )