軍がつくった憲法を保持する限り、EU加盟はありえない
2010年07月25日付 Yeni Safak 紙
エゲメン・バウシュEU加盟交渉責任者は、9月12日はトルコにとってターニングポイントとなる日であると語り(訳者注:1980年の9月12日にクーデターがおこり、この結果現憲法が制定された。また今年の9月12日にはその憲法改正の是非を問う国民投票が行われる)、「こんどの9月12日が、最後の9月12日になるだろう。トルコはその日、自由に向かって道が開かれることになる。軍が作った憲法を保持したままで、EU加盟をなしえる国などありえない」と述べた。
国務大臣兼加盟交渉責任者であるエゲメン・バウシュ氏は、クンカプのトルコ・アルメニア総主教府に儀礼的な訪問を行った。バウシュ氏は体調不良であったメスロブ・ムタフヤン・トルコ・アルメニア総主教に「お大事に」という言葉を伝え、総主教代理に選出されたことを受けアラム・アテシュヤン氏にもお祝いを述べた。総主教府の入り口でアテシュヤン氏によって迎えられたバウシュ氏は、正式訪問の前に記者団の質問に答えた。先月在アンカラEU加盟諸国の大使らがアクダマル教会を訪問した際に、アテシュヤン氏から、宗教的諸問題に関し、専門家の責任者の要請があったと説明した。
アテシュヤン氏の要請に対して、バウシュ氏は「私が行きましょう」と言ったと説明し、「結局トルコは皆のものである。皆で一緒により民主主義で、より現代的で豊かな国になるために、差別や区別をせず、一緒に努力することが必要なのである」と述べた。
上手くいけば、今度の9月12日は最後の“9月12日”になる
9月12日はトルコのEU加盟プロセスにおいて非常に重要な分岐点になると指摘するバウシュ氏は、以下のように述べた。「軍が作った憲法を保持したままで、EU加盟をなしえる国などありえない。これはギリシャ、ポルトガル、スペインも試みたが、だめであった。これらの国は文民憲法を作り、EU加盟プロセスが急速に進展した。故イノニュがアメリカ合衆国とアンカラ協定に署名したのは9月12日であった。上手くいけば、こんどの9月12日が歴史上最後の9月12日になるだろう。民主主義、安定、繁栄、個人の自由と進歩への道が開かれる、歴史的な日となるのだ」。訪問はその後マスコミ非公開の形で約二時間続いた。
EU加盟交渉開始のために努力してきた
バウシュ氏はメスロブ・ムタフヤン総主教とその母親への「お見舞い」のための訪問を行い、ムタフヤン総主教がトルコのEU加盟プロセスを支援する重要なリーダーであると述べた。トルコがEU加盟交渉開始のため努力していた時期に、ムタフヤン総主教はさまざまな要請を断らず、EU加盟国の全ての国に足を運んで下さったと語るバウシュ氏は、総主教の健康状態がすぐれないのは、信徒たちばかりでなくトルコへの彼の貢献度を考えると、大いなる損失であると述べた。
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( 翻訳者:清川智美 )
( 記事ID:19773 )