ユネスコ(国連教育科学文化機関)は、歴史地区が危機的状況にあり、イスタンブルを世界遺産リストから抹消するべきだという請求を、満場一致で否決した。
ブラジルで開かれた世界遺産委員会は、文化省とイスタンブル広域市が実施した取り組みを高く評価し、イスタンブルを危機遺産リストに登録する必要はないと判断した。ただ、トルコに対し、今後のためにいくつかの要求がなされた。ユネスコは金角湾メトロ架橋プロジェクトを、自然環境と歴史的景観を壊さないものに変更するよう求め、オスマン時代の木造住宅の保存も含めた包括的な計画を提案した。
ブラジルで開かれた、ユネスコ世界遺産委員会の第34回会議で、イスタンブル歴史地区に関する協議が行なわれた。議場では、ユネスコ世界遺産リストに登録されているイスタンブルの4つの歴史的地区が抱える問題と改善策について話し合われた。会議に参加したトルコ代表団がプレゼンテーションを行い、質問に答えた。議論の結果、文化観光省とイスタンブル広域市が実施してきた昨今の肯定的な歩みとアプローチ、それとともに示された具体的な努力が配慮され、イスタンブルを「世界遺産リスト」から抹消し、「危機遺産リスト」に登録するという請求は、満場一致で否決された。ユネスコは、イスタンブルを世界遺産リストに登録する理由として、スレイマニエ・モスクが人類の英知が込められた、他に類のない建築物であり、オスマン建築の最高傑作であることをあげている。
■ イスタンブル広域市:『イスタンブルは勝利した』
この決定に、イスタンブル広域市は喜んだ。書面による発表では『イスタンブルは勝利した』という見出しとともに次のような内容が書かれていた。:「金角湾メトロ架橋に異議はなかった。さらにフォーシーズンズホテルの増築が、裁判所の決定によって止められるのは好意的に受け止められた。また文化観光省が、オスマン時代の木造建築保存のために、保存実施検査局(KUDEB)を設置したことが高く評価された。
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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:19818 )