アーザーディー・スタジアムで観客が暴動
2010年07月29日付 Jam-e Jam 紙

ボトルが投げ込まれ、ベンチに火が放たれ、窓ガラスは割られ、施設は破壊され、そして何よりもひどいことに、ファンの間で罵詈雑言の嵐が吹き荒れる‥‥。これらは、〔‥‥〕テヘランのアーザーディー・スタジアムを覆い尽くした「無軌道ぶり」の一端に過ぎない。

 火曜日の夜、スタジアムの荘厳な雰囲気が一部の観客の下劣な行為によって壊されるという出来事が起きた。こうした状況はこれまでも何度かあったことだ。しかし今回〔関係者らにとって〕特に大いなる警鐘となったのは、事件が数多くの観客「もどき」によって引き起こされたことであり、違法行為に関係した観客たちと、分別のある「真の」観客たちとを簡単に分けることが不可能だったことである。

何が起きたのか

 全ては、「テラクトルサーズィー」〔※「トラクター製造」の意。タブリーズにホームを置くサッカー・チーム。タブリーズはトルコ・アゼリー系の住民が多く住む土地で、彼らは独自の「民族的」アイデンティティをもつ。アゼリー系の住民はテヘランにも多い〕と「ペルセポリス」〔※テヘランの人気名門チーム〕のそれぞれのファンのケンカから始まった。この2チームのファンは、自分たちが応援するチームがイランで最も人気のあるチームだと自任していたのだ。〔‥‥〕

 こうした〔一触即発の〕状況は、タブリーズ人のファンたちがこのチーム〔=テラクトルサーズィー〕のゴールの後ろに陣取っていたカメラマンに向かってボトルを投げ始めたことで、さらに燃え上がることとなる。〔‥‥〕

 ペルセポリスがゴラームレザー・レザーイー選手のゴールで先制すると、ボトルの投下に代わって、ベンチに火が放たれ、セメント製の台座が壊され、罵詈雑言が飛び交うようになった。キャリーム・バーゲリーといった選手にさえ、同郷の者たちの口汚いヤジは容赦なく浴びせかけられた。〔※キャリーム・バーゲリーはペルセポリスのミッドフィールダー。彼はタブリーズ出身であることから、テラクトルサーズィーのファンたちと同郷で、アゼリー系なのだが、にもかかわらず、彼にもタブリーズ人の罵声が浴びせられた、ということ〕

 観客らの今回の無法行為はあまりに大々的で、イラン国営放送はゲームの終了前の三十分間、スタジアムからの音声を史上初めてカットすることを余儀なくされたほどだった。

 結局、この騒動によってスタジアムのベンチ123脚が壊され、その他の施設や電気設備も損害を受けた。例えば、手すりや案内板、中央ビュッフェの窓ガラス、通路の蛍光灯、衛生施設などである。

〔後略〕

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( 翻訳者:留置彩加 )
( 記事ID:19857 )