「ウィーン・グループ」に対してイラン側が回答(1):協議に参加する用意を表明
2010年07月28日付 Jam-e Jam 紙
イラン・イスラーム共和国は、燃料交換問題をめぐる書面での駆け引きを続けるなかで、月曜日にウィーン・グループへの回答書をIAEA(国際原子力機関)事務局長に提出した。
〔燃料の交換問題をめぐる〕書面による駆け引きの新たな段階が始まったのは、イラン・トルコ・ブラジルの3カ国が今年のオルディーベヘシュト月27日〔西暦2010年5月17日〕の3カ国協議で、〔テヘラン〕宣言を発表したことがきっかけだった。その宣言のなかで、イランは濃縮度3.5%のウランをウィーン・グループに渡し、その代わりにテヘランの〔研究用〕原子炉で使用する濃縮度20%のウランを受け取る構想に対し、全面的に応じる用意があることを表明していた。
イランはホルダード月3日〔西暦2010年5月24日〕、IAEAへの書簡の中で、同機関ならびに米仏露(いわゆるウィーン・グループ)に対し、正式にテヘラン宣言の詳細について通知した。
テヘラン宣言で、イランは濃縮度3.5%のウラン1200㎏をトルコに預け、これに対してウィーン・グループも1年以内に、テヘランの〔研究用〕原子炉に必要な濃縮度20%のウラン120㎏をイランに引き渡す構想に同意した。
〔IAEAに送付された〕イランのこの書簡は、しばらく回答のないまま放置されたが、ついにホルダード月19日〔西暦2010年6月9日〕、イランに対する4度目の国連安保理決議が採択されるのと時を合わせるかたちで、天野之弥IAEA事務局長は同理事会に対し、テヘラン宣言への回答として仏・露・米三カ国から書簡を受け取ったことを通知したのであった。
その一方で、政治専門家の多くは、テヘラン宣言がイラン核問題の解決にとって格好のチャンスとなるだろうとの見方を示しており、新たな〔対イラン制裁〕決議採択に米国とその同盟国が固執していることは、彼らの不誠実さの表れに他ならないと指摘している。
いずれにせよ、ウィーン・グループ諸国からイラン政府に対して個別に書簡が送られてから約1カ月半後の先の月曜日〔=7月26日〕、IAEAイラン常任代表のアリー・アスガル・ソルターニーイェ氏は天野之弥事務局長と面会し、テヘランの〔研究用〕原子炉の燃料交換に関し、イランはウィーン・グループと交渉を行う用意があることを、新たに書面で正式に表明した。
イラン、交渉に無条件で参加する用意を表明
ソルターニーイェ氏はIAEAにこの書簡を提出した後、「この書簡の重要かつ明確なメッセージとは、イランはテヘランの〔研究用〕原子炉への燃料供給に関する交渉に、無条件で参加する全面的な用意がある、ということだ」と述べた。
〔中略〕
つづく
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( 翻訳者:上山詩織 )
( 記事ID:19866 )