バシュブー参謀総長の失態―高等軍事会議混乱の背景
2010年08月07日付 Yeni Safak 紙
バシュブーは事態を収拾できず
クーデターの容疑やテロとの闘争における軍部の怠慢、また、「インターネット情報」などが取りざたされている中で行われた歴史的な高等軍事会議(YAŞ)で、バシュブー参謀総長は今後の軍事体制ヒエラルキーを整えようと試みたが、それが混乱を引き起こした。バシュブー参謀総長は、解決のために十分に尽力せず、彼の最後の重要な任務においても、非合法活動をしたとして事情聴取に召喚された将校らを守ったことは、普通なら高等軍事会議の通常会合の中で問題なく行われるはずの人事を混乱に陥れた。
イルケル・バシュブー参謀総長の在任期間における最後の高等軍事会議で、彼は、今後の軍事体制ヒエラルキーを整えようと試みたが、それが混乱を引き起こした。バシュブー参謀総長は最後の重要な任務においても、違法活動をしたとして事情聴取に召喚された将校らを守ろうとしたことや、この問題が法に則った形で解決されるために十分に尽力しなかったことなどが、普通なら問題なく行われる人事を混乱に陥れた。
高等軍事会議で、軍隊、すなわち新しい指揮命令系統に関する見解の不一致がこの1週間、かけ巡った。第1軍司令部ハサン・ウースズ大将をはじめとして、バルヨズ・クーデター計画の一環で逮捕命令が出されたものたちに関して政府は原則に沿った決定を下していたが、それに対しバシュブーは混乱の原因となるような態度を示した。政治的決定に組しないバシュブーの態度のために、トルコ軍(TSK)の最上級の2つの地位である参謀総長と陸軍総司令官への人事を行うことができなかった。
■バシュブーは「非合法なものをかくまったりしない」と発言していた
バシュブー参謀総長は、以前、軍人らの様々な非合法的計画や明るみにでた文書に関し行った説明で、「民主主義と法治国家原則に反する行動をとったり、またその可能性のある人員を、トルコ軍内にかくまうことはありえない」という約束をしていた。しかし最近の高等軍事会議での展開は、バシュブー参謀総長のこの発言と矛盾する状況を明らかにした。
■もはや機能しない
バシュブー参謀総長は問題の解決に向けて建設的な提案を出さず、そのため解決過程において文民側が進める試みも、全く機能しないと考えられていた。アブドゥッラー・ギュル大統領が一昨日(5日)、バシュブーの代わりに参謀総長に任命されるとみなされていたウシュク・コシャネル陸軍総司令官と官邸でこの問題に取り掛かったことは、この考えを強めることになった。この展開に続き、昨日(6日)、バシュブー参謀総長はレジェプ・タイイプ・エルドアン首相との話し合いを要請した。
■攻撃の応酬
アブドゥッラー・ギュル大統領とレジェプ・タイイプ・エルドアン首相が、「インターネット情報」の準備を命令した第1軍司令官のハサン・ウースズ大将が陸軍総司令官に任命されることに異議を唱えたことで始まったこの混乱で、両者の攻撃は続いている。エルドアン首相は、9月12日に行なわれる国民投票のために全国を飛び回り、国民と会っているが、一昨日の深夜、危機を乗り越えるために何人かと話し合いを行った。エルドアン首相は深夜戻ったアンカラで、23:15に開始し深夜まで続いた会議で、ヴェジディ・ギョニュル国防大臣とベシル・アタライ内相、エフカン・アラ首相府事務次官と話し合い、解決策を模索した。話し合いでは、軍警察総司令部が直属する内務省に退官願を提出した(軍警察総司令官)アティラ・ウシュク大将が、この要請(陸軍総司令官)を受け入れるかどうかも議題に上った。退官願いが受け入れられず、アッティラ・ウシュクが陸軍総司令官の任務につく可能性も話し合われた。
■軍総司令官らは司令本部にいた
23日以降、退官予定のイルケル・バシュブー参謀総長は、昨日、軍総司令官らを司令本部に呼んだ。バシュブーは、軍総司令官らと軍警察総司令官を司令本部に呼び、長時間会談を行った。バシュブーは、今後の展開について、軍司令官らとともに注視していくと述べた。司令官らが司令本部で会合を持つ少し前に、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相はヴェジディ・ギョニュル国防大臣と会談を行った。エルドアンは、首相官邸で金曜礼拝を行った後、会談を続けた。会談は1時間以上続いた。ギョニュルはエルドアンとの会談の後、参謀本部に向かい、軍司令官らとバシュブーの会合に加わった。
■「私は自身の希望で退官した」
退官を望んでいたアッティラ・ウシュク軍警察総司令官は、この決定を自身の希望に基づき行ったと語った。コシャネルは、NTVに対して行った短い書面の声明で、決定は完全に個人的なもので、彼自身が下したものであると語った。ウシュクは、「法的責任の期間(任期)を満了したら、完全に自身の希望に従い退官手続きをとってくれるよう申請しました。8月5日午前に退官願いを提出しました」と語った。ウースズの代わりに軍警察総司令官のアッティラ・ウシュク大将が陸軍総司令官になることが昨日議題にあがっていた。しかしアッティラ・ウシュク大将は、驚きの発言で任務を拝命せず退官を望んだ。アッティラ・ウシュク軍警察総司令官のこの決断は、他の司令官らの圧力の結果であるとみなされていた。ウシュク軍警察総司令官は、これらの主張に対し、NTVに短い書面の声明を発表した。アッティラ・ウシュクは声明で次のように述べた:「法的責任の期間(任期)を満了したら、完全に自身の希望に従い退官手続きをとってくれるよう、8月5日に申請しました。この私の声明以外にいくつかのメディアで流されているニュースや情報は正しくない事を、国民の皆さんに敬意を持ってお伝えします」
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:19882 )