ハッキャーリ市中心部とシェムディンリ郡において平和民主党によって組織された「民主的自治区を作ろうDemokratik Özerkliği Sahiplenme」デモ行進で事件が起きた。ユクセコヴァ郡において朝から続いていた緊張状態のためデモ行進が中止させられ、デモ隊が警察と衝突した。
ディヤルバクルで2日間続き、民主的自治区も議題になった「民主社会会議Demokratik Toplum Kongresi 」のあと、昨日ハッキャーリ市中心部とシェムディンリ郡で午後行われた「民主的自治区を作ろう」デモ行進の間に事件が起こった。ハッキャーリでデモに参加するためブヴァル通りにある平和民主党県支部の前に集まったおよそ500人が行進をしようとしたが、警察が阻止しようとした。
■市中心部が戦場に
警察は集まった群衆に対し装甲車から「解散せよ」と警告し、行進する事を望むデモ隊を、放水と催涙爆弾を使って解散させようとした。このため市中心部が一瞬のうちに戦場のようになり、裏通りに散ったデモ参加者らは警察に石を投げて応戦した。事件の間に2名のデモ参加者が逮捕された。昼ごろから商店のシャッターが閉まっていたシェムディンリでは、集まった群衆が声明文をよみあげたあと治安対策を講じる警察部隊に石を投げ事件が始まった。警察はデモ隊に放水と催涙爆弾で攻撃した。ユクセコヴァでも平和民主党によって午後2時に行われることが計画されていた「民主的自治区を作ろう」デモ行進が、郡における緊張状態のため中止されたあと事件が起きた。
朝からパン屋と薬局以外の全ての職場が閉まっていた郡中心部の多くの場所に集まった100人ずつのグループが事件を起こした。郡中心部の多くの場所で道にバリケードを作り火をつけるデモ参加者らに、警察は放水と催涙爆弾を使って攻撃し、覆面をしたデモ参加者らは警察に石を投げて応戦した。大通りと路地において警察とデモ隊の間で時折追いかけっこが起こった。デモ隊はジェンギズ・トペル通りにある空きビルにクルド労働者党(PKK)の「国旗」といわれるものをつるした。郡全体で続いた事件で警察は、あちこちのビルに掲げられたクルド労働者党の「旗」を降ろし、デモ隊を放水と催涙爆弾で解散させた。
■警察宿舎に火炎瓶
ハッキャーリで昨日昼ごろ起こった事件は夜も続いた。カトゥラマズ、ダーギョル、ガーズィ、ケクリプナル、ペフリヴァンの各街区で道にバリケードを作った50人ずつのデモ参加者グループは、警察に石と火炎瓶で攻撃した。市中心部にある新警察宿舎にも火炎瓶が投げ込まれた。警察はデモ隊を解散させるために放水と催涙爆弾を使った。
■以下は、平和民主党が議論する自治区の概要
1.トルコは、政治・行政システムにおける民主化を保障する目的で根本的な改革を行う。
2.同改革は、国家の諸制度を変更するだけでは問題が解決されないことを認識し、社会の基本的な要件の改善を改革の基本に置く。
3.問題の解決策の検討にあたっては、地方の強化と、市民に発言権と決定権を付与するという考え方を基本とする。
4.決定プロセスへの市民参加を実現するため、民主的参加の原則を守り、さまざまなレベルの地方区分で議会システムを基本とする。
5.単に「民族」と「土地」を基本にした自治区の理ではなく、文化的差異を自由に表現できる地域的・地方的システムを主張する。
6.「国旗」と「公用語」は、全トルコ国民(Türkiye Ulusu)に通用するものの、その一方で、各地域と自治区単位は、それぞれ自身の色とシンボルで民主的な固有の行政単位を象徴させる。
7.民主的自治区行政体は、「地域議会bölge meclisi」として組織され、議会で任務を行う人たちは「地域議会議員」て定義される。議会は、議長と分野ごとの執行委員会メンバーyürütme kurulu üyelerininを別々に選ぶ。議長と執行委員会メンバーは議会が行った決定の実施に責任を持つ。
8.地域はそれぞれその地域の固有の名前、または地域議会の権限の及ぶ範囲中にある最も大きな県の名前で呼ばれる。
9.民主的自治区モデルにおいて県知事は、中央政府と地域執行委員会が行った決定を適用する任務にあたる。各省庁の地方組織も同じ手続きに従う。県議会、地方自治体、街区長のようなその他の行政制度は、現状のまま維持される。
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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:19910 )