ミッチェル特使のイスラエル訪問延期、ならびにガザ電力問題
2010年08月08日付 Al-Ahram 紙
■ミッチェル氏の訪問が遅れていることに関するイスラエルのニュース
2010年08月08日付『アル=アハラーム』紙(エジプト)HPアラブ諸国面
【エルサレム、パリ:通信各社】
イスラエルの政治情報筋は、アメリカのジョージ・ミッチェル中東和平担当特使が、パレスチナ路線での和平交渉を進めるために予定していた訪問を延期するだろうとの見方を表明した。
同筋を引用したイスラエルの報道は、その[延期の]理由は、パレスチナ側による直接交渉再開拒否であると伝えた。
一昨日の夜ワシントンでは、クリントン国務長官が潘基文国連総長と電話会談を行い、和平プロセスならびにパレスチナ直接交渉再開に向けた努力について話し合った。会談では、中東情勢および直接交渉推進における中東和平カルテットの役割も話し合われた。
また、ニコラ・サルコジ仏大統領は、ジャン・クロード・クスラン[Jean-Claude Cousseran]元駐ダマスカス並びにカイロ仏大使をシリア・イスラエル間和平交渉の仲介者として任命した。一昨日の夜、仏外務省報道官は、クスランの任務が和平プロセス・シリア路線推進であり、彼の任命について関係各国に周知したと述べた。
他方ガザでは、昨日早朝、必要な工業用燃料が尽きたことにより、同地唯一の発電所が稼働を停止した。発電所の稼働状況についてラーマッラーのパレスチナ自治政府大蔵省に責任があると議論されていた最中のことであった。ガザのエネルギー局の声明によれば、ラーマッラー政府は、電力配給会社が全収入をラーマッラーへ送金し続けていると知りながら、工業用燃料をガザに供給するための適切な措置を怠っている。
ガザのエネルギー局は、ガザ住民を罰するような真似はしないようラーマッラーの大蔵省に要請するとともに、ガザの電気不足による悲劇の責任は完全にパレスチナ自治政府サラーム・ファイヤード首相にあると主張した。
この数カ月ガザの電力配給会社は、発電量に合わせた電力配給プログラムに従い、各地で毎日8~10時間の停電を実施している。
ガザ住民が要する電力の30~40%をカバーする唯一の発電所は、燃料不足のためこれまでに何度も操業を停止している。この責任の所在をめぐり、ガザのハマース政府とファイヤード政府は互いを非難し合ってきた。そして人口150万のガザは、たび重なる停電に苦しんでいる。
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:風間満 )
( 記事ID:19913 )