今年のエジプトのラマダーンは電飾も省エネ、選挙絡みの“ラマダーン袋”が大人気
2010年08月11日付 al-Hayat 紙
■ エジプトのラマダーン、電飾も省エネ
2010年08月11日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HP1面
【カイロ:アミーナ・ハイリー本紙記者】
亡きムハンマド・アブドゥルムッタリブに、半世紀以上前に彼が歌った有名な曲『嬉しいラマダーンがやってきた(ラマダーン・ガー・ナー)』をまた歌ってくれと手紙を書いたら、きっと「歌詞を変えるべきだ」と言い張ることだろう。「ラマダーンがやってきた ようこそラマダーン 嬉しいな いろんな形と色の 飾りを飾ろう」などと言って、市民を唆そうとはしないはずだ。そんな祝い方をした人は、刑務所にぶち込まれるか、法外な罰金を支払わせられるか、あるいはその両方を喰らうかもしれない。エジプト全土で厳しい節電政策がとられている影響が、エジプト諸都市の街路特有の巨大な電気式ランタンや電飾に、暗い影を落とすことになりそうだ。
ほとんどの食料品の価格が異常に高騰している中で、神聖なるラマダーン月の始まりと共に、エジプト人はこの強制的な節電政策に従う羽目になった。いくつかの地区で肉の値段が1キログラムあたり100エジプトポンドを超えたのをはじめ、家禽類は断食月が始まる前の数日に異常なまでに値上がりし、砂糖や米にいたってはこの数週間、恐ろしく品薄な状況が続いている。
今年は前例のないほど「ラマダーン袋」が出回っており、何百万人ものエジプト人がそれに殺到している。中にはそれを貧しい人に寄付するのが目的の人もいれば、自分用に買う人もいる。奇しくも今年のラマダーンはエジプトの人民議会選挙の準備期間にあたっており、立候補者たちは有権者の胃袋をまずは惹きつけ、次いで票を獲得するために、この「袋」を利用している。社会連帯省が選挙の宣伝の手段として「ラマダーン袋」を使用することを禁止する通達を出したにもかかわらず、候補者からのこの「プレゼント」が配布されている場所に人々が詰めかけていることは、その通達が施行されていないに等しいということを示しており、一部のずる賢い人たちは、「袋を配っているのは与党の国民民主党所属の候補者たちだ」と解釈している。(後略)
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( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:19936 )