30年間にわたる遅延の末、ついにモルダード月末〔8月21日頃〕にも、ブーシェフル原発が物理的に稼働する見込みとなった。
このことに関連し、イランのアリー・アクバル・サーレヒー原子力庁長官は、ロスアトム社の社長が近くテヘランを訪問する予定であることを明らかにした。
ファールス通信の報道によると、サーレヒー長官は、ロスアトム社のセルゲイ・クリンコ社長が来週テヘランを訪問する予定であると述べた。同長官はその上で、「現在、ロシアの一行がテヘランを訪れており、そこでブーシェフル原発の関係者たちと協議・話し合いを行っているところだ」と語った。
クリンコ社長のイラン訪問の理由は、モルダード月30日〔8月21日〕にブーシェフル原発が物理的に稼働するためである。同原発の主要施工業者であるロスアトム社の報道官は昨日、ロシア・イタルタス通信とのインタビューのなかでこう明らかにした。さらにサーレヒー長官も、このことについて「来週にも、ブーシェフル原発用の燃料を貯蔵場所から原発の本体内部、つまり炉の中心部の横にあるプールに移動するべく、態勢を整える予定だ」と述べている。
同長官はこのことに関し、さらに「炉の中心部横に燃料ユニットを移動した後、炉の中心に燃料を注入するまでに7〜8日間、間を置く必要がある」と付け加えた。
サーレヒー長官はこのことについて、「モルダード月30日〔8月21日〕に燃料の移動が開始されるといっても、その時点で同原発の稼働が始まるわけではない。炉の中心部横のプールに置かれた165個の燃料ユニットを炉の中心に注入するまで、その日から7〜8日の間を置く必要がある」と解説した。
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ブーシェフル原発の建設は、イスラーム革命前、すでにドイツのジーメンス社によって始められていた。しかし革命の勝利後、西側の圧力の下で、ドイツは原発建設から撤退、ロシアの「アトム・ストロイ・エクスポート」社が原発建設を請け負うことになった。しかし今日まで、ブーシェフル原発の稼働はさまざまな理由によって延期され、双方の合意にもかかわらず、ロシアはプロジェクト完了を30年以上にわたって引き延ばしてきた。そして電力生産用の同原発に関する最新ニュースのなかでついに、モルダード月30日にも燃料の移動が開始されることが発表されたのである。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:19944 )