9.12国民投票後のトルコ、3つのシナリオ
2010年08月19日付 Radikal 紙

9月12日に行われる国民投票は、まるで総選挙のようなある種の雰囲気を醸し出している。国際通信社であるロイターは、3種の結果がもたらす今後のシナリオを予測した。

ロイターは、国民投票の結果が公正発展党(AKP)の改革に対する評価や支持率を示すという点で非常に重要であると分析。軍事政権下で制定された憲法を改定することについて、トルコ世論の合意が成立し、それによって浮動票が賛成に回ると見ている。
投票結果による3つのシナリオは以下の内容である。

1.賛成多数の場合

2011年の総選挙でAKPは非常に有利になる。市場はこの結果を、与党がトルコ政治を変えようとしていることへの支持と判断し、肯定的に受け入れるだろう。与党が圧倒的に勝利することは、トルコのEU加盟を推し進めることにもなる。賛成が圧倒的多数であった場合は、エルドアン首相は2011年7月の総選挙を早める可能性があるが、本人はこれをたびたび否定している。

2.僅差で賛成多数の場合

EU加盟交渉が中断することはないが、内閣支持率に不安感が生まれる。ここで重要となるポイントは、改革に野党がどれだけ支持を示したかである。アンケートでは、多くの野党支持者が、党方針に反して賛成票を投じるという傾向を示している。国民投票の後、与党は2011年の選挙に向けて支持を集めるため、支出を増やしていくだろう。市場は法案通過後もこの支出が増える可能性を注視する。憲法改正法案が承認されることは、クルド問題やクーデターの脅威に対し、政府が新しい一歩を踏み出す可能性を意味するだろう。

3.反対多数の場合

EU加盟に向けた改革、AKPの3期目の政権維持、いずれも困難になるだろう。市場はこの結果を、不安をもって迎えることになる。与党が選挙前に支出を増やす可能性は高まり、それが財政再建の中断につながる。インフラが進み、中央銀行の金利も引き上げを余儀なくされる。数年後には連立政権の可能性も出てくるだろう。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:19985 )