政府は、何百件もの裁判が開かれ禁固刑が課されてきた新聞記者へのこの不当な扱いを防ぐため、行動を起こした。
報道広告協会のメフメト・アタライ会長は、報道に関する禁止の撤廃を含めた草案を用意し、ビュレント・アルンチ副首相とトルコ大国民議会(TBMM)のメフメト・アリ・シャーヒン議長に提出した。アタライ会長は、「法改正は国民投票の後に、国会で議題となるだろう」と述べた。
報道の自由の拡大と、記事に関し新聞記者が頻繁に取調べを受けたり、収監されたりする問題の撤廃を目指して続いてきた取組みが完成した。国民投票の後、TBMMで審議にかけられることが明らかになった。これに尽力した報道広告協会は、 2つの法律に関する22項目の改正内容を明らかにし、ビュレント・アルンチ副首相とメフメト・アリ・シャーヒンTBMM議長に提出した。
発表では、トルコが世界196カ国のうち、報道の自由の観点から108位であることが指摘され、「非常に残念なことに、今日トルコでは多くの新聞記者に対して様々な裁判が開かれており、これらの新聞記者は様々な罰金刑や禁固刑を受けている。多くの新聞記者は、職務を正しく遂行する代償に命をかけている」と述べられている。報告書の冒頭部では、「世論に情報を伝えること以外に何の目的も持たないジャーナリズム活動が、法的な手段で制限されることは嘆かわしいことである」と述べられている。
■ススルルク捜査では正義だった、エルゲネコン捜査では罪
また、エルゲネコン捜査の過程において、記者たちに対して行われた取り調べと裁判の数が5000件を超えたことも指摘されている。ここで興味深い例がひとつあげられ、「ススルルク捜査の過程においては、裏組織との闘いは、正義と権利の追及と見なされたが、エルゲネコン捜査では罪だとされている」という評価がされている。
報道の自由について、特にEU加盟国における自由な水準を基準とし、広範囲に及ぶ報道問題の解決が求められている。報道広告協会が取り組み、政府閣僚に提出された報告書では、報道の自由の分野で問題を含み、新聞記者が最も多くの処罰された条項が取り上げられている。報道広告協会が政府に提出した提言によると、トルコ刑法(TCK)の20項目とテロ対策法(TMK)に含まれる2項の改正が求められている。これらの間では、特に多くの新聞記者が罰を受けた「公正な裁判を妨害する企て」と題する第288条が注目されている。この条項では6ヶ月から3年の禁固刑が定められている。しかし、罪が報道という方法で行われた場合には、その罰は禁固1年から6年までに引き上げられる。
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( 翻訳者:林奈緒子 )
( 記事ID:20042 )