エジプト農業相「小麦の完全自給は不可能」
2010年08月28日付 Al-Ahram 紙

■アバーザ大臣「小麦の完全自給は不可能」

2010年8月28日付『アル=アハラーム』紙(エジプト)HP1面

【カイロ:ウサーマ・アブドゥルアジーズ、ムハンマド・ガーネム】

アミーン・アバーザ農業・土地開拓相は、「小麦の自給率100%を達成するのは不可能である。なぜなら、この達成には、現在の270万から310万フェダーンの小麦用農地に代わり、年間で450万から500万フェダーンの農地が求められるからだ」と断言した。

また、「農業戦略によって、現在の60%の[小麦の自給率]に代わり、2017年までに70%の達成が可能だ」と指摘した。

本紙との対談で同相は、「世界市場はオープンであり、エジプトは孤立した国ではないため、世界的な小麦価格の高騰や外国の小麦輸出禁止策を危惧している」と述べた。

また、「政府は農家への麦作拡大支援のために多大な努力をしている。特に、エジプト小麦独自の品質[の開発]と、輸入小麦とブレンドする際の必須グルテンの割合を上げることが求められている」と指摘した。

さらに、「ムバーラク大統領は、政府に小麦農家への支援として世界[の標準]価格を超える対価を農家に出すよう命じた。これは今季中に実施される。1トンの小麦が世界価格にして1200エジプトポンドの時に1875エジプトポンドで供給される。約16億エジプトポンドの国家予算を使い、約50万の農家に利益をもたらす」と付け加えた。

同大臣は、1アルダッブ(1980リットル)の小麦の供給価格は300エジプトポンド以上、トウモロコシについては、業者がごまかさないよう農家に対する保証価格が1アルダッブ当たり200エジプトポンド以上となることを期待すると述べた。[トウモロコシの]市場価格は230エジプトポンド以上、1カンタール(45キロ)の高級長繊維綿は1000エジプトポンドである。

さらにアバーザ大臣は、「国は、カイロ・アレキサンドリア間砂漠道路沿いの農地上に、7%と定められた割合を越えて建設された建物から違反金を得ることになっている。額は約30億エジプトポンドに上る」と述べた。

また、「世界各地の市場に対する、我が国の青果並びに加工農産物輸出の総額は220億エジプトポンドに上る。今年が終わる前に、砂漠地域を自由に用いる事を許していた法律は失効し、その土地の[自然な]活動を変えてしまう恐れのある土地利用については規制が適用されるだろう。その効力は遠隔地にも及ぶ」と強調した。

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( 翻訳者:桑原奈緒子 )
( 記事ID:20077 )