エジプト、小麦価格高騰でパン危機のうわさ
2010年08月21日付 Al-Ahram 紙

■貧しい人々が援助のパンに列をなす

2010年8月21日付『アル=アハラーム』紙(エジプト)HPコラム 面

【ヒバ・ハッサン】

 世界的に小麦価格が高騰しているという悪いニュースが流れると、各地で[政府から補助金が出ている]援助パンの価格高騰や軽量化が噂となった。

 巷の状況を調べるためにナイルの川岸を歩きまわって驚いた。人々は援助パン(1つ5クルシュ)を得るために早朝からパン屋に列をなしている。我々が主婦サニヤ・ムルシーにこの混雑の理由を尋ねると、パンをめぐる切迫した非常事態の「可能性」を耳にしたが、彼女の家では[政府補助を受けていない]高級パンで需要を満たすことができないのでと進んで答えてくれた。また同じ列にいた彼女の友人も、高級パンの価格高騰と「軽量化」は実際起きている、高級パンはそれを買うことができる人向けであり、食糧供給監視の範囲外にあるものだからと述べた。さらにパン屋の店主は、行列が復活した主な原因は消費をコントロールするために援助小麦粉の割り当てを減らしたことにあり、その結果市場へ小麦が流れ、そして洋菓子店を含む菓子屋で使われたりしていると述べた。その男性は、パン屋への日夜の監督を厳密に行いながら毎日の小麦供給量を増やすよう当局の責任者に訴えてくれと我々に要請した。

 また、カイロ県パン製造部局長ファルグ・ワヒバは、パンの価格を「動かす計画」の存在を否定し、パン屋への小麦割り当て量は変化がないが、ラマダン月の常として消費量は増加しているため、幾つかの地域では需要に応じて割り当てを増やすようにとの要請が出ていると述べた。

 ドッキー やアゴーザ地区における世論調査によると、25クルシュから30クルシュに値上げされた高級パンに比して[援助パンを売る]公共のパン屋の数が不足しているとの不満がささやかれていた。アゴーザ在住の会社員サリーム=マフムード氏は生活必需品の価格が徐々に上昇している状況の中、300ポンドより上がらない月収で家族を扶養するという現実的な問題に直面しており、パンの価格上昇には対応できないと述べている。

 援助パン屋は国内でたった19,000である。その数は果たして需要に対して十分なのだろうか。闇市では良質な小麦の価格が300ポンドにまで上昇している。果たして市場を監視する食糧供給監督官の数は十分なのだろうか。

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( 翻訳者:今井花南 )
( 記事ID:20078 )