「刑務所をなくそう」エルドアン首相のディヤルバクル演説
2010年09月04日付 Hurriyet 紙
タイイプ・エルドアン首相は、ディヤルバクル・ミーティングで、この地域の悲劇的な出来事を例に挙げながら「みなさんの痛みはよくわかります。我々の祈りは共通のものであり、同じ方向を向いています。民主主義の闘争(の勝利)を、アラー(の存在)と同様に信じて疑いません、この闘争が無駄になることはありません」と語った。
平和民主党(BDP)のボイコットの効果が期待される都市で、エルドアンは「脅しに屈せず」投票所へ行き「(憲法改正に)賛成」票を投じることを訴えた。そして「9月12日の国民投票は友好関係を壊そうとするものに対するマニフェストである」と語り、次のように演説した。
■ ディヤルバクルへの熱い思い
今日、みなさんに心を開き、誠意をつくしてお話ししたいと思います。御存知でしょうが、ディヤルバクルに対し特別の思いがあります。詩人アフメド・アリフはかつて「あなたを花々のように思いたい。あなたをディヤルバクルのように」と言っています。
■ 投獄されてわかった
我々の仲間は大変な困難を経験しました。ある詩を読んだために、私は裁判にかけられ、有罪判決を受けました。そしてプナルヒサル刑務所へ入ったのです。四方の壁に囲まれ、国民の良心の祈りと向き合いました。自由の価値を、投獄先の壁に囲まれた空間でより理解しました。民主主義の可能性を、その当時、より深く感じました。我々に敵対する者は、我々を引き離そうとし、我々を無視しました。我々はこの国の牢屋で死んでいくときの感情がどのようなものなのかを非常によく理解できました。
■ みなさんの苦しみを知っています
信仰や礼拝、頭にかぶるスカーフのために疎外されることが、どういったものなのか、我々はよく知っています。真夜中に道の真ん中で首に発砲され殺され、暗殺者は夜の暗闇の中に消えて二度と現れない、そうした苦しみをよく知っています。家に踏み込まれ、ぐちゃぐちゃにされる、それがどういうことなのかを知っています。村の広場に集められた村人に与えられた苦痛をよく知っています。
■ 母の涙
刑務所にいる息子を訪ね、母が息子と一言もクルド語を話せない、そんな母の苦しみを、悲鳴を、はちきれてしましそうな心のざわめきを、我々はよく知っています。息子が殉教したチョルムでの母親の涙は私の心に流れています。息子を山で武装団にさらわれ、テロ組織に奪われて公然と殺された母親の涙は私の肺の中を流れています。アペ・ムサの、ムサ・アンテルの痛みを我々は忘れません。ディヤルバクル刑務所で7年間拷問を受けたアブドゥッラヒム・セマーヴィの苦悩を我々は忘れません。シヴァン・ペルヴェルの無念を感じずにはいられません。アフメト・カヤの異郷での死を記憶から消す事はないでしょう。
■ 刑務所再び
ああ、あのディヤルバクル刑務所、9月12日の後に起こることを教えてくれれば。あの5つの部屋の壁が語り始め、ここでいかなる拷問が行われたかを話してくれれば。我々はディヤルバクル刑務所を閉鎖します。新しい刑務所は、できるだけ早く作ります。完成と同時に周知のこの刑務所は壊します。その存在が、我々に絶えず9月12日を思い出させる、もうそんなことはやめたいのです。
■ バフチェリはディヤルバクルへ来るべきだ
色んな人が出てきては話しています。何を?「首相はディヤルバクルで何を話すのか。どんなメッセージを発するのか」と。ここではBDPが、エルズルムではバフチェリが。彼らは様々な仕事を放棄し、我々に関する話題作りに苦しんでいます。バフチェリ党首、そんなことはやめて、語るべき言葉や解決策があるのなら、ディヤルバクルへ来なさい。いうべきことをここの広場でいいなさい。外から詩を読んでいても何にもなりません。トルコの全体性は闘いでは防げません。一部の人について何を言っているのか、彼らはなにがしかの民族要素を代表しているのです。ある政党について、得票をえられない政党だと言っているのです。その政党とは共和人民党(CHP)のことです。今もそういう所にいます。ごらんなさい。この首相は、東で別の、西で別の、北で別の、南で別の話をするような首相ではありません。
■ 公正発展党(AKP)からクルド語のプラカード
-首相がミーティングのある駅広場へ来る前にBDPの、「ボイコット」と書かれたポスターが掲げられた掲示板には、白い布が掛けられた。広場にはAKPの、クルド語で「賛成、賛成、1000回でも賛成」と書かれたポスターが掲げられたほか、「ボイコットでなく、しがらみでなく、強い意志をもって自由にイエスと言おう」「9月12日に来た、9月12日に行く」といったポスターもあった。
-エルドアンが2008年10月に来たとき、ごみが集められていなかった。昨日の早朝から清掃係が街の4分の1の場所でごみを集め、道路を掃除した。
-ディヤルバクル県庁は、街にシャンルウルファとエラズーの消防・清掃用具を運ばせた。
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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:20092 )