イラク駐留米軍戦闘部隊が撤退、今後の情勢に不安の声
2010年09月01日付 al-Sabah al-Jadid 紙
■ 依然として危険に晒されるイラク駐留米軍兵士数万人
2010年09月01日『サバーフ・ジャディード』紙(イラク)HP1面
アメリカのオバマ大統領が米軍のイラクにおける戦闘任務の終了と、「新たな夜明け」作戦の開始を公式に発表したことを受けて、米国内外では(専門家の)分析と世論調査に基づいてオバマ大統領の演説を批判し、イラク戦争がもたらした新たな状況に疑念を示す声が高まっている。
AP通信社のウッドワード・カルヴィン氏は、オバマ大統領が戦闘任務は終了したと述べのに対して、「イラクに残留している米軍兵士数万人は依然として危険に晒されている。そしてまさに今日、彼らは強力な敵に対して、ハムリーン山でイラク軍との危険な新共同作戦を開始する」と述べ、オバマ大統領が「我々はイラクに対する責任を果たした」と発言したことについては、「これは全く、イラクにおけるアメリカの責任をどう定義するかによって違ってくる話だ。宗派間の亀裂は、正常に機能する政府を持たない国の中で今なお明らかに続いているし、イラク再建というアメリカの目標は実現していない。米軍はイラク軍が暴動に対してかなりの程度は自力で対処できるというが、実際にはイラク軍は、領空を支配し、隣国からの攻撃を抑止するために、今後何年間にもわたって米空軍その他の支援を要することが予想される」と述べた。
アメリカはイラクに侵攻し、サッダーム・フセイン政権を転覆させて、同政権の統制下にあった治安部隊を解散させたが、紛争の初期の段階で、宗派及び民族間の亀裂の深さと、国全体の政治機能が麻痺していることを読み誤った。したがって多くのアナリストや観測筋の目から見れば、イラクの現状に対する責任はアメリカにある。今日のイラクには恒久的な政府も、領空と国境を防衛するための完璧な備えがあると言えるような専門的な治安部隊もないのだ。
(後略)
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( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:20093 )