U2ボノ、トルコ講演を終えメッセージ、「なぜエルドアンの招待をうけたか」
2010年09月09日付 Hurriyet 紙

エルドアン首相との面会を果たしたU2のソリストであるボノは、それに対する特別な手記を、英語で発行されたヒュリエット・デイリー・ニュース新聞に送った手紙で公開した。

ボノはその手紙を、デイリー・ニュースの出版責任者であるデイビッド・ジュドソンと、トルコの「国民的花婿」として知られ、デイリー・ニュースにコラムを書いている元ヨーロッパ議会メンバーのオランダ人ジョースト・ラゲンドジクに向けて書いた。トルコでの三日間、そしてコンサートの間、政治に干渉することを避けたボノは、国民投票に関連付けられることに不安を感じたことを手紙で明確にした。そして、これがその文だ。

■チャンスは無限

あなた達の政治は確かに混乱しているが、私の耳に流れてくる最もシンプルで力強いメロディーは、人々は過去の深淵について必要以上に触れたくない、ということだ。人々はここで未来を骨の髄まで感じている。明白な形で良い決定が下されれば、トルコにとって成長とチャンスは終わりがないことを、目にするだろう。

■良心的拒否者スベル

エルドアン首相は、この詩人グループに特別なもてなしのよさを見せ、非常に寛大にも私たちのために時間を割いてくれた。首相とは90分過ごしました。実に多彩な事柄について話し、かなり深刻なものからもっと軽いものまで、様々な話題について語りました。教科書に載っている詩を読んだために、思想犯として扱われ刑務所で過ごす日についても言及しました。人権からスーダンに、パキスタンでの洪水から、イナン・スベルのように良心的拒否者にたいしてふさわしい扱いについてまで、質問した全ての質問に首相はオープンに対応してくれた。良心的拒否者の状況について、詳細を検討すると語った。

■私たちはそれほど繊細ではないのだ。

私たちは首相の招待を受けました。それはいかなる政治的見解をも支援するために行ったものではない。我々民衆寄りでリベラルなロックグループとして、このように重要な国民投票の前に政府とここまで近しい会見を行うことは、両者にとってリスクがあること、そして私たちが意見を加えた場合、両者とも利用される可能性があることを知らないほど甘ちゃんではない。そういう問題ではないのだ。もともとトルコの内政は私たちの仕事ではなかった。アーティストと政府の間にあるこの種の対話に関わる問題とは次のようなものだ:こうした会見が特別なことであってはいけない。全体として社会とは正確に言うと、アーティスト、知識人、スポーツ選手、篤信家、政教分離派の人、そういった全ての人の協力を得ることである。

■新聞記者になっただろう。

アーティストとは、他のクリエーターや批判的な声が抑えられた時、必ず主張するものである。政府の力は、批判者の受容という点で計測することが出来る。自由な出版は民主主義の試金石だ。私がグループの目立った歌手ではなかったら、間違いなく新聞記者になったであろう。それも批判する新聞記者という形で。近い内トルコの刑務所に入る思想犯記者の大半が新聞記者と言うのなら(デイリー・ニュースで出た記事に対して)これが、ここ最近で見られた進歩の大部分を無駄にすることになり、また国を、ご家族をコンサートでもてなしたことに大きな名誉を感じているフェフミ・トスン氏を、暗闇の日に戻すことになるのに賛意する。

■スメイの情報

首相の娘スメイは、発展開発についての知識で極めて説得力があった。そして母と一緒に洪水の被害があった所に援助を送ったパキスタンから最近帰国したばかりだった。今私たちの側には、首相のオフィスの壁から取ったおみやげが一つあります。それは1850年のアイルランド大飢饉の時に、トルコがアイルランドに送った援助の申告書だ。

■ズルフのような結びつきはありえるか?

月曜の夕方、ズルフ・リヴァネリと弟フェルハトと舞台を共有することは、私たちにとって名誉なことだった。ズルフは人々の声を特別な場所に届け、世代間の垣根を解消した。フェフミのために「いなくなった母たち」を歌った。これにズルフが民主主義のために命をなげうった人々のために作曲した「私の勇者、獅子ここに眠る」という曲が続いた。彼は全ステージで歌を一節一節心を込めて歌った。自分自身にU2がこれほど力強い結びつきを作るには、長い時間を積み重ねる必要があると考えた。しかし、最初の出会いとしては悪くはなかった。

■知らずに来て、感動の中別れる

イスタンブルでの時間全てが活動的あるいは心情的な問題に注がれていたわけではない。色々と馬鹿な事もやったっけ。橋を通る時、交通を止めたり、例えば(後ろにいた人、すみません)、ベリーダンスを見たり、土曜日の晩シャンパンを数杯飲んだ。この大都市を右も左も知らずに来て、感動の中別れたということだ。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:智原幸穂 )
( 記事ID:20124 )