明日、いよいよ国民投票日―みんなで投票に行きましょう!―
2010年09月11日付 Yeni Safak 紙
トルコでは、明日、憲法における1980年クーデターの痕跡を過去のものとする諸変更への賛否を決するため、投票が行われる。経験豊富な政治家たちは「投票を」と呼び掛けている。専門家たちは、前回の国民投票で無効票が多かったことから、「票を無駄にせず、あなたの意思を投票に反映させるよう、よく注意してほしい」という呼びかけを行った。
トルコでは明日(13日)、憲法改正法案への賛否を決するため投票が行われる。歴史的な国民投票まで残り数時間となり、「賛成」票と「反対」票の割合が議論される一方、選挙法の専門家たちと経験豊富な政治家たちは市民に「無効票」への警告を行った。
共和国史上トルコでは、5回の国民投票が行われた。最初は、1960年5月27日の軍事クーデター後に「1961年憲法」を成立させるため投票を行った。投票者約1000万人のうち39000票が無効票となった。次の国民投票もまた軍事クーデターの後に行われた。人々は大きな圧力のもと1980年9月12日のクーデターの後の憲法法案に投票した。投票を行った約1800万人の投票者のうち43000票が無効とされた。クーデターという状況下で新たな憲法に対し「賛成」票を投じざるをえなかった市民は、1987年になるとスレイマン・デミレルらの政治活動禁止の撤回についての投票を行った。約2500万人の投票者のうち108万8965票の無効票となった。その1年後の国民投票でも79万3995人が無効票を投じた。
トルコでの直近の国民投票は、憲法裁判所によるスキャンダラスな367決定(大統領選の有効要件として国会の3分の2にあたる367人の参加が必要であるとした決定)のあと、大統領の選出方法を確定するために2007年に行われた。2800万人以上の投票者は大統領を国民が選ぶことを可能にする条項に投票した。この国民投票でも無効票数の割合の高さが明らかになった。65万1658人の投票者の意思は結果に反映されなかった。
■スタンプを使うときに注意を!
選挙法の専門家メフメト・ドアン・クバト弁護士は、投票で正しく選択を表明するため、投票にあたってよく注意をしなくてはいけない、特に投票用紙にスタンプをおす際に注意が必要だとし、「スタンプは、もう片方にはみ出さないように押さなくてはいけません」との注意を呼び掛ける。クバト氏によると、選択した片方の面に、二つ以上のスタンプを押した場合も、無効となるという。また、投票用紙にスタンプ以外の何かを書いた場合も、無効になる。さらに、スタンプを押したあとの投票用紙をどういう風に折るのか、という議論にも明快な解答を寄せてくれた。それによると、「内側に半分に折った結果、スタンプが反対側についてしまっても、高等選挙委員会はその票は有効とする。しかし、念のため、(スタンプを押した面を)外側にするよう折るべきです」という。
■みな、投票に行こう
元文化観光大臣のフィクリ・サーラル氏は、人々に国民投票への参加を呼びかけ、「棄権は反対意見を利することになる。不注意から無効とされた票も、相手側を利する。だからこそ、選挙民は、スタンプを押す際に注意しなくてはいけない」と述べた。
サーラル氏は国民投票で人々は将来像を決めることになると説明し、平和民主党(BDP)の「ボイコット」の決定に反対を表明した。「ボイコットは間違っていると考える。市民は投票に行って自分の考えで投票できるべきである」と述べた。
■有効票は民主主義を意味する
元国務大臣ヴェフビ・ディンチェルレル氏は、明日の国民投票がトルコの民主化の観点から非常に重要であると説明し、「誰もが票を行使し、無効票を作らないよう注意し、意思を表明しなければならない」と話した。ディンチェルレル氏は、国民投票で賛成票を多数を占めれば、国民は自分たちの憲法を自分たちでつくる機会を得ることになると述べ、次のように話した。「トルコにおける人権と政治的安定の発展、地域の大国となるための扉が明けられることになる。55%から60%の「賛成」の票が投じられればトルコの展望を開く。投票者が有効票を投じれば投じるだけトルコの民主化にむけた重要な一歩となる」
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:20143 )