西岸地区の村で泉の占拠を目論む入植者、パレスチナ住民の抵抗
2010年09月05日付 al-Hayat 紙
■ 西岸地区で道路や石や小区画をめぐってパレスチナとイスラエルの係争
2010年09月05日付『アル=ハヤート』紙(イギリス)HPアラブ世界面(東アラブ)
【カラーワト・バニー・ハッサーン村:ムハンマド・ユーニス(本紙)】
ヨルダン川西岸地区北部のサルフィート県に位置するカラーワト・バニー・ハッサーン村の泉を入植者が占拠することを阻止すべく、パレスチナ暫定自治政府は村から泉まで17キロメートルにおよぶ道路の舗装工事に乗り出した。これは村人が泉の周囲の農地にアクセスして耕作を行うことを可能にするとともに、入植地拡大の危険性からこれらの土地を守るためのものである。
この土地を手に入れようと目論む入植者と対峙する地主たちへの政府の支援を確認するため、サラーム・ファイヤード首相は6ヶ月前の「土地の日」に現場を訪問し、山がちで石の多い土地を、馬が引く原始的な鋤を使用して農民たちと共に耕し、道路の舗装に必要な資金(33万5千ドル)を拠出した。
しかし、イスラエル当局は数日前に村長に対して、その道路がイスラエル政府管理下に置かれるC地区に建設されているとして、これを取り壊すとの決定を通告した。村長はファイヤード首相に急ぎ助けを求め、ファイヤード氏はこれを受けて再度現場を訪問し、ワシントンでアメリカの後押しのもと交渉が始まったのと同日に、舗装された道路の開通式を行った。これはイスラエル当局を困惑させ、破壊の決定を撤回させようとする試みである。
ファイヤード首相は本紙に対して、「この道路の開通は我が人民の、占領の苦痛や災難からの解放に向けた根気強い姿勢を表わすものだ」と述べ、「イスラエル当局が我々に活動を禁じる地域でこのような道路を拓くことは、自治政府が解放に向けてとっている方策の一環であり、土地に対して積極的な既成事実を作り出すとともに、入植活動に対する平和的抵抗の選択肢のもとに団結するというものである」と付け加えた。そして、「土地に対して行ってゆく全ての新しいプロジェクトにあたって、我々は全ての人々に言おう。我々はこの土地に居続ける、と」と述べた。
村の土地に建設されたクファト・ヤイル入植地の入植者たちは、この道路の先にある「ヌワイティフの泉」と名付けられた泉を占拠しようと一連の試みを行っており、入植者たちは泉の脇に木々に囲まれた古い岩が転がっており、散策の場所に適しているこの土地に娯楽設備を建設する意図を隠そうとしていない。
入植者たちは数ヶ月前にこの泉の場所にプールを建設したが、村民らがこれを破壊している。地主は「入植者たちは入植地付属の観光設備を建設すべく数百万ドルで土地の購入を提案してきたが、我々は断った」と述べた。村長は本紙に対して、「村民が持つ土地の権利書が今のところ、入植者による土地の占拠を防いでいる。しかし、彼らは既成事実の押し付けなど、土地を占拠するため別の手段に訴えている」と述べた。
(後略)
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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:20146 )